命をかけて恋をした、ちっぽけな少年の物語

ロジャー・フェデ郎

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第4章 日々の変化

ラッキーボーイ?

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蓮は、陽菜とともに登校した。
彼女は始終笑顔で、溜まりに溜まった疲れもぶっ飛んでしまうくらいだった。

校門に差し掛かったところで、


「私の教室、第2校舎だけど…蓮も?」

「俺は第1……って、高崎さん3年なの!?先輩!?」


この学校は、第1校舎に、1学年と2学年。第2校舎に3学年の教室があるのだ。


「蓮くん…私の年下なんだ~」


陽菜はニヤニヤし始めた。嫌な予感がする。

「おい、蓮ッ!」

彼女は蓮を指差して叫けぶ。慌てて蓮も返事をする。

「あ…は、ハイ!」

「………コーヒー買ってこい」


蓮は即答で拒否した。



***




蓮はの教室は2ーBで、第1校舎の2階にある。教室の斜め前にある渡り廊下は第2校舎に繋がっている。

蓮は、教室のドアを開けた。すると誰かが、

「おい、みんな!蓮が帰ってきたぞ~!!」

蓮はすぐさま、みんなに囲まれて「大丈夫だったか?」や「交通事故って…どんな感じだった?」など、口々に聞かれて困ってしまったが、自分を心配してくれていたのだと思うと心の底から嬉しかった。

「ちょ…!まず、カバン置かせてくれよ~!」

蓮は、みんなにすっかり元気になった姿を見せて、再びみんなの輪の中に入っていった。



美術の授業の時は、第2校舎にある美術室が新しく改装されたのだと聞いた。
すごく綺麗になっていて、道具などもきちんと整頓されていた。

「すげえ…変わったな…!」

みんなは、「すげえだろ~?」と自分のことのように自慢した。



授業の帰り道、蓮の隣を歩いていた山中 遼平は蓮に話しかけた。彼は、蓮の高校に入ってからの友達で、1年の時から同じクラスの親友だった。

「いや…本当に無事で良かったよな~!見舞いに行った時、元気そうだったから大丈夫だとは思ってたけどさ…いざ戻ってくると、安心感が違うよなぁ~」

「お前はどうせ初めから、『ま、平気だろ』とか考えてたんだろ?」

蓮は照れ隠しに言った。遼平は慌てて、そんなことないぞと顔の前で両手を振る。

何気ない幸せを噛みしめつつあったその時……

身体がふわりと浮くような感覚…蓮は背筋が凍る思いだった。


またこれか…!?遼平…お前の未来か…?


そこに映るのは、楽しく話す蓮と遼平の姿。
周りを見たところによると、もうワンフロア上ったところの階段のようだ。

笑顔で、身振り手振り話す遼平。
その時__________

遼平は足を踏み外し、階段をゴロゴロと転がり落ちてしまった。

何度見てもなれない…他人の死の光景………あれ?

うずくまる遼平は、小さくと動いている。
頭から血が流れているようだった。

死んでない……?なんだ…?どういう事だ…

自分が見る事ができるのは、人の死に関する未来じゃないのか…?


蓮が遼平の元に駆け寄って、大丈夫かと声をかけている。



次の瞬間…再び、身体にしっかりとした重みを感じた。

「遼平…!お前…手すり捕まっとけ」

遼平はとても驚いた顔をした。蓮は、さすがにいきなりマズかったかとも思ったが、彼は素直に手すりに手をかけた。


そして…ワンフロア上った所まで到達した。
遼平は何事もなく階段を登りきった。

未来が…変わったのだ…。
そしてまた……蓮は誰かの記憶から消えた。
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