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異世界に来ちゃった
しおりを挟むその日は彼ピッピが初めて家に来る予定だった……。
気合い入れてメークして、髪盛って、爪可愛くして、彼ピッピの好物の生姜焼き作って待ってたってわけ。
なのに、いつまで待っても来ないから電話してみたら、うっすーいマンションの壁の向こうから着信音が微かに聞こえた。
ちょっと前から致してる声は聞こえてたけど、隣の部屋の子はしょっちゅう色んな男連れ込んでるし、別に珍しくもないから気にしてなかった。
でもやけにタイミングよくなった着信が気になって、壁に耳を押し付ける。
「んっ……ハァハァ。今度は後ろ向いて。」
……似てる。
彼ピッピの声に激似。
もう一度電話を鳴らしてみる。
「テテテンテ テテンテン♪♪」
いやいや、ギルティっしょ。これ。
隣の女とヤってんの100パー彼ピッピじゃん。
「んっ、あん❤️ねぇ、電話いいの?」
「あっ?まぁ、大丈夫っしょ。
それより続き……ほら。」
「んっ❤️もう……❤️」
…………大丈夫じゃねーよ。
…………何これ。
鬼ムカつくんだけど。
その時、神様マジ神‼︎ってタイミングで隣の部屋のチャイムが鳴る。
音を立てないように……かつ急いで部屋の外に出ると、宅配便のお兄さんが荷物を持ってドアが開くのを待っているところだった。
しばらく待つとドアが開き、女が対応している声が聞こえる。
宅配のお兄さんが荷物を受け渡したタイミングを見計らって、ドアの後ろから飛び出し、部屋の中に押し入った。
「きゃっ‼︎ちょっと……なに‼︎‼︎」
「うちの彼ピッピここにいるでしょ。」
ワンルームに隠れる場所があるわけもなく、ベッドの上にあそこ晒して間抜けな格好で座る彼ピッピの姿を見つけた。
「……つばき。いや、これは違くて……」
「なんも違くないんだけど。最低。別れる。」
「いや、まじ話聞けって‼︎」
尚も言い募る元彼ピッピを無視して、玄関に向かうと未だに呆然と固まる宅配のお兄さんが目に止まる。
お兄さん驚かせてめっちゃごめん。
一方女の方は悪びれた様子もなく、壁に寄り掛かり爪を弄っていた。
何か一言言ってやろうと口を開いたその時……強い光に包まれて、思わず目を瞑る。
と……いつの間にかよく分からない格好の外国人に囲まれていた。
ってのがことの顛末なんだけど。回想終わりっ‼︎
その後は、なぜかあたしのこと檻に入れるだのどーのこーのいう話になって、でっかくて鬼こわーい顔したおじさんが、周りの人を怒鳴りつけて、そのおじさんの家に住むことになった。
おじさんがあたしのために怒鳴ってくれたとき、浮気女は怯えたフリしてちゃっかりイケメンにしがみついてたけど。
一番近くにいたぽっちゃりおじさんじゃなくて、イケメンのところまで移動して抱きついてる時点でビビってなくない⁇
なんで男ってああいうの気がつかないのかな?
そんなこんなで今はおじさんの家に来たわけだけど、
とうのおじさんはあたしのこと置いてすぐに仕事戻っちゃったし。
好きにしてていいって言われたから掃除でもしよっかな。
てか、ほんとあんなかっちりした質実剛健みたいなおじさんの家が汚家とかめっちゃ萌えるんだけど‼︎
男には甘えるより甘えられたいタチだから、こういうダメンズな一面見ちゃうとほんとキュンキュンしちゃう。
あたしが支えてあげなきゃーみたいな?
取り敢えず、掃除頑張っちゃお★
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