強面騎士団長、異世界ギャルを嫁にもらう

さねうずる

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ヤマンバギャルが嫁にきた

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今日、聖女召喚の儀が行われた。
いや……行われたというと語弊があるかもしれない。

大昔の大魔道士が残したという……国が未曾有の危機に瀕した時のみ光る水晶がなんと突然眩い光を発したのだ。
この水晶が光ったのは、およそ300年ぶり。
国王は存在自体忘れておられたようで、水晶は物置小屋のガラクタ箱に放り込まれていた。

宰相とメイドが逢引しているときにたまたま発光し、慌てて我々に招集がかけられたのだ。

水晶を中心に皆で周りを囲んでいると、どんどんと光が強くなる。
そのうち、誰もが目を閉じざるおえなくなるほどの光が放出された。
やっと光が終息し、目を開けるとそこには見たこともない人間が二人……。
黒髪に鳶色の瞳の小柄な女が一人。
もう一人は、肌が黒く、毛先は桃色に変色しており、顔に見たことのない紋様を描いている女?だった。

文献によると聖女は黒髪黒目と記載されていたが、恐らく黒髪の小柄な女が聖女なのだろう。

もう一人の異形な姿の女は、不運にも巻き込まれたらしい。

それが、俺の妻となった女との出会いだ。



*+*+*+*+*+*+*+*




聖女召喚の儀が終わり、誤って召喚してしまった女を家に連れ帰ることになった。

見た目が我々と違うからといって、檻に入れようなど馬鹿なことを申す奴らがいたからだ。
現に女は戸惑ってはいたものの我々を害すような様子は微塵も見受けられなかった。

俺が異を唱えると、平民出の俺のことを嫌っている上層部の文官どもが好機とばかりに女を押し付けてくる。
ここに置いておいても、俺の見ていないところで非人道的な対応を受ける可能性は高い。
仕方がなく家まで連れ帰ってくるしかなかった。



「ここが俺の家だ。」


そう言って家の扉を開ける。
なんてことない一軒家だ。
国王からは、騎士団長として爵位と屋敷を授けると常々言われているが、必要ないので毎回断っている。

爵位なんてあったところで、堅苦しい夜会の出席回数が増えるだけだし、一人で住むのにデカすぎる屋敷は逆に不便だ。
誰かと一緒に暮らすなど考えたこともないため使用人を雇いたいとも思わない。
家でくらい人目を気にせず、気を抜いて寛ぎたい。



「きたなっ‼︎掃除苦手?」


家の中に踏み入れた瞬間、女はそう言って辺りを見渡す。

そこら中に脱ぎ散らかした服が散乱し、机の上には食事のあとそのままになった食器が所狭しと並んでいる。
シンクが洗っていない食器で埋まっており、他に置くところがなかったのだ。


「部屋が汚くても死にはしない。」

足で服を除けながらリビングを抜け、階段を登る。

「お前の部屋は2階の奥だ。必要なものは明日買いに行く。
俺はまだ仕事が残っているから城に戻るが、お前は好きに過ごすといい。

……但し、家からは出るな。」


「り。」


「…………」


よく分からない返事が返ってきたが、尖った爪のつく指で器用にマルを作っていたので恐らく通じたのだろう。

俺は一人階段を降りると玄関に向かい、鍵を掛ける。

少し歩いたところで一度だけ家の方を振り返ると、2階の窓から「いってらー」とこれまたよく分からない言葉を発しながら、こちらに向かって大きく手を振る女が見えた。


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