「完結」異世界転生した男は特殊部隊に所属していた

leon

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第ニ話 戦闘開始

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日が沈むと、村は静まり返った。住民たちは家に閉じこもり、俺は村の入り口近くの木陰に身を潜めた。暗視ゴーグルはないが、月明かりが意外に明るく、視界は悪くない。風向きを確認し、銃を構えて待機する。特殊作戦群での訓練が、体に染みついている。敵が現れるまで、呼吸を整え、集中力を高めた。

遠くで草が揺れる音がした。耳を澄ますと、低い唸り声。間違いない、魔物だ。姿を現したのは、森で見たのと同じ大型の狼だった。だが、今度は5匹。群れで動いているらしい。俺は静かにスコープを覗き、最初の標的を定めた。頭部を狙い、引き金を引く。「パンッ!」鋭い銃声が夜を切り裂き、先頭の魔物の頭が弾け飛んだ。一撃で仕留めた瞬間、残りの4匹が一斉にこちらへ突進してきた。素早い動きだが、訓練済みの俺には予測可能な範囲だ。冷静に狙いを定め、次々と撃つ。2匹目、3匹目が倒れ、4匹目が至近距離まで迫ったところで拳銃に切り替え、眉間を撃ち抜いた。

最後の1匹は飛びかかってきたが、俺は横に転がりつつナイフを抜き、その腹を切り裂いた。血が地面に飛び散り、静寂が戻る。5匹全てを3分とかからず片付けた。「訓練通りの動きなら、こんなもんか」呟きながら周囲を警戒したが、他に気配はない。村に戻ると、住民たちが恐る恐る顔を出してきた。「終わったぞ。もう今夜は安全だ」俺の言葉に、村長が震える声で言った。「信じられん…あんな化け物を、あっという間に…お前、何者だ?」「ただの旅人だ。それより、魔物が最近増えた理由を知りたい。何か心当たりはないか?」村長は少し考え込み、やがて重い口調で言った。「実はな、森の奥に古い遺跡がある。最近、そこから妙な光が見えるようになった。それ以来、魔物が現れ始めたんだ」遺跡。光。この世界の異常事態の鍵かもしれない。俺は決めた。「その遺跡、俺が見てくる。案内できる奴はいるか?」村長は頷き、槍を持った男――さっき俺を呼び止めたレンという若者を指名した。

翌朝、レンと共に森の奥へ向かった。彼は無口だが、足取りはしっかりしている。道中、魔物の襲撃はなかった。おそらく昨夜の戦いで数を減らした効果だろう。森を進むにつれ、空気が重くなり、木々が不自然に歪んでいるように見えた。「この辺から変なんだ。気をつけてくれ」レンが小声で言った。俺は頷き、周囲を警戒しながら進んだ。やがて、視界が開け、石造りの遺跡が現れた。崩れた柱と苔むした壁。だが、中央に立つ祭壇のような場所から、確かに薄い光が漏れている。「近づくな。まず状況を確認する」レンを制し、俺は慎重に遺跡に近づいた。祭壇の上には、奇妙な紋様が刻まれた石板が浮かんでいた。魔法的な何かを感じるが、詳しくはわからない。石板に触れようとした瞬間、光が強まり、頭に直接響くような声が聞こえた。「我を目覚めさせた者よ。この世界を救うか、壊すか。選べ」突然の声に一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻す。「俺は救う気も壊す気もない。ただ、状況を理解したいだけだ。説明しろ」声は少し間を置き、再び響いた。「お前はこの世界の者にあらず。異邦人だ。だが、その力は我が予言に記されたもの。このアルテアは、魔王の復活により滅びへと向かっている。お前がそれを止められるかもしれぬ」魔王。典型的なファンタジー展開だ。だが、俺には関係ない話だ。「魔王が何だろうと、俺の目的は生き延びることだ。それに協力するなら、情報と報酬が欲しい」声は笑うように震え、言った。「面白い人間だ。良かろう。魔王の手先がこの森を支配しつつある。それを潰せば、村は救われ、お前にも力を与えよう」交渉成立だ。俺はレンに振り返り、状況を簡潔に伝えた。「敵がいるらしい。準備しろ」レンは頷き、槍を握り直した。

遺跡の周囲に、黒い影が現れ始めた。人の形をしているが、目が赤く光り、異様な気配を放っている。数は10体以上。俺はレンに下がるよう指示し、銃を構えた。「援護は任せる。俺が正面を叩く」最初の影が突進してきた瞬間、銃弾を撃ち込み、頭を吹き飛ばした。だが、倒れてもすぐに再生する。普通の敵じゃない。冷静に観察すると、胸に赤い核のようなものが見えた。あれが弱点か。「レン、胸を狙え!」指示を出しつつ、俺は次々と核を撃ち抜いた。再生が止まり、影が崩れ落ちる。レンは槍で突き刺し、確実に仕留めていく。連携は悪くない。10分ほどで全てを片付けたが、俺の弾薬が半分以下に減った。補給が課題だ。祭壇の石板が再び光り、声が響く。「見事だ。魔王の手先を退けた。これがお前の報酬だ」光が俺に流れ込み、体が一瞬熱くなった。力が湧く感覚。どうやらこの世界の「魔法的な強化」が起きたらしい。試しに拳を握ると、明らかに以前より力が強い。「悪くないな。次は何だ?」「魔王の本拠は北の山脈だ。そこで決着をつけねばならぬ」俺は頷き、レンと村に戻ることにした。この世界での戦いは、まだ始まったばかりだ。
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