良くある異世界で幼女は今日も頑張る!

凪 冬夜

文字の大きさ
6 / 51
ウェールズ王国

国王との謁見

しおりを挟む

「随分過保護だな、ルイス。」
クスクス笑う王座に座る青年。
はぁ~…この爽やかイケメンが王様なの?
若過ぎない?王様ってオッサンじゃないのが不思議で仕方なかった。

「落とし人様の御御足がお疲れになってはさまわれますので、失礼を承知でお運び致しました。」

「ふむ。」
国王は玉座から降りてくると私の目線に合わせて膝を付いた。

「私はこの国の国王、ウィリアムズバーグ…まぁ、名前は長いからなウィルと呼んでくれ。其方の名を聞いても良いかな?」
はわぁ~キラキラしてる~眩しい!!

「日下桜です!」

「クサカ…あぁ、落とし人様の名はぎゃくなのだったな!サクラ=クサカか可愛らしい響だ。では話を始めようか?サクラに椅子を!」
直ぐに私の椅子も用意されて、何やら話をするらしい。

「宰相。」

「は!陛下!落とし人サクラ=クサカ様には本日より、国王陛下と同じ位が授与されるものとする。サクラ様には王宮の一角が与えられ…。」
あぁ、駄目だ…眠くなってきた…。
幼児の部分の私がどうしても限界を迎える。
お昼寝だって必要なのだ、更に長い難しい話をされても大人の部分の私は聞けても幼女の私の部分には無理なのだ。
私は子守歌の様な宰相さんの話に船を漕ぎ始めた。



不味い、サクラ様がお眠だ。
ルイスはサクラの後ろに控えていたがヒヤヒヤしていた。
椅子から落ちそうになっても上手く戻るのでその度に手が出そうになる。

「宰相、サクラには退屈だったようだぞ?」

「は、え?」
書類を読み上げでいた宰相はサクラを見てやってしまったと頬をかいた。

「ルイス、サクラをここへ。」

「畏まりました。」
ルイスはそっとサクラを抱き上げると、国王の元へ連れて行った。

「小さく、軽いのだな。」

「陛下、サクラ様はまだ幼子にございます。現実を突き付けるのは酷かと。」

「確かにな…ふっ、可愛いな。」
むにゃむにゃしながら国王に擦り寄り安心な顔をして眠るサクラに顔が緩んだ。

「カインよ、サクラを私の幼女に…。」

「なりません。陛下に同じ年頃の王子様でもおりましたら話は別ですが。」
宰相カインはピシャリと言った。
国王はガックリと肩を落とした。

「しかし、サクラ様はまだ幼く保護者が必要かと…。」

「うむ、ルイスの言う事は最もだ。保護者兼後継人は必要だろう。」

「陛下、他国の落とし人様は人との繋がりや人情と言う物を殊更大事にされていたと聞きます。私としては王宮にサクラ様を閉じ込めるのも如何なものかと存じます。」

「ふむ、ならばカインよどうするのがサクラの為になるのだ?私は母の愛情も知らぬし子も居らん。」
だから分からないのだ、と国王は切なそうにサクラの頭を撫でた。

「ルイス、一先ずサクラに関してはお前に任せる。王宮で様子を見て良くサクラを観察するのだ。何か不備があればその都度改善しよう。」

「畏まりました。では陛下サクラ様をこちらに…。」
国王はスヤスヤ眠るサクラを見て立ち上がった。

「私が運ぶ。」

「「…。」」
何だかサクラを離したく無かった。
国王も不思議に思いながらサクラに与えられた王宮の南に向かった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。 そこからは家族ごっこの毎日。 私が継ぐはずだった伯爵家。 花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね? これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。 2025年に改編しました。 いつも通り、ふんわり設定です。 ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m Copyright©︎2020-まるねこ

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

処理中です...