強面騎士団長、異世界ギャルを嫁にもらう

さねうずる

文字の大きさ
14 / 30

パーティー開始

しおりを挟む


「アレクシス、よく来たな。
今年もお前たちのおかげで無事新しい年を迎えられそうだ。
先の東辺境の魔獣討伐は見事であったな。」

今回の夜会の主催であるベルナルド総司令官へ挨拶に行くと、そう声を掛けられる。
彼は俺の上司にあたる武官のトップだ。

「……勿体なき御言葉にございます。」

俺がそう口を開いた瞬間、椿がバッと勢いよく俺を見る。

やめろ……。敬語使えるの⁉︎みたいな顔でこっちを見るな。顔に出すぎなんだよ。マナーの勉強の成果はどうした。


「そちらは奥方かな?…………誠に美しいですな。」


「へっ?あっ、いえ、とんでもござりません。
私、アレクシスの妻の椿と申します。
いつも夫がお世話になっております。」

そう言って、にへらと笑う。
少し噛んだが、まぁ及第点だな。
笑った顔は高貴とは程遠いにへら顔だが……。

「ほう……では、やはりあなたがあの時聖女様と一緒に召喚された方で間違いないのですな。

おや?椿殿は……漆黒の瞳をしておられる。」


ちっ、やはりベルナルド様は目敏いな。

聖女は本来黒髪黒目だと伝承されているが、椿と一緒にきた聖女の瞳はよくよく見ると黒ではない。鳶色だ。
光の加減で黒に見えなくもないし、髪は黒色だった。
それに比べて椿は、グレーの明るい瞳の色に髪は茶色からピンクのグラデーション。
あの時はどちらが聖女かは火を見るより明らかだった。

だが、今の椿は瞳の色が黒だ。
髪色から椿が聖女だと認定されることはないと思う……。
しかしもし王宮に召し抱えられるなんてことになったら?
…………俺は城を血の海に変えてしまうかもしれん。


「アレクシス、心配するな。王宮の者もあちらの聖女で手一杯だ。2人目を引き入れようとは考えんだろう。」

黙ったままの俺を見て、ベルナルド様はカッカッカッと軽快に笑った。


ベルナルド総司令官への挨拶が終わると突然……どデカいファンファーレが鳴り始める。
王族と聖女が入場するらしい。
そこら中で談笑していた貴族たちが、こぞって入り口付近に集まり出した。


「なに?なになに?なんかあるの?」

椿がコソコソ耳打ちしてくる。

「王族が出てくる。お前も召喚された日に一度あっただろ。」

「えっ?うそ?どの人がそうだったのか全然分かんない。てかアッくん以外1人も覚えてないや。」

お前を牢屋に入れろってギャーギャー騒いでた奴らだよ。
逆によく忘れられるな……。
俺なら絶対忘れない。後でギタギタに叩きのめすために。



仰々しく登場した国王と王妃、それから王太子にエスコートされて聖女も入場してきた。


「……聖女はあんな顔だったか?」

「あの人もあたしと一緒でかなり化粧で作り込んでたから違って見えるかもね。」

整った顔立ちをしているとは思うが、正直椿のほうが何倍も上だと思う。
肌も陶器のようにつるつるだし、目はクリクリだし、唇と頬はほんのりピンク色で寒い日なんかは余計色づくので思わず触りたくなる。




貴族たちはこぞって挨拶に行ったが俺は貴族ではないし、武官のトップであるベルナルド様に挨拶は済ませたので今日の任務は終わったも同然である。

「あっ‼︎アッくんダンス始まるみたい‼︎とうとうあたしの練習の成果を見せる時がきた‼︎」


会場にしっとりとしたクラシックが流れ始めた。
王家の入場と挨拶が終わったため、ダンスの時間に移るのだろう。


「最初は国王と王妃が踊る。お前が練習の成果を見せるのはもう少し後だ。」

「順番決まってるの?せっかく練習したから早くアッくんと踊りたいよ。」


「…………お前と踊ると別のこと思い出しちまうな。」

わざと耳元で囁くと、白い肌にカッと紅がさした。
あれから何回もヤってるのに、未だに初々しい反応を示す。
それが可愛くてついつい意地悪をしてしまうのだ。


「…………アッくんのえっち。」

「紅くなって美味そうだな。早く食いてえ。」

「んっ……もう、耳元で話さないで。」


あーー、可愛い。潤んでキラキラした夜色の瞳で上目遣いされると堪らない気持ちになる。
まじで今すぐ抱きてえ。
可愛すぎる反応に下半身に熱が集まってくる。
なんとか他で気を散らしたが、頭の中は帰ってからヤルことでいっぱいだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義姉の身代わりで変態侯爵に嫁ぐはずが囚われました〜助けた人は騎士団長で溺愛してきます〜

涙乃(るの)
恋愛
「お姉さまが死んだ……?」 「なくなったというのがきこえなかったのか!お前は耳までグズだな!」 母が亡くなり、後妻としてやってきたメアリー夫人と連れ子のステラによって、執拗に嫌がらせをされて育ったルーナ。 ある日ハワード伯爵は、もうすぐ50になる嗜虐趣味のあるイエール侯爵にステラの身代わりにルーナを嫁がせようとしていた。 結婚が嫌で逃亡したステラのことを誤魔化すように、なくなったと伝えるようにと強要して。 足枷をされていて逃げることのできないルーナは、嫁ぐことを決意する。 最後の日に行き倒れている老人を助けたのだが、その人物はじつは……。 不遇なルーナが溺愛さるまで ゆるっとサクッとショートストーリー ムーンライトノベルズ様にも投稿しています

『完結・R18』公爵様は異世界転移したモブ顔の私を溺愛しているそうですが、私はそれになかなか気付きませんでした。

カヨワイさつき
恋愛
「えっ?ない?!」 なんで?! 家に帰ると出し忘れたゴミのように、ビニール袋がポツンとあるだけだった。 自分の誕生日=中学生卒業後の日、母親に捨てられた私は生活の為、年齢を偽りバイトを掛け持ちしていたが……気づいたら見知らぬ場所に。 黒は尊く神に愛された色、白は"色なし"と呼ばれ忌み嫌われる色。 しかも小柄で黒髪に黒目、さらに女性である私は、皆から狙われる存在。 10人に1人いるかないかの貴重な女性。 小柄で黒い色はこの世界では、凄くモテるそうだ。 それに対して、銀色の髪に水色の目、王子様カラーなのにこの世界では忌み嫌われる色。 独特な美醜。 やたらとモテるモブ顔の私、それに気づかない私とイケメンなのに忌み嫌われている、不器用な公爵様との恋物語。 じれったい恋物語。 登場人物、割と少なめ(作者比)

泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。

待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。

騎士団長のアレは誰が手に入れるのか!?

うさぎくま
恋愛
黄金のようだと言われるほどに濁りがない金色の瞳。肩より少し短いくらいの、いい塩梅で切り揃えられた柔らかく靡く金色の髪。甘やかな声で、誰もが振り返る美男子であり、屈強な肉体美、魔力、剣技、男の象徴も立派、全てが完璧な騎士団長ギルバルドが、遅い初恋に落ち、男心を振り回される物語。 濃厚で甘やかな『性』やり取りを楽しんで頂けたら幸いです!

【完結】タジタジ騎士公爵様は妖精を溺愛する

雨香
恋愛
【完結済】美醜の感覚のズレた異世界に落ちたリリがスパダリイケメン達に溺愛されていく。 ヒーロー大好きな主人公と、どう受け止めていいかわからないヒーローのもだもだ話です。  「シェイド様、大好き!!」 「〜〜〜〜っっっ!!???」 逆ハーレム風の過保護な溺愛を楽しんで頂ければ。

【短編完結】元聖女は聖騎士の執着から逃げられない 聖女を辞めた夜、幼馴染の聖騎士に初めてを奪われました

えびのおすし
恋愛
瘴気を祓う任務を終え、聖女の務めから解放されたミヤ。 同じく役目を終えた聖女たちと最後の女子会を開くことに。 聖女セレフィーナが王子との婚約を決めたと知り、彼女たちはお互いの新たな門出を祝い合う。 ミヤには、ずっと心に秘めていた想いがあった。 相手は、幼馴染であり専属聖騎士だったカイル。 けれど、その気持ちを告げるつもりはなかった。 女子会を終え、自室へ戻ったミヤを待っていたのはカイルだった。 いつも通り無邪気に振る舞うミヤに、彼は思いがけない熱を向けてくる。 ――きっとこれが、カイルと過ごす最後の夜になる。 彼の真意が分からないまま、ミヤはカイルを受け入れた。 元聖女と幼馴染聖騎士の、鈍感すれ違いラブ。

【完結】お父様(悪人顔・強面)似のウブな辺境伯令嬢は白い?結婚を望みます。

カヨワイさつき
恋愛
魔物討伐で功績を上げた男勝りの辺境伯の5女は、"子だねがない"とウワサがある王子と政略結婚結婚する事になってしまった。"3年間子ども出来なければ離縁出来る・白い結婚・夜の夫婦生活はダメ"と悪人顔で強面の父(愛妻家で子煩悩)と約束した。だが婚姻後、初夜で……。

燻らせた想いは口付けで蕩かして~睦言は蜜毒のように甘く~

二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
北西の国オルデランタの王妃アリーズは、国王ローデンヴェイクに愛されたいがために、本心を隠して日々を過ごしていた。 しかしある晩、情事の最中「猫かぶりはいい加減にしろ」と彼に言われてしまう。 夫に嫌われたくないが、自分に自信が持てないため涙するアリーズ。だがローデンヴェイクもまた、言いたいことを上手く伝えられないもどかしさを密かに抱えていた。 気持ちを伝え合った二人は、本音しか口にしない、隠し立てをしないという約束を交わし、身体を重ねるが……? 「こんな本性どこに隠してたんだか」 「構って欲しい人だったなんて、思いませんでしたわ」 さてさて、互いの本性を知った夫婦の行く末やいかに。 +ムーンライトノベルズにも掲載しております。

処理中です...