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第五章 推し主催の勉強会
第二十一話
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アミーラがつきっきりで勉強を教えてくれて、テスト範囲の内容をざっくりとではあるが理解できるようになってきていた。
アミーラ曰く、あとは反復あるのみということで、テストの日までに何度も今日のことを復習しながら例題を解き続けるようにと言われた。
「期待しているわよ、ナジマ」
ニッと勝ち気な笑みを浮かべるアミーラはめちゃくちゃ可愛くて、毎日復習を欠かさないようにしようと決意した。
王子様も私と同じように、いつもと違った勝ち気な笑みを浮かべるアミーラに見とれていて……自分も学年トップになれば褒められるのではと、褒められ待ちのワンちゃんのような表情をしている。
「姉上の指導力がどれほどのものなのか……楽しみですね」
アミーラは弟くんに負けないくらいに勉強を教え込むと意気込んでいたけど、どうやら弟くんの方も同じ考えだったらしく……同じように勝ち気な笑みを浮かべ、私を通しての姉弟対決が始まろうとしているようだった。
生徒会長はというと、二人のバチバチと火花を散らす姿に少し困ったような表情をしつつも、どこか穏やかに微笑んでいたが……後輩くんだけが心底どうでも良さそうに、つまらなそうな表情を浮かべていた。
そんな後輩くんの様子に気がついた生徒会長が、どうかしたのか?と声を掛けると、彼はふいっと目を逸らして別に……と冷たい声で言い放っていた。
生徒会長は不思議そうな表情をしていたが……私には彼の様子の変化が不安で仕方がなかった。
後輩くん――シハロ・マリボンは女子生徒をたぶらかして高額な持ち物を貢がせたり、彼女になりたがる女子同士が争うのを楽しそうに眺めていたりと黒い噂が絶えなかった。
しかし彼の父親が学園OBである上に、長年学園で教師をしていたという経歴を持っているため……彼に注意できる教師はおらず、シハロの行動はどんどんエスカレートしていった。
彼の家は父親が教師をしていたこともあって子どもたちには厳しい躾のもと、幼い頃から英才教育を施していたのだが……なぜだか三兄弟の末っ子であるシハロだけが、厳しくされることはなかった。
シハロだけが優秀な成績を残そうとも褒められないし、悪さをしようとも叱られない……期待されていないし、興味も持たれていない。
そしてある時、シハロは気づく。
長男は家を継ぐ存在、次男は不慮の際の保険であり兄を支える大切な存在……でも三男の自分は必要のない存在なのだと。
そんなコンプレックスを抱えたまま成長した彼は、父親に愛されなかった分を他の女性たちから得ようとした。
可愛い見た目で女性を釣り、甘い言葉で惹きつけて離さない……そしていかに自分を愛しているのかを表現させて、心のスキマを埋めようとした。
でも物を渡してくる令嬢、他の女を排除しようとするような令嬢たちからの、浅はかな愛でシハロの心が満たされるはずもなく……どんどん泥沼にハマっていた。
ゲームではそんなシハロの前に現れたヒロインがまっすぐ彼にぶつかって、コンプレックスを受け止めて……大好きと伝え続けることで、彼の心がやっと満たされるという展開になる。
バッドエンドはアミーラが大切なナジマをイジメていると思い込んでいるシハロが、ヒロインからの告白を受けてボクが幸せにすると言い、そのすぐ後にアミーラのことを手にかけてしまう。
これでせんぱいは幸せでしょ? と返り血に塗れたシハロが嬉しそうに微笑んでいるスチル画像は、愛されなかったがために愛し方を知らない歪みみたいなものが感じられた。
そんなわけで……アミーラヒロイン化計画におけるシハロ攻略はなかなかの鬼門だ。
アミーラが全力でシハロのことを愛してくれればハッピーエンドになるが、彼女の好きな人は王子様……中途半端な愛情を与えるだけだと、暴走してアミーラの周りの人間を消しかねない。
かといって私がアミーラのことを助けようとしながらシハロも救おうと手を出すと、歪んだ嫉妬からアミーラを邪魔者とみなして排除しようとする可能性もあったから……何もできずにいた。
私がぐるぐると考え込んでいる間も、後輩くんはずっとつまらなそうにしている。
そんな後輩くんを見ていた生徒会長はずっと不思議そうにしているだけだったが、何かに気付いたのかフッと微笑んで後輩くんの頭を撫でる。
「……お前にも期待しているぞ。シハロ・マリボン」
そして後輩くんが欲しかったであろう言葉を言い当てた。
後輩くんは思いがけない人から思いがけない言葉が飛んできたためか、生徒会長の方を見て固まっている。
生徒会長としてもさっきシハロから自分がほしい言葉をもらっていたためか、彼のことを強く思いやる心が生まれたがゆえにその言葉を言い当てたのだろう。
ただ……これもこれで非常にマズイ。
生徒会長がシハロの心のスキマを埋めてくれてBL展開になっていくのは一向にかまわないが……生徒会長のある意味ライバルとも言える存在がアミーラなので、アミーラを邪魔者認定する危険性がある。
どうすれば良いのか何もできずにあわあわと悩んでいると、アミーラが口を開く。
「あら、もちろんよ。あなたともライバルだものね」
固まっている後輩くんは、ほぼ固まった状態のままゆっくりと首だけアミーラの方に向け、ぽかーんとライバル……? と呟いている。
「ええ。学年は違うけれど私の教えたナジマの成長率と、タリブ生徒会長の教えたシハロの成長率とどちらが上か……これは負けられない戦いだわ」
すごい負けず嫌いだなと私もぽかーんとアミーラを見つめていると、プッと弟くんが笑った。
「姉上は負けず嫌いだからな。俺とも生徒会長とも、シハロとも戦いたい……そしてどの戦いにも負けたくないのだろう」
さすが姉上だなと弟くんは楽しそうに笑っている。
まだぽかーんとしている後輩くんは、アミーラに尋ねる。
「じゃあ、ボクが負けたらアミーラ先輩は嬉しい……?」
「そういうことではないわ。お互いが真剣にぶつかりあって、競い合うことに意味があるのよ……もちろん勝てれば嬉しいけれど、シハロが負けたら嬉しいということではないわ」
それにアミーラは当たり前のことでも言うようにそう言う。
「ナジマとシハロなら良い勝負ができると思っているからこそ、ライバルなのよ。だから私はあなたにも期待しているわ」
勝ち気な笑みとも少し違う、無邪気さすら感じるアミーラの笑みを……私と後輩くんはぽかーんと眺めるしかなかった。
「俺も一応、姉上との戦いに参加している者なんでね……良い勝負ができることを期待しているぞ。シハロ」
アミーラに続いて弟くんもそう言う。
王子様は何かを言うわけでもなかったが、腕を組みながらフッと少しだけ楽しそうに笑っているように見えた。
後輩くんはずっとぽかーんとしていたけど、やっとみんなの期待に頭と心が追いついたのか……泣きそうな嬉しそうな笑みを浮かべる。
今までずっと欲しかった言葉が、いっぺんにみんなから舞い込んできて……心のスキマが一人からの愛ではなく、みんなのおかげで埋まったのだろう。
「そっか……じゃぁ、ボクも頑張ってみようかな!」
後輩くんの表情はいつもの無邪気な笑みに見えるが、いつもと違って心から笑っていることが感じられるような笑顔だった。
こんな解決策があるとは思っていなかった。
これでシハロの心の隙間も、みんなが一緒にいる限り大丈夫だろうというのを感じることができた。
アミーラ曰く、あとは反復あるのみということで、テストの日までに何度も今日のことを復習しながら例題を解き続けるようにと言われた。
「期待しているわよ、ナジマ」
ニッと勝ち気な笑みを浮かべるアミーラはめちゃくちゃ可愛くて、毎日復習を欠かさないようにしようと決意した。
王子様も私と同じように、いつもと違った勝ち気な笑みを浮かべるアミーラに見とれていて……自分も学年トップになれば褒められるのではと、褒められ待ちのワンちゃんのような表情をしている。
「姉上の指導力がどれほどのものなのか……楽しみですね」
アミーラは弟くんに負けないくらいに勉強を教え込むと意気込んでいたけど、どうやら弟くんの方も同じ考えだったらしく……同じように勝ち気な笑みを浮かべ、私を通しての姉弟対決が始まろうとしているようだった。
生徒会長はというと、二人のバチバチと火花を散らす姿に少し困ったような表情をしつつも、どこか穏やかに微笑んでいたが……後輩くんだけが心底どうでも良さそうに、つまらなそうな表情を浮かべていた。
そんな後輩くんの様子に気がついた生徒会長が、どうかしたのか?と声を掛けると、彼はふいっと目を逸らして別に……と冷たい声で言い放っていた。
生徒会長は不思議そうな表情をしていたが……私には彼の様子の変化が不安で仕方がなかった。
後輩くん――シハロ・マリボンは女子生徒をたぶらかして高額な持ち物を貢がせたり、彼女になりたがる女子同士が争うのを楽しそうに眺めていたりと黒い噂が絶えなかった。
しかし彼の父親が学園OBである上に、長年学園で教師をしていたという経歴を持っているため……彼に注意できる教師はおらず、シハロの行動はどんどんエスカレートしていった。
彼の家は父親が教師をしていたこともあって子どもたちには厳しい躾のもと、幼い頃から英才教育を施していたのだが……なぜだか三兄弟の末っ子であるシハロだけが、厳しくされることはなかった。
シハロだけが優秀な成績を残そうとも褒められないし、悪さをしようとも叱られない……期待されていないし、興味も持たれていない。
そしてある時、シハロは気づく。
長男は家を継ぐ存在、次男は不慮の際の保険であり兄を支える大切な存在……でも三男の自分は必要のない存在なのだと。
そんなコンプレックスを抱えたまま成長した彼は、父親に愛されなかった分を他の女性たちから得ようとした。
可愛い見た目で女性を釣り、甘い言葉で惹きつけて離さない……そしていかに自分を愛しているのかを表現させて、心のスキマを埋めようとした。
でも物を渡してくる令嬢、他の女を排除しようとするような令嬢たちからの、浅はかな愛でシハロの心が満たされるはずもなく……どんどん泥沼にハマっていた。
ゲームではそんなシハロの前に現れたヒロインがまっすぐ彼にぶつかって、コンプレックスを受け止めて……大好きと伝え続けることで、彼の心がやっと満たされるという展開になる。
バッドエンドはアミーラが大切なナジマをイジメていると思い込んでいるシハロが、ヒロインからの告白を受けてボクが幸せにすると言い、そのすぐ後にアミーラのことを手にかけてしまう。
これでせんぱいは幸せでしょ? と返り血に塗れたシハロが嬉しそうに微笑んでいるスチル画像は、愛されなかったがために愛し方を知らない歪みみたいなものが感じられた。
そんなわけで……アミーラヒロイン化計画におけるシハロ攻略はなかなかの鬼門だ。
アミーラが全力でシハロのことを愛してくれればハッピーエンドになるが、彼女の好きな人は王子様……中途半端な愛情を与えるだけだと、暴走してアミーラの周りの人間を消しかねない。
かといって私がアミーラのことを助けようとしながらシハロも救おうと手を出すと、歪んだ嫉妬からアミーラを邪魔者とみなして排除しようとする可能性もあったから……何もできずにいた。
私がぐるぐると考え込んでいる間も、後輩くんはずっとつまらなそうにしている。
そんな後輩くんを見ていた生徒会長はずっと不思議そうにしているだけだったが、何かに気付いたのかフッと微笑んで後輩くんの頭を撫でる。
「……お前にも期待しているぞ。シハロ・マリボン」
そして後輩くんが欲しかったであろう言葉を言い当てた。
後輩くんは思いがけない人から思いがけない言葉が飛んできたためか、生徒会長の方を見て固まっている。
生徒会長としてもさっきシハロから自分がほしい言葉をもらっていたためか、彼のことを強く思いやる心が生まれたがゆえにその言葉を言い当てたのだろう。
ただ……これもこれで非常にマズイ。
生徒会長がシハロの心のスキマを埋めてくれてBL展開になっていくのは一向にかまわないが……生徒会長のある意味ライバルとも言える存在がアミーラなので、アミーラを邪魔者認定する危険性がある。
どうすれば良いのか何もできずにあわあわと悩んでいると、アミーラが口を開く。
「あら、もちろんよ。あなたともライバルだものね」
固まっている後輩くんは、ほぼ固まった状態のままゆっくりと首だけアミーラの方に向け、ぽかーんとライバル……? と呟いている。
「ええ。学年は違うけれど私の教えたナジマの成長率と、タリブ生徒会長の教えたシハロの成長率とどちらが上か……これは負けられない戦いだわ」
すごい負けず嫌いだなと私もぽかーんとアミーラを見つめていると、プッと弟くんが笑った。
「姉上は負けず嫌いだからな。俺とも生徒会長とも、シハロとも戦いたい……そしてどの戦いにも負けたくないのだろう」
さすが姉上だなと弟くんは楽しそうに笑っている。
まだぽかーんとしている後輩くんは、アミーラに尋ねる。
「じゃあ、ボクが負けたらアミーラ先輩は嬉しい……?」
「そういうことではないわ。お互いが真剣にぶつかりあって、競い合うことに意味があるのよ……もちろん勝てれば嬉しいけれど、シハロが負けたら嬉しいということではないわ」
それにアミーラは当たり前のことでも言うようにそう言う。
「ナジマとシハロなら良い勝負ができると思っているからこそ、ライバルなのよ。だから私はあなたにも期待しているわ」
勝ち気な笑みとも少し違う、無邪気さすら感じるアミーラの笑みを……私と後輩くんはぽかーんと眺めるしかなかった。
「俺も一応、姉上との戦いに参加している者なんでね……良い勝負ができることを期待しているぞ。シハロ」
アミーラに続いて弟くんもそう言う。
王子様は何かを言うわけでもなかったが、腕を組みながらフッと少しだけ楽しそうに笑っているように見えた。
後輩くんはずっとぽかーんとしていたけど、やっとみんなの期待に頭と心が追いついたのか……泣きそうな嬉しそうな笑みを浮かべる。
今までずっと欲しかった言葉が、いっぺんにみんなから舞い込んできて……心のスキマが一人からの愛ではなく、みんなのおかげで埋まったのだろう。
「そっか……じゃぁ、ボクも頑張ってみようかな!」
後輩くんの表情はいつもの無邪気な笑みに見えるが、いつもと違って心から笑っていることが感じられるような笑顔だった。
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