34 / 86
第1章 北条家騒動
家族になった日
しおりを挟む
その一方で、夏たち家族は本音でぶつかり合っていた。
怒りと悲しみ、戸惑いと謝罪、そして感謝。
今まで言えなかったことを含め、様々なことが口に出され、相手に伝えられた。
すべてを吐き出してわかったのは、互いに相手のことをどれだけ大切に思っていたかということ。
雨降って地固まるのことわざではないが、結果的として夏たち家族の絆はより一層深まることになった。
「ね、大丈夫だったでしょ」
「……ぐすっ、はい」
夏たちの家族愛を見て、奈々は号泣していた。
「うう……」
「家族って、良いもんでさぁねぇ……」
辰巳と忍びの男も涙を流している。
「……さて、家族の絆がより深まったのは良いことだが、あまり悠長に時を過ごしているわけにもいかんのでな。文殿、夏殿のことについて、改めて説明していただけるかな」
文はうなずくと、気持ちを整えるようにゆっくりと涙を拭いてからしゃべり始めた。
「……あれは、今から一五年ほど前のことでした。氏元様に仕えている兄が、赤ん坊だった夏を抱いて私たち夫婦のもとへやって来たんです。兄によれば、この子は氏元様と側室の間に生まれた子で、お亀の方様の命によって殺されたことになっている。もし生きていることがわかれば、必ず命を狙われる。だから、存在が露見しないように育てて欲しいと」
お亀の方は氏元の正室で、氏勝の生母である。
「なるほど。お亀の方様は嫉妬深いことで有名だからな。よそで子供を作ったとわかれば、そういう過激な行動に出ても不思議ではない」
「どうやったらこの子を守ることができるのか。私たち夫婦は随分と考えました。苦肉の策で考えたのが、女の子として育てることだったんです」
「つらい決断であったろうな。私も人の親であるから、その気持ちはよくわかる。もし私がそのような状況にあったら、文殿と同じ決断を下したであろう。……ところで、兄君は裏の役割を担っておられたのか?」
吉右衛門はなんのためらいもなくきわどい質問をぶつけたが、腹をくくっていた文は、隠すことなく正直に答えた。
「……はい。私も後々になって知ったのですが、兄は氏元様の下で、そういった裏の仕事を請け負っていたようなんです。しかも完ぺきな仕事ぶりだったそうで、氏元様からとても信頼されていたと自負していました。ただそんな兄でも、さすがに赤ん坊の命まで奪うことは気が引けたみたいです」
吉右衛門は、“赤ん坊の命まで”という言葉に引っかかりを覚えた。
文は自然に口にしただけであろうが、それは夏以外の誰かが殺された、おそらくは母親であろう人物の命が奪われたことを、暗に示しているように思えたからだ。
だが夏のことを思うと、この場で聞き返す気にはならなかった。
「左様か。して、兄君はその後いかがしておられる」
「兄はお亀の方様に偽りの報告を行った後、氏元様に暇を願い出て、そういった裏の仕事から足を洗いました。今は、小田原城下でかまぼこ屋を営んでいます」
「なるほど。その偽りの報告が、今になって露見したというわけか。……そういえば、お亀の方様が亡くなられたのは、半年ほど前であったな」
吉右衛門は奈々に視線を向けた。
「はい。……もしかして、それがきっかけだと」
「亡くなられたのを機に、改めてその辺りのことを調べ直したとしても、不思議ではない。まして、氏勝様の体調が優れないとあらば、なおさらであろう。そして時を同じくして、氏吉様への切り札を探していた仁仙が、偶然このことを嗅ぎつけ、その結果、氏吉様も知ることになった。こう考えれば一応の説明はつく」
「確かに、そう考えれば、江戸と小田原が同じ時に襲ってきたことも納得できます」
奈々も吉右衛門の考えに理解を示す。
「……いずれにせよ、ご落胤の情報がほうぼうに出回りつつあるのであれば、これは急いで手を打たねばならんな。奈々殿、直孝殿はご在城かな?」
「はい、今ならまだお城にいると思いますけど、父に何か?」
「ひとまず、この男の証言を基に、仁仙の問題を片づけてしまう。そしてそのことや夏殿のことについて、書状にしたためてもらいたいのだ。直孝殿の書状であれば、氏元様も無下にはしないであろう」
「ちょ、ちょっと待ってください。仁仙についてはわかりますが、氏元様への書状とはどういうことですか?」
奈々はいまいち理解できていない様子である。
「仔細については追々説明するが、氏元様にお世継ぎ問題を終わらせてもらうのだ。まごまごしてると、夏殿を担ごうとする連中まで現れてくる。そうなれば事態は余計ややこしくなって、収拾がつかなくなってしまう」
「私はお世継ぎにはなりません」
夏は強い口調で言い放った。
「夏殿の気持ちはわかる。が、こういう問題は当人の気持ちなど関係ない。重要なのは周囲の思惑と、権力者のお墨付きだ」
「そんな……」
夏は悲痛な表情を浮かべた。
「大丈夫よ夏。私がちゃんと氏元様に事情を説明するから」
奈々は元気づけるように夏の肩をポンと叩いた。
「……えっと、どうなったの?」
展開の速さについていけてない辰巳は、ユノウに助けを求めた。
「まぁ、早い話が、北条家で一番偉い人に直談判して、諸々の問題をいっぺんに解決してしまおうってことですよ」
「あー、そういうこと。けど、そんなうまいこといくかな?」
「うーん、説得できる材料は十分あると思いますよ。ただ、自分の子供が病に臥せっている状況で、世継ぎのことをあれこれ言われるのは気分は良くないでしょうね」
「確かに。どう言葉を選んだところで、子供が死んだらどうしますって話だもんね。そんな話されたら、親は怒るよな」
「奈々ちゃんの交渉力が試されることになりそうですね」
ユノウと辰巳は、期待と不安が入り混じった眼差しを奈々に向けたのだった。
怒りと悲しみ、戸惑いと謝罪、そして感謝。
今まで言えなかったことを含め、様々なことが口に出され、相手に伝えられた。
すべてを吐き出してわかったのは、互いに相手のことをどれだけ大切に思っていたかということ。
雨降って地固まるのことわざではないが、結果的として夏たち家族の絆はより一層深まることになった。
「ね、大丈夫だったでしょ」
「……ぐすっ、はい」
夏たちの家族愛を見て、奈々は号泣していた。
「うう……」
「家族って、良いもんでさぁねぇ……」
辰巳と忍びの男も涙を流している。
「……さて、家族の絆がより深まったのは良いことだが、あまり悠長に時を過ごしているわけにもいかんのでな。文殿、夏殿のことについて、改めて説明していただけるかな」
文はうなずくと、気持ちを整えるようにゆっくりと涙を拭いてからしゃべり始めた。
「……あれは、今から一五年ほど前のことでした。氏元様に仕えている兄が、赤ん坊だった夏を抱いて私たち夫婦のもとへやって来たんです。兄によれば、この子は氏元様と側室の間に生まれた子で、お亀の方様の命によって殺されたことになっている。もし生きていることがわかれば、必ず命を狙われる。だから、存在が露見しないように育てて欲しいと」
お亀の方は氏元の正室で、氏勝の生母である。
「なるほど。お亀の方様は嫉妬深いことで有名だからな。よそで子供を作ったとわかれば、そういう過激な行動に出ても不思議ではない」
「どうやったらこの子を守ることができるのか。私たち夫婦は随分と考えました。苦肉の策で考えたのが、女の子として育てることだったんです」
「つらい決断であったろうな。私も人の親であるから、その気持ちはよくわかる。もし私がそのような状況にあったら、文殿と同じ決断を下したであろう。……ところで、兄君は裏の役割を担っておられたのか?」
吉右衛門はなんのためらいもなくきわどい質問をぶつけたが、腹をくくっていた文は、隠すことなく正直に答えた。
「……はい。私も後々になって知ったのですが、兄は氏元様の下で、そういった裏の仕事を請け負っていたようなんです。しかも完ぺきな仕事ぶりだったそうで、氏元様からとても信頼されていたと自負していました。ただそんな兄でも、さすがに赤ん坊の命まで奪うことは気が引けたみたいです」
吉右衛門は、“赤ん坊の命まで”という言葉に引っかかりを覚えた。
文は自然に口にしただけであろうが、それは夏以外の誰かが殺された、おそらくは母親であろう人物の命が奪われたことを、暗に示しているように思えたからだ。
だが夏のことを思うと、この場で聞き返す気にはならなかった。
「左様か。して、兄君はその後いかがしておられる」
「兄はお亀の方様に偽りの報告を行った後、氏元様に暇を願い出て、そういった裏の仕事から足を洗いました。今は、小田原城下でかまぼこ屋を営んでいます」
「なるほど。その偽りの報告が、今になって露見したというわけか。……そういえば、お亀の方様が亡くなられたのは、半年ほど前であったな」
吉右衛門は奈々に視線を向けた。
「はい。……もしかして、それがきっかけだと」
「亡くなられたのを機に、改めてその辺りのことを調べ直したとしても、不思議ではない。まして、氏勝様の体調が優れないとあらば、なおさらであろう。そして時を同じくして、氏吉様への切り札を探していた仁仙が、偶然このことを嗅ぎつけ、その結果、氏吉様も知ることになった。こう考えれば一応の説明はつく」
「確かに、そう考えれば、江戸と小田原が同じ時に襲ってきたことも納得できます」
奈々も吉右衛門の考えに理解を示す。
「……いずれにせよ、ご落胤の情報がほうぼうに出回りつつあるのであれば、これは急いで手を打たねばならんな。奈々殿、直孝殿はご在城かな?」
「はい、今ならまだお城にいると思いますけど、父に何か?」
「ひとまず、この男の証言を基に、仁仙の問題を片づけてしまう。そしてそのことや夏殿のことについて、書状にしたためてもらいたいのだ。直孝殿の書状であれば、氏元様も無下にはしないであろう」
「ちょ、ちょっと待ってください。仁仙についてはわかりますが、氏元様への書状とはどういうことですか?」
奈々はいまいち理解できていない様子である。
「仔細については追々説明するが、氏元様にお世継ぎ問題を終わらせてもらうのだ。まごまごしてると、夏殿を担ごうとする連中まで現れてくる。そうなれば事態は余計ややこしくなって、収拾がつかなくなってしまう」
「私はお世継ぎにはなりません」
夏は強い口調で言い放った。
「夏殿の気持ちはわかる。が、こういう問題は当人の気持ちなど関係ない。重要なのは周囲の思惑と、権力者のお墨付きだ」
「そんな……」
夏は悲痛な表情を浮かべた。
「大丈夫よ夏。私がちゃんと氏元様に事情を説明するから」
奈々は元気づけるように夏の肩をポンと叩いた。
「……えっと、どうなったの?」
展開の速さについていけてない辰巳は、ユノウに助けを求めた。
「まぁ、早い話が、北条家で一番偉い人に直談判して、諸々の問題をいっぺんに解決してしまおうってことですよ」
「あー、そういうこと。けど、そんなうまいこといくかな?」
「うーん、説得できる材料は十分あると思いますよ。ただ、自分の子供が病に臥せっている状況で、世継ぎのことをあれこれ言われるのは気分は良くないでしょうね」
「確かに。どう言葉を選んだところで、子供が死んだらどうしますって話だもんね。そんな話されたら、親は怒るよな」
「奈々ちゃんの交渉力が試されることになりそうですね」
ユノウと辰巳は、期待と不安が入り混じった眼差しを奈々に向けたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる