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パーティー開始
しおりを挟む「アレクシス、よく来たな。
今年もお前たちのおかげで無事新しい年を迎えられそうだ。
先の東辺境の魔獣討伐は見事であったな。」
今回の夜会の主催であるベルナルド総司令官へ挨拶に行くと、そう声を掛けられる。
彼は俺の上司にあたる武官のトップだ。
「……勿体なき御言葉にございます。」
俺がそう口を開いた瞬間、椿がバッと勢いよく俺を見る。
やめろ……。敬語使えるの⁉︎みたいな顔でこっちを見るな。顔に出すぎなんだよ。マナーの勉強の成果はどうした。
「そちらは奥方かな?…………誠に美しいですな。」
「へっ?あっ、いえ、とんでもござりません。
私、アレクシスの妻の椿と申します。
いつも夫がお世話になっております。」
そう言って、にへらと笑う。
少し噛んだが、まぁ及第点だな。
笑った顔は高貴とは程遠いにへら顔だが……。
「ほう……では、やはりあなたがあの時聖女様と一緒に召喚された方で間違いないのですな。
おや?椿殿は……漆黒の瞳をしておられる。」
ちっ、やはりベルナルド様は目敏いな。
聖女は本来黒髪黒目だと伝承されているが、椿と一緒にきた聖女の瞳はよくよく見ると黒ではない。鳶色だ。
光の加減で黒に見えなくもないし、髪は黒色だった。
それに比べて椿は、グレーの明るい瞳の色に髪は茶色からピンクのグラデーション。
あの時はどちらが聖女かは火を見るより明らかだった。
だが、今の椿は瞳の色が黒だ。
髪色から椿が聖女だと認定されることはないと思う……。
しかしもし王宮に召し抱えられるなんてことになったら?
…………俺は城を血の海に変えてしまうかもしれん。
「アレクシス、心配するな。王宮の者もあちらの聖女で手一杯だ。2人目を引き入れようとは考えんだろう。」
黙ったままの俺を見て、ベルナルド様はカッカッカッと軽快に笑った。
ベルナルド総司令官への挨拶が終わると突然……どデカいファンファーレが鳴り始める。
王族と聖女が入場するらしい。
そこら中で談笑していた貴族たちが、こぞって入り口付近に集まり出した。
「なに?なになに?なんかあるの?」
椿がコソコソ耳打ちしてくる。
「王族が出てくる。お前も召喚された日に一度あっただろ。」
「えっ?うそ?どの人がそうだったのか全然分かんない。てかアッくん以外1人も覚えてないや。」
お前を牢屋に入れろってギャーギャー騒いでた奴らだよ。
逆によく忘れられるな……。
俺なら絶対忘れない。後でギタギタに叩きのめすために。
仰々しく登場した国王と王妃、それから王太子にエスコートされて聖女も入場してきた。
「……聖女はあんな顔だったか?」
「あの人もあたしと一緒でかなり化粧で作り込んでたから違って見えるかもね。」
整った顔立ちをしているとは思うが、正直椿のほうが何倍も上だと思う。
肌も陶器のようにつるつるだし、目はクリクリだし、唇と頬はほんのりピンク色で寒い日なんかは余計色づくので思わず触りたくなる。
貴族たちはこぞって挨拶に行ったが俺は貴族ではないし、武官のトップであるベルナルド様に挨拶は済ませたので今日の任務は終わったも同然である。
「あっ‼︎アッくんダンス始まるみたい‼︎とうとうあたしの練習の成果を見せる時がきた‼︎」
会場にしっとりとしたクラシックが流れ始めた。
王家の入場と挨拶が終わったため、ダンスの時間に移るのだろう。
「最初は国王と王妃が踊る。お前が練習の成果を見せるのはもう少し後だ。」
「順番決まってるの?せっかく練習したから早くアッくんと踊りたいよ。」
「…………お前と踊ると別のこと思い出しちまうな。」
わざと耳元で囁くと、白い肌にカッと紅がさした。
あれから何回もヤってるのに、未だに初々しい反応を示す。
それが可愛くてついつい意地悪をしてしまうのだ。
「…………アッくんのえっち。」
「紅くなって美味そうだな。早く食いてえ。」
「んっ……もう、耳元で話さないで。」
あーー、可愛い。潤んでキラキラした夜色の瞳で上目遣いされると堪らない気持ちになる。
まじで今すぐ抱きてえ。
可愛すぎる反応に下半身に熱が集まってくる。
なんとか他で気を散らしたが、頭の中は帰ってからヤルことでいっぱいだった。
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