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もう一度、やり直したいんです
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(うわぁ……! ひろっ!)
シャワー浴びた後、食料を求めてやって来たのは、マンション近くに建つスーパーマーケットだった。スマートフォンの地図を見ながらやって来たが、マンションから徒歩五分掛かるか掛からないかの距離に、日本の何倍もの広さのあるスーパーマーケットがあるとは思わなかった。
前の客に習ってカゴとカートを持って店内に入ったが、中に入ってスーパーマーケットの広さと品数の多さに度肝を抜かされたのだった。
(とりあえず、食料を買おう。野菜や果物、パッケージに写真が載っている物なら、英語が読めなくても何か分かるよね……?)
これだけ広いと何を買えばいいのか迷ってしまうが、とりあえずは今自分が食べる分は買うべきだろう。それから、若佐先生が食べる分も――。
(いくら日本に帰れと言われても、このまま帰れないよね……)
日本とは違い、海外は危険が多い分、早く帰国して欲しいという若佐先生の気持ちは分かる。
でもここで帰国してしまったら、何も変わらない。
離婚届を出して他人に戻るか、これまでのすれ違い生活を送るだけか。
何も変わらないなら、ここまで来た意味が無くなってしまう。
(まずは自分から歩み寄ってみよう。もう怯えないで、目を逸らさないで、遠慮しないで……。だって、自分から心を開かなければ、相手も心を開いてくれないから……)
本当はまだ昨日怒られた事と、その後にあった衝撃で、ますます若佐先生に恐怖心を抱いてしまっている。そんな及び腰になっている自分を叱咤激励すると、手短に買い物を済ませたのだった。
何とか買い物を済ませて外に出ると、来た道を戻ろうとする。その途中、スーパーマーケットに向かう時はなかったホットドッグの移動ワゴン車を見つけたのだった。
(美味しそうな匂い)
ソーセージが焼ける匂いが辺りを漂い、食欲をそそられ、空腹を刺激される。
丁度、人が引けたようで、他には誰も並んでいなかった。英語の練習には良いかもしれない。
移動ワゴン車に近づいて行くと、私の姿に気づいたエプロン姿の中年の男性が人の良さそうな笑みを浮かべたのだった。
「これ、一個」
カウンターに貼られていたホットドッグの写真を指差し、人差し指を立てる。男性は意味が分かったのか、親指を立てるとホットドッグを作り始めたのだった。安心したのも束の間、ドル札を数枚財布から取り出したところで、男性が何か話し始めたのだった。
「えっ……なんだろう?」
何か伝えたがっているが、男性が早口というのもあり言葉が聞き取れなかった。
「早くスマホを出さないと……!」
慌てて、スマートフォンを取り出すが、その間にも男性は何かを叫ぶように繰り返し、数人が立ち止まって私達の様子を興味深そうに見ていた。中には笑いながら見物している人もいたので、だんだん顔が赤くなってきたのだった。心なしか男性も苛立って来たようで、怒鳴り声にも似た声を上げた時、見知らぬ女性が私達の間に入ってきたのだった。
シャワー浴びた後、食料を求めてやって来たのは、マンション近くに建つスーパーマーケットだった。スマートフォンの地図を見ながらやって来たが、マンションから徒歩五分掛かるか掛からないかの距離に、日本の何倍もの広さのあるスーパーマーケットがあるとは思わなかった。
前の客に習ってカゴとカートを持って店内に入ったが、中に入ってスーパーマーケットの広さと品数の多さに度肝を抜かされたのだった。
(とりあえず、食料を買おう。野菜や果物、パッケージに写真が載っている物なら、英語が読めなくても何か分かるよね……?)
これだけ広いと何を買えばいいのか迷ってしまうが、とりあえずは今自分が食べる分は買うべきだろう。それから、若佐先生が食べる分も――。
(いくら日本に帰れと言われても、このまま帰れないよね……)
日本とは違い、海外は危険が多い分、早く帰国して欲しいという若佐先生の気持ちは分かる。
でもここで帰国してしまったら、何も変わらない。
離婚届を出して他人に戻るか、これまでのすれ違い生活を送るだけか。
何も変わらないなら、ここまで来た意味が無くなってしまう。
(まずは自分から歩み寄ってみよう。もう怯えないで、目を逸らさないで、遠慮しないで……。だって、自分から心を開かなければ、相手も心を開いてくれないから……)
本当はまだ昨日怒られた事と、その後にあった衝撃で、ますます若佐先生に恐怖心を抱いてしまっている。そんな及び腰になっている自分を叱咤激励すると、手短に買い物を済ませたのだった。
何とか買い物を済ませて外に出ると、来た道を戻ろうとする。その途中、スーパーマーケットに向かう時はなかったホットドッグの移動ワゴン車を見つけたのだった。
(美味しそうな匂い)
ソーセージが焼ける匂いが辺りを漂い、食欲をそそられ、空腹を刺激される。
丁度、人が引けたようで、他には誰も並んでいなかった。英語の練習には良いかもしれない。
移動ワゴン車に近づいて行くと、私の姿に気づいたエプロン姿の中年の男性が人の良さそうな笑みを浮かべたのだった。
「これ、一個」
カウンターに貼られていたホットドッグの写真を指差し、人差し指を立てる。男性は意味が分かったのか、親指を立てるとホットドッグを作り始めたのだった。安心したのも束の間、ドル札を数枚財布から取り出したところで、男性が何か話し始めたのだった。
「えっ……なんだろう?」
何か伝えたがっているが、男性が早口というのもあり言葉が聞き取れなかった。
「早くスマホを出さないと……!」
慌てて、スマートフォンを取り出すが、その間にも男性は何かを叫ぶように繰り返し、数人が立ち止まって私達の様子を興味深そうに見ていた。中には笑いながら見物している人もいたので、だんだん顔が赤くなってきたのだった。心なしか男性も苛立って来たようで、怒鳴り声にも似た声を上げた時、見知らぬ女性が私達の間に入ってきたのだった。
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