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第2章 北条家戦争
会敵迫る
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「江戸って今どんな感じなんですか?」
日がだいぶ高く昇った頃、戸塚宿の茶店では、女性店員が江戸から来た旅人に興味と怖さが混じった様子で話を聞いていた。
「一言で言えばもののけだらけだな。おっそろしく首がなげぇやつとか、頭が琵琶の野郎なんかが町中をうろうろしてんだよ」
旅人の話しぶりからは、妖怪たちに対する恐怖感は特に感じられなかった。
「なんか、お侍様だけが捕まったり襲われたりしてるって聞いたんですけど、本当なんですか?」
「本当だよ。理由はよくわかんねぇけど、侍ばっかが狙われてるんだ。それも北条家に仕えてる奴ばかりで、浪人や冒険者なんかは狙われねぇんだよな」
言い終えると、旅人は皿に載ったきな粉餅をひょいっと口に放り込んだ。
「へぇ~、北条家に恨みでもあるんですかね。……じゃあ、私みたいな町人も襲われたりはしないんですか?」
「ああ、こっちから何かしない限り、向こうから襲ってくるってのはなかったな。ただ、これも如何せん理由がわかんねぇからよ、みんな警戒して外に出てこねぇんだ」
「やっぱりそうですよね。これって、前触れみたいなのはあったんですか?」
女性店員は仕事そっちのけでグイグイと話を聞いていく。
「ないない。朝起きたら、いきなりもののけが街中を闊歩してたんだよ」
「そうなんですか……え、何あれ!?」
女性店員が不意に視線を上げたところ、東の空を飛ぶ謎の集団が目に入ってきたのだ。
「どうした?」
「なんか、変なのが飛んでるんです」
「変なの? ……おぉ、確かになんか飛んでんな」
「なんなんでしょうか?」
「まぁ、方向から考えればもののけの類だろうな……さて、そろそろ出るか。勘定はここに置くぞ」
旅人は、残ったきな粉餅を軽くお茶で流し込むと、そそくさと茶店を後にした。
「またのお越しを」
見送る女性店員の後ろでは、謎の集団の姿が徐々に大きくなっているのであった。
「レーダーに反応あり。数四〇、距離二万、方位角右一〇度、高度三〇〇!」
三郎のレーダーが異変を知らせたのは、軍勢が大磯宿を通過している最中であった。
「……知久さん、それって全部提灯と一反木綿ですか?」
戦いが始まることへの緊張なのか、辰巳の顔は若干強張っている。
「いえ、全部ではないです。提灯二〇、一反木綿一〇、正体不明の飛行物体が一〇です」
「わかりました。じゃあちょっとユノウと相談しますね。……ユノウ、応答してください、ユノウ……」
辰巳はトランシーバーを使って、隊列の先頭を行くユノウと相談することにした。
「……はいはい、こちらユノウです。何かありましたか?」
「知久さんのレーダーに反応があった。二〇キロ先に提灯二〇、一反木綿一〇、それに正体不明の飛行物体が一〇の計四〇」
「……それって、こっちにまっすぐ向かってきてます?」
「ちょっと待って……知久さん、この集団ってまっすぐこっちに向かってきてます?」
辰巳はトランシーバーを離して三郎に確認する。
「いえ、まっすぐは来てません。それとスピードがとても遅いので、もしかしたら地上部隊と一緒に行動してるのかもしれません」
「わかりました。……ユノウ、まっすぐはきてない。それとスピードが遅いんで、もしかしたら地上部隊と一緒に動いてるんじゃないかって」
辰巳は三郎の見解をユノウに伝えた。
「なるほど……じゃあ、地上部隊の動きを把握しておきたいので、攻撃せずにそのまま動きを見ててください。ただ、偵察や攻撃をしてくるような動きを見せたら、構わず迎撃してください」
「わかった。じゃ、一五キロまで近づいたらまた連絡するよ」
「はーい。……奈々ちゃん、敵は思った以上に近づいてきてるみたいよ」
あっけらかんとした口調で現況を告げたユノウに対し、奈々はわかりやすく表情を曇らせる。
「どこにいるんですか?」
「ここから二〇キロ先あたりを進軍してるみたい」
「え、二〇キロ!?」
予想以上の近さに、奈々は驚きを隠せない。
「このまま行けば、会敵するのも時間の問題ね」
「……私、正二郎さんに伝えてきます」
奈々は後ろにいる正二郎のもとへ駆け出していった。
「あたしも前の三人に伝えておかないと」
ユノウは、前を行く照之進たちに妖怪たちが近づいていることを告げた。
「承知した」
百戦錬磨の余裕なのか、照之進は平然と受け止めている。
「あ、そうですか……思った以上に早いですね」
桃太郎は若干驚いていた。
「いよいよか……」
戦いが間近に迫っていることを知り、市丸の緊張はおのずと高まった。
「市丸殿、まだ会敵までには時間がある。今からそのように気負っていては、戦いの前に疲れてしまうぞ」
照之進は市丸の様子を見て、すぐに忠告した。
「あ、すいません」
「別に謝るほどのことではない。戦いの前には誰しも緊張するものだからな。深呼吸でもして、緊張をほぐしたらよかろう」
「はい」
市丸は心を落ち着かせるように砲身をゆっくりと上下に動かした。
(やっぱり砲身が口なのかな?)
ユノウは興味深そうに市丸の動きを見つめていた。
日がだいぶ高く昇った頃、戸塚宿の茶店では、女性店員が江戸から来た旅人に興味と怖さが混じった様子で話を聞いていた。
「一言で言えばもののけだらけだな。おっそろしく首がなげぇやつとか、頭が琵琶の野郎なんかが町中をうろうろしてんだよ」
旅人の話しぶりからは、妖怪たちに対する恐怖感は特に感じられなかった。
「なんか、お侍様だけが捕まったり襲われたりしてるって聞いたんですけど、本当なんですか?」
「本当だよ。理由はよくわかんねぇけど、侍ばっかが狙われてるんだ。それも北条家に仕えてる奴ばかりで、浪人や冒険者なんかは狙われねぇんだよな」
言い終えると、旅人は皿に載ったきな粉餅をひょいっと口に放り込んだ。
「へぇ~、北条家に恨みでもあるんですかね。……じゃあ、私みたいな町人も襲われたりはしないんですか?」
「ああ、こっちから何かしない限り、向こうから襲ってくるってのはなかったな。ただ、これも如何せん理由がわかんねぇからよ、みんな警戒して外に出てこねぇんだ」
「やっぱりそうですよね。これって、前触れみたいなのはあったんですか?」
女性店員は仕事そっちのけでグイグイと話を聞いていく。
「ないない。朝起きたら、いきなりもののけが街中を闊歩してたんだよ」
「そうなんですか……え、何あれ!?」
女性店員が不意に視線を上げたところ、東の空を飛ぶ謎の集団が目に入ってきたのだ。
「どうした?」
「なんか、変なのが飛んでるんです」
「変なの? ……おぉ、確かになんか飛んでんな」
「なんなんでしょうか?」
「まぁ、方向から考えればもののけの類だろうな……さて、そろそろ出るか。勘定はここに置くぞ」
旅人は、残ったきな粉餅を軽くお茶で流し込むと、そそくさと茶店を後にした。
「またのお越しを」
見送る女性店員の後ろでは、謎の集団の姿が徐々に大きくなっているのであった。
「レーダーに反応あり。数四〇、距離二万、方位角右一〇度、高度三〇〇!」
三郎のレーダーが異変を知らせたのは、軍勢が大磯宿を通過している最中であった。
「……知久さん、それって全部提灯と一反木綿ですか?」
戦いが始まることへの緊張なのか、辰巳の顔は若干強張っている。
「いえ、全部ではないです。提灯二〇、一反木綿一〇、正体不明の飛行物体が一〇です」
「わかりました。じゃあちょっとユノウと相談しますね。……ユノウ、応答してください、ユノウ……」
辰巳はトランシーバーを使って、隊列の先頭を行くユノウと相談することにした。
「……はいはい、こちらユノウです。何かありましたか?」
「知久さんのレーダーに反応があった。二〇キロ先に提灯二〇、一反木綿一〇、それに正体不明の飛行物体が一〇の計四〇」
「……それって、こっちにまっすぐ向かってきてます?」
「ちょっと待って……知久さん、この集団ってまっすぐこっちに向かってきてます?」
辰巳はトランシーバーを離して三郎に確認する。
「いえ、まっすぐは来てません。それとスピードがとても遅いので、もしかしたら地上部隊と一緒に行動してるのかもしれません」
「わかりました。……ユノウ、まっすぐはきてない。それとスピードが遅いんで、もしかしたら地上部隊と一緒に動いてるんじゃないかって」
辰巳は三郎の見解をユノウに伝えた。
「なるほど……じゃあ、地上部隊の動きを把握しておきたいので、攻撃せずにそのまま動きを見ててください。ただ、偵察や攻撃をしてくるような動きを見せたら、構わず迎撃してください」
「わかった。じゃ、一五キロまで近づいたらまた連絡するよ」
「はーい。……奈々ちゃん、敵は思った以上に近づいてきてるみたいよ」
あっけらかんとした口調で現況を告げたユノウに対し、奈々はわかりやすく表情を曇らせる。
「どこにいるんですか?」
「ここから二〇キロ先あたりを進軍してるみたい」
「え、二〇キロ!?」
予想以上の近さに、奈々は驚きを隠せない。
「このまま行けば、会敵するのも時間の問題ね」
「……私、正二郎さんに伝えてきます」
奈々は後ろにいる正二郎のもとへ駆け出していった。
「あたしも前の三人に伝えておかないと」
ユノウは、前を行く照之進たちに妖怪たちが近づいていることを告げた。
「承知した」
百戦錬磨の余裕なのか、照之進は平然と受け止めている。
「あ、そうですか……思った以上に早いですね」
桃太郎は若干驚いていた。
「いよいよか……」
戦いが間近に迫っていることを知り、市丸の緊張はおのずと高まった。
「市丸殿、まだ会敵までには時間がある。今からそのように気負っていては、戦いの前に疲れてしまうぞ」
照之進は市丸の様子を見て、すぐに忠告した。
「あ、すいません」
「別に謝るほどのことではない。戦いの前には誰しも緊張するものだからな。深呼吸でもして、緊張をほぐしたらよかろう」
「はい」
市丸は心を落ち着かせるように砲身をゆっくりと上下に動かした。
(やっぱり砲身が口なのかな?)
ユノウは興味深そうに市丸の動きを見つめていた。
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