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再びの聖女様(笑)
しおりを挟む「レオ様……どうなされたの?」
アッくんと金髪ナルシーくんが睨み合っていると、女性の高い声が割って入ってくる。
この声は壁越しにいつも聞いていた…………寝取り女もとい聖女様(笑)!
囲っていた周りの人たちの間から顔を出した女を見て、何だか懐かしいような気さえする。
まだここに来て2ヶ月くらいだけど。
「あら?あなた……誰?」
「……は?あなたの隣に住んでた山辺椿ですけど。」
「っ⁉︎……あ、あぁ、あなたね。まだいたの?」
ムッカーーーー‼︎ 相変わらずムカつく‼︎
まだいたの?ってなに!?
いるでしょ‼︎そりゃ。
どうやって帰れっつー訳⁉︎
てか、遠目から見ても思ったけど宝石つけすぎてて目がチカチカする‼︎
ティアラとピアス、ネックレス、ブレスレッドに指輪……全部におっきな宝石がこれでもかっ!ってくらい飾られてる。
ドレスもすごい手の込んだ作りで、素人目から見てもすっごい高そう……。
人様の世界で満喫しすぎでしょ‼︎
「聖女様‼︎今日も美の女神レイシア様のごとくお美しい。」
金髪ナルシー君は、聖女が現れた途端アッくんとあたしのことなんか忘れて甘い空気を出し始めた。
聖女が当然って感じで手を差し出すと、金髪ナルシー君が手の甲にキスを落として、視線を絡ませている。
…………あっま。空気あっま。いやこれ絶対ヤってんじゃん、この人ら。
「聖女様、ここにおられましたか。突然いなくなったので心配しました。」
……またなんか現れた。
また金髪だし……。ナルシー君と金髪被りしてるんだけど。
ナルシー君は麦色っぽい感じの燻んだ金色だけど、こっちの人は金塊みたいにピッカピカの金色。
金ピカ君と呼ぼう。
金ピカ君は聖女の腰を抱き寄せると、鋭い視線をこちらに向けてくる…………と思ったら、なんかすっごい驚いてます。って顔に変わった。
なに……?今の今でそんな驚くイベントあった?
金ピカ君はまるで操られてるかのように一歩……また一歩とこちらに近づいてくる。
こっわ‼︎なに⁉︎なになに⁉︎⁉︎恐いんだけど‼︎
「…………美しい。君……名前は?」
ヒィーーー‼︎なんかブツブツ言ってるし、絶対おかしい人じゃん。
アッくんの背中にピタッとくっついて姿を隠してみる。
というか、隠れるまでもアッくんが要塞のように金ピカ君に立ちはだかってくれた。
「殿下、私の妻に何か?」
「…………はっ?ランゲ団長の妻??
いやいやいやいや、ランゲ団長の妻はあの時のあれだろ?あれがこれとかあり得ないだろ。」
またこの反応なの??
てか、化け物の次はあれ呼ばわりとか流石に傷つくんですけど……。
そりゃ、ヤマンバギャルって派手派手だし世間的にあんまウエルカムって感じじゃないのは分かってるけどさ……別に誰にも迷惑かけてないし、あたしはあれが好きなんだもん。
別によくない?
アッくんもほんとは化け物女とか思ってたのかな……。
お嫁に貰ってくれたぐらいだから受け入れてくれてるのかと思ってたけど、ほんとは嫌だったのかな……。
広くて頑強な背中に顔を埋めてちょっとだけ不安な心を誤魔化した。
「別に私の妻がどのような姿でも殿下には関係ないでしょう。
口が過ぎるのでは?」
アッくんの背中から直に耳に響く声に怒気が感じ取れて、申し訳なくも嬉しくなってしまう。
アッくんあたしのためにこんな怒ってくれて……くぅ!アッくんすき。
「……っ、わ、悪かったよ。冗談だ。
我が国がこうして平和で豊かに成り立っているのも国防を一手に担うランゲ団長のおかげだ。
そんなあなたの大切な方を悪しように言うつもりはなかったんだ。
今後は気をつけるから……。」
おお!王子様タジタジじゃん。アッくん凄っ。
「分かっていただければ結構。
椿行くぞ。」
「あっうん。あっ、えとっ……王子様?お先に失礼させていただきます?」
アッくんに手を引かれて会場を後にする。
王子様たちの前を通り過ぎる時、聖女(笑)を見るとギラギラした目でアッくんのことをジーっと見ていた。
めっちゃ嫌な予感。
なんだか濃ゆい時間だったからすっごく疲れた……。
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