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ウェールズ王国
激おこのその後
しおりを挟む「ヒューズ、サクラ様を馬車へ。」
「はい、旦那様。」
ヒューズが桜を馬車へ運ぶのを見届けるとまずは伯爵を見下ろした。
「伯爵、相手が悪かったな。」
「公爵閣下には大変申し訳…。」
「違う、私にではない。貴様の従者が蹴った少女は落とし人様だ。」
伯爵に耳打ちするとそのまま気絶してしまった。
「ふん、器の小さな男だ。牢に運んでおけ。それからモーリス様、あの少女は落とし人様です。貴方さえ良ければ騎士団に戻って来ませんか?サクラ様もお喜びになるでしょう。」
「あのお嬢ちゃんは何処のご令嬢なんだい?
」
「彼女は、我が国の落とし人様です。」
「まさか!」
「彼女の力は計り知れません。それ故に危険に晒されるでしょう。モーリス様が味方になって下さるなら私共も心強い。考えておいて下さい。」
「いや、お嬢ちゃんの為なら何でもしよう。
こき使ってくれ。」
「ならば訛った身体を戻さねばなりませんね?騎士団の寮に貴方の部屋を用意します。アルフ、モーリス様を頼む。」
「はい、モーリス様は私が案内致します。」
こうして桜の保護者が一人増えた。
◆
「お兄さん、さっきのおじさんどこに連れて行くの?」
「サクラ様。私の事はルイスとお呼び下さい。」
ルイスは跪いて私の手を取った。
「あの方はモーリス様。これからはサクラ様の心強い従者となる者です。」
「じゅうしゃ?」
ここは分からないフリをしよう。
「サクラ様の味方でございます。勿論この私もでございます。」
「うん、分かった!」
なるほど、私はたまたまだがモーリスと言う強い味方を手に入れたらしい。
「もうすぐ王宮です。サクラ様はそのまま国王陛下と謁見になります。謁見には私も同行致しますのでご安心下さい。」
「うん…。」
王様かぁ…良い人ならいいな。
ほら、王様って傲慢で上から目線で肥満のイメージない?
「ルイス?王様はどんな人?」
「そうですね…一言で言いますと、呑気で楽天家な方ですかね?」
呑気…。良いのか王様。
「もっとくわしく!」
「詳しくですか…名前はウィリアムズバーグ=クロムウェル=リズバーグ=ウェールズ陛下でございます。歳は22歳、独身で身長は182cm体重などは存じ上げません。とても魔法に長けている方で、王国の魔法師団団長と互角に戦います。それから…」
「も!もういいです!」
ひぃ!名前長いわ!!もう覚えてない。
そうこうしているうちに馬車が停り、王宮に着いた様だった。
「サクラ様、失礼致します。」
「え?」
ルイスは私を抱き上げると馬車を降りて歩き出した。
「ルイス!私歩ける!」
「駄目です、サクラ様は小さ過ぎますので誰かにふまれたら大変でございます。それに私が歩いた方が早いですし、謁見の間まではかなり歩きますのでサクラ様の体力では無理がございます。」
そんなに歩くの?踏まれたらって王宮には巨人でも居るのだろうか?
それにしても視線が痛いのよ…皆ルイスを見ると驚いて固まってるのよ?
私は観念して黙ってルイスに抱っこで運ばれた。
15分ほど歩くと大きな立派な扉の前でルイスに降ろされた。
待って、こんなに脚の長いルイスが歩いて15分??
マジで私歩かなくて良かったわ!
「落とし人様だ、陛下に謁見を。」
「は!畏まりました!」
扉の前の衛兵に伝えると大きな扉が開き始めた。
「サクラ様、入りますよ?」
「うん。」
私は煌びやかな謁見の間をキョロキョロ見ながら足を進めた。
「サクラ様、失礼致します。」
あーん、またか!!
ごめんなさい、亀の歩みで…。
「随分過保護だな、ルイス。」
さて、これから国王との対面だ!
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