「完結」異世界転生した男は特殊部隊に所属していた

leon

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第一話 最後の任務と新たな始まり

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雨が地面を叩きつける音が、耳に響いていた。俺の名は佐藤悠斗。元陸上自衛隊特殊作戦群の隊員だ。過去形なのは、もうその肩書きが意味をなさないからだ。目の前には、戦闘で荒れ果てた山岳地帯が広がっている。任務はシンプルだった。敵の秘密基地を叩き、重要データを回収する。それだけだ。だが、運命ってのはそう簡単に予想できない。

爆風が俺を飲み込んだ瞬間、全てが暗転した。仲間たちの声も、銃声も、雨の音さえも消え去り、次に目を開けたとき、そこは見知らぬ森だった。空は異様に青く、木々の葉はまるでエメラルドのように輝いている。装備は無傷で、手にはまだ89式小銃があった。状況を把握する前に、反射的に周囲を警戒する。特殊作戦群で叩き込まれた習性が、体に染みついている。

「ここは…どこだ?」呟きながら立ち上がると、遠くで何かが動く気配を感じた。音もなく近づき、茂みを覗くと、そこには見たこともない獣がいた。狼に似ているが、体は二倍近く大きく、牙はまるで剣のようだ。迷わず銃を構えたが、引き金を引く前にそいつが飛びかかってきた。訓練通りに体をかわし、ナイフで喉を一閃。鮮血が地面に飛び散り、獣は一瞬で絶命した。

「動きは速いが、隙だらけだな」冷静に状況を分析しながら、俺は気づいた。この世界は、俺が知る地球じゃない。その証拠に、空を見上げると、二つの太陽が浮かんでいた。

森を抜けた先に、小さな村が見えた。木造の家々が点在し、煙突から細い煙が上がっている。平和そうな風景だが、どこか異質だ。住民の服装が、中世ヨーロッパのような粗末な布製で、明らかに俺の知る現代とは異なる。遠くで子供が走り回る声が聞こえる中、俺は慎重に村へと近づいた。

「お、お前は何者だ!」鋭い声が飛んできた。見ると、年季の入った槍を持った男がこちらを睨んでいる。歳は30代半ばくらいか。瘦せた体に、疲れ切った表情。だが、その目には警戒心が宿っていた。俺は両手を軽く上げ、敵意がないことを示す。

「佐藤悠斗だ。道に迷っただけだ。危害を加える気はない」できるだけ穏やかに答えた。男はしばらく俺を睨んでいたが、やがて槍を下ろした。「妙な服だな…旅人か?まあいい。この村に用があるなら、広場に来い。ちょうど困ってるんだ」そう言って男は背を向けた。俺はそのままついていくことにした。状況を把握するには情報が必要だ。

村の広場に着くと、10人ほどの住民が集まっていた。皆、不安そうな顔をしている。男が俺を指して言った。「こいつは佐藤だ。旅人だそうだ。ちょうどいい、話を聞いてやってくれ」一人の老人が前に出てきた。白髪に皺だらけの顔だが、目は鋭い。「わしは村長のガルドだ。最近、森から魔物が現れてな。作物は荒らされ、家畜は殺され、昨日は若い男が一人やられた。このままじゃ村が持たん。お前、見たところ戦士のようだ。助けてくれんか?」魔物。異世界らしい単語に一瞬戸惑ったが、すぐに頭を切り替えた。敵が何であれ、状況を打開するのは俺の得意分野だ。「敵の数、出現時間、特徴を教えてくれ。具体的な情報がないと動けない」村長は驚いたように俺を見たが、すぐに頷いて話し始めた。「数は5、6匹だ。夜になると森から出てくる。狼に似てるが、でかい。牙と爪が異様に鋭く、動きが速い。昨日やられた男は、一瞬で首をやられた」先ほど森で仕留めた獣と一致する。なら、あれが魔物か。俺は頷き、装備を確認した。89式小銃の弾はまだ30発以上。ナイフと拳銃も無傷だ。これなら十分戦える。

「今夜、俺が片付ける。準備を頼む」住民たちは半信半疑だったが、村長が「任せてみよう」と決めたことで、動き出した。俺は広場の端で銃の手入れをしながら、夜を待った。
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