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ランゲ騎士団の筋肉祭り
しおりを挟むアッくんの騎士団の詰所――――
アッくんの部下の人で炎魔法を使える人だけ30人ほど集まって貰った。
アッくんは不機嫌丸出しで、恐い顔が更に恐い。
部下の人たちもめっちゃビクビクしちゃってるし。
あたしが聖女だってバレると王宮の人たちに貞操を狙われる可能性があるから、氷河竜はアッくんとアッくんの騎士団の人たちで対応してもらうことになった。
王様たちには内緒で……。
エッチなことしなくても、手を繋いだり、抱き合ったりするだけで魔力が上がるってアッくんは言ってた。
だから、部下の人たちと接触して魔力値を上げてもらいアッくんの補助をしてもらうって寸法である。
アッくんの隊は魔物討伐とか市中警らが担当だから、他の隊より武闘派で実力も高いというのでちょうどよかった。
そのために今日は、みんなに集まってもらった次第である。
「これから行うのは氷河竜に対抗するため、お前らの魔力量を増やすための処置だ。
最初の10人は並んで椅子に座れ。手は膝の上から動かすな。目も閉じてろ。もし手出したらコロス。」
アッくんのバリトンボイスが周囲によく響く。
何をされるか分からず不安だろうに、素早い動きで10人が着席し、ピシッと背筋を伸ばしたまま言われた通り手を膝に置き目を閉じた。
準備ができるとあたしは一番右端の人の後ろに回る。
金髪のくりくりしたパーマ頭が特徴的な人で、よく鍛えられた肩に筋肉が盛り上がっていた。
いきなり抱きつくのもどうなのかと言うことで、驚かせないように後ろからそっと声をかける。
「しつれーします。」
ギュッと抱き締めると、相手の人の体がビクッと緊張したのが分かった。
「痛いことしないから大丈夫だよ?」
そう声をかけると膝に置いてる手が今度はぷるぷると震え出す。
魔力が増えるのってやっぱ違和感あったりするのかな?
たっぷり5分ほど抱き締めると体を離す。
「大丈夫?怠かったりする?」
「は、はひ……。だいじょうぶれふ。」
離した途端、お腹が痛い時のように上半身が前に倒れたので、心配して声を掛けたらくぐもった返事が返ってきた。
まぁ、本人も大丈夫って言ってるし大丈夫だろう……。
アッくんのほうをチラリと見ると、鬼みたいな顔をしてたので見ないことにした。
さて、次々っと。
最初の10人を終えると次の10人と交代する。
最初の10人は席に着くのにあんなキビキビ動いていたのに元の場所に戻るのはなんかふらふらして覚束ない足取りだった。
やっぱなんか副作用的なことがあるのかな?
次の10人も魔力増えろーって念じながら、後ろから抱きつく。
あたし的に何も起こってないからいまいちピンとこないんだけど、本当にちゃんと魔力増えてるのかな?
不安なんだけど。
ちなみになんでこのスタイルになったかと言うと、正面からの抱擁はアッくんが断固NGと言った。
だけとわ副官の人に試してもらったら握手だけだとやっぱ増え高が悪いらしい。結果後ろからの抱擁という形に収まった。
見た感じはみんな一様にマッチョなんだけど、それぞれ筋肉のつき方が違っていて抱きつくとよく分かる。
一人僧帽筋が半端ない人がいたから「肩の筋肉すごいね。よく鍛えてあって頼もしい。」って感想言ったら、胸筋がピクピク動いて笑った。
マッチョってどこの世界でも筋肉アピールに胸筋動かすんだなー。
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