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第2章 卒業試験
探索した結果
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「どうします、明日もダンジョンに行きますか?」
ボイヤーは浮かない表情でカリンに聞いた。
「うーん、どうしよっか……」
カリンは眉間にしわを寄せながら、ジョッキに入ったビールを飲んだ。
「これなんか良いと思うんだけどな……あちっ」
タフィは伸びをする猫の形をした魔石を眺めながら、熱々の野菜パエリアを口に運んだ。
3人は2日目のダンジョン探索を終え、「ジュリアタム」というレストランで夕食を食べていた。
「惜しいのよね。それ所作は良いんだけど、顔がちょっと微妙なのよ」
カリンは苦笑しながら、皿に盛られたピリ辛のポテトフライに手を伸ばす。
タフィたちは2日間のダンジョン探索で20個近い魔石を手に入れていたが、確実に喜んでもらえそうな代物はゲットできていなかった。
そのため、このままダンジョンでの探索を続けるか、それとも別の場所で探してみるか、夕食を食べながら話し合っていたのだ。
「で、どうふんの?」
タフィはバクバクとパエリアを食べながらカリンに聞く。
「とりあえず選択肢としては、ダンジョンに行くか、冒険者ギルドに行ってみるかの2つがあるの」
「冒険者ギルド? そんなとこ行ってどうすんの?」
「ここのギルドはね、他の所と違って、報酬に猫グッズみたいなものがあったりするのよ」
「へぇ~、だったら行ってもいいんじゃねぇの。なんかダンジョン行くのも飽きたしさ」
「僕もいいと思います」
「じゃ、明日は朝一ギルドね。けって~い」
ほろ酔い気味のカリンは、ジョッキに残ったビールをぐびぐびっと飲み干した。
翌日、タフィたちは街の中心部にある冒険者ギルドカーナヴォン支部を訪れていた。
ギルドは総石造りの2階建ての建物で、入り口のドアなどには猫をかたどったレリーフが彫られている。
「猫の置物に人形……結構色んなのが報酬になってんだな」
「本当ですね。あ、こっちはぬいぐるみがありますよ」
タフィとボイヤーは、買い物でもするような感じで掲示板に貼られた依頼票を眺めていた。
「あんたたち買い物に来てるんじゃないんだから、ちゃんとランクとかも確認しなさいよね」
依頼票にはその依頼の難易度が示されており、冒険者は自分より1つ上のランクまで受注することができる。
なお、カリンはBランク冒険者なので、Aランクの依頼まで受注可能だ。
「……あっ!」
カリンに注意された直後、ボイヤーは1枚の依頼票を指差しながら声をあげた。
「どうしたボイヤー? なんかすげぇ報酬でも見つけたか?」
「兄やんこれ見てください。ラッシャーさんが絵のモデルを探してますよ」
依頼票には「絵のモデルになってくれる者を求む 依頼人 アグレ・ラッシャー 依頼内容 野球をしている猫を描きたいので、野球が上手い人にモデルをお願いしたい 報酬 500ランスと依頼人が描いた絵 ランク F」ということが記載されていた。
「ラッシャー? 誰だそれ?」
「知らないんですか? ラッシャーさんは、擬人化した猫の絵を描くことで有名な画家ですよ。姉さんは知ってますよね?」
「名前は聞いたことはあるけど、そんなにすごい人なの?」
タフィだけでなく、カリンの反応も薄い。
「すごい人ですよ。この前なんか、猫好きの貴族が10万ランスで絵を買ったそうですからね」
「10万!?」
驚くタフィ。ちなみに、タフィたちが泊まっている安宿は3人で1泊450ランス、タフィの家で売っている串焼きは1本5ランス~20ランスである。
「だったらこの依頼にしよっか」
カリンは掲示板から依頼票を取ると、受付へ持っていって受注した。
「……にしても絵のモデルって、冒険者って意外となんでもやるんだな」
「そうよ。だから冒険者のことをなんでも屋って呼ぶ人もいるわね。それよりこの依頼、記載されてるランクよりもずっと難しいみたいよ」
「難しいって、絵のモデルやるだけだろ」
「それが受付の娘に言われたんだけど、この依頼、今までに10人以上が受注して、全員失敗してるんだって」
「マジで?」
一抹の不安を覚えつつ、タフィたちはギルドを後にした。
ボイヤーは浮かない表情でカリンに聞いた。
「うーん、どうしよっか……」
カリンは眉間にしわを寄せながら、ジョッキに入ったビールを飲んだ。
「これなんか良いと思うんだけどな……あちっ」
タフィは伸びをする猫の形をした魔石を眺めながら、熱々の野菜パエリアを口に運んだ。
3人は2日目のダンジョン探索を終え、「ジュリアタム」というレストランで夕食を食べていた。
「惜しいのよね。それ所作は良いんだけど、顔がちょっと微妙なのよ」
カリンは苦笑しながら、皿に盛られたピリ辛のポテトフライに手を伸ばす。
タフィたちは2日間のダンジョン探索で20個近い魔石を手に入れていたが、確実に喜んでもらえそうな代物はゲットできていなかった。
そのため、このままダンジョンでの探索を続けるか、それとも別の場所で探してみるか、夕食を食べながら話し合っていたのだ。
「で、どうふんの?」
タフィはバクバクとパエリアを食べながらカリンに聞く。
「とりあえず選択肢としては、ダンジョンに行くか、冒険者ギルドに行ってみるかの2つがあるの」
「冒険者ギルド? そんなとこ行ってどうすんの?」
「ここのギルドはね、他の所と違って、報酬に猫グッズみたいなものがあったりするのよ」
「へぇ~、だったら行ってもいいんじゃねぇの。なんかダンジョン行くのも飽きたしさ」
「僕もいいと思います」
「じゃ、明日は朝一ギルドね。けって~い」
ほろ酔い気味のカリンは、ジョッキに残ったビールをぐびぐびっと飲み干した。
翌日、タフィたちは街の中心部にある冒険者ギルドカーナヴォン支部を訪れていた。
ギルドは総石造りの2階建ての建物で、入り口のドアなどには猫をかたどったレリーフが彫られている。
「猫の置物に人形……結構色んなのが報酬になってんだな」
「本当ですね。あ、こっちはぬいぐるみがありますよ」
タフィとボイヤーは、買い物でもするような感じで掲示板に貼られた依頼票を眺めていた。
「あんたたち買い物に来てるんじゃないんだから、ちゃんとランクとかも確認しなさいよね」
依頼票にはその依頼の難易度が示されており、冒険者は自分より1つ上のランクまで受注することができる。
なお、カリンはBランク冒険者なので、Aランクの依頼まで受注可能だ。
「……あっ!」
カリンに注意された直後、ボイヤーは1枚の依頼票を指差しながら声をあげた。
「どうしたボイヤー? なんかすげぇ報酬でも見つけたか?」
「兄やんこれ見てください。ラッシャーさんが絵のモデルを探してますよ」
依頼票には「絵のモデルになってくれる者を求む 依頼人 アグレ・ラッシャー 依頼内容 野球をしている猫を描きたいので、野球が上手い人にモデルをお願いしたい 報酬 500ランスと依頼人が描いた絵 ランク F」ということが記載されていた。
「ラッシャー? 誰だそれ?」
「知らないんですか? ラッシャーさんは、擬人化した猫の絵を描くことで有名な画家ですよ。姉さんは知ってますよね?」
「名前は聞いたことはあるけど、そんなにすごい人なの?」
タフィだけでなく、カリンの反応も薄い。
「すごい人ですよ。この前なんか、猫好きの貴族が10万ランスで絵を買ったそうですからね」
「10万!?」
驚くタフィ。ちなみに、タフィたちが泊まっている安宿は3人で1泊450ランス、タフィの家で売っている串焼きは1本5ランス~20ランスである。
「だったらこの依頼にしよっか」
カリンは掲示板から依頼票を取ると、受付へ持っていって受注した。
「……にしても絵のモデルって、冒険者って意外となんでもやるんだな」
「そうよ。だから冒険者のことをなんでも屋って呼ぶ人もいるわね。それよりこの依頼、記載されてるランクよりもずっと難しいみたいよ」
「難しいって、絵のモデルやるだけだろ」
「それが受付の娘に言われたんだけど、この依頼、今までに10人以上が受注して、全員失敗してるんだって」
「マジで?」
一抹の不安を覚えつつ、タフィたちはギルドを後にした。
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