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ウェールズ王国
王宮南
しおりを挟む王宮の南は日当たりも良く、庭園や図書館も近い。
庭園にはサクラの為にブランコも発注した。
近々届く予定だ。
宰相とルイス更に護衛を伴いサクラの部屋に向かう。
部屋の前で待機していた侍女達は国王自ら抱いて現れたものだから慌てた。
「へ、陛下!私共が!」
「よい、手を出すな。」
スタスタと部屋に入る国王、侍女に宰相はお茶の準備を命じた。
サクラの部屋は改装され、とても可愛らしく整えられていた。
サクラを大きなベッドに寝かせると国王はサクラが見える位置のソファーに座った。
「子供とはこんなに愛らしいものなのだな。」
国王の言葉に宰相もルイスもキョトンとした。
「陛下、恐らくですが…サクラ様が愛らしいのだと思います。」
ルイスがシレッと言い放つと宰相は今度はルイスを見た。
これは中々面倒な事になりそうだと宰相カインは思ったがまさか自分も過保護なお父さん的ポジションの仲間入りをするとは思ってもみなかったのだった。
「陛下、落とし人様の公表は如何致しましょう?」
「そうだな、まだサクラとちゃんと話が出来ておらん。それからでも問題なかろう?優先すべきはサクラがこの世界に慣れる事だ。」
まさか国王がここまで思いやりある言葉を吐くとは思わなかった宰相や侍女達。
侍女など持っていたティーカップを置きもしないで固まっている。
国王は国王としては素晴らしい人物だ。
しかし、人間としての個人の思いやりや人の心を思う事に関してはからっきしで宰相達側近達は常々心配していたのだ。
「ん、ん~…。」
「お?起きたか?カイン。」
「はい、サクラ様お目覚めですか?」
「う~ん…パパ?」
寝惚けながら目をゴシゴシして見上げるサクラに宰相は心臓を撃ち抜かれた…が!同時に背後から2つの殺気を感じた。
「ははは…寝惚けていらっしゃるのですか?さぁ、こちらに。」
サクラを抱き上げると殺気を放つ国王にサクラを渡した。
「サクラ?」
「ん?おはようございます。」
「よく眠れたか?所で、私をパパと呼んでみなさい?」
ニッコリ笑う国王にまだ寝惚けているサクラはトドメを刺した。
「パパ?」
ふにゃりと笑ってまた目をゴシゴシし始めた。
固まる国王、国王の発言に固まる一同。
「うっ、ゴホン!サクラ、そんなに擦っては腫れてしまうよ?」
国王は目を擦るサクラの手を目から離すとサクラにジュースを飲ませた。
「美味いか?」
「美味しい…はっ!私寝ちゃってた!!」
我に返り焦るサクラを見て国王は笑った。
「焦る事はない、サクラはまだ幼いのだ難しい事は分からんだろう。今日から暫くここがサクラの部屋だ。欲しい物があればルイスに言うと良い。私の執務室にもいつでも遊びにおいで?」
サクラは部屋を見渡すとその広さに寂しさを覚えた。
「はい…。」
家族で暮らしたあの家が懐かしいな…普通よりは大きな家だったけどいつも皆リビングに集まってお話して。
家政婦の梅さんも参加して楽しかったな。
「サクラ、晩餐まで休むと良い。晩餐は共に摂ろう。ルイス後は頼んだよ。」
「承知致しました!」
国王はサクラをルイスに渡すと足早に部屋を出て行った。
今日の書類を急いで片付けるのだろと思ったルイスは笑った。
「ルイス、私一人で座れるよ?」
サクラは気付いた、ここに来てから全く自分で歩いていない事に。
「私共の特権を奪わないで下さい。」
良く意味が分からないけどサクラはうんといっておいた。
そして、これからの王宮での暮らしはサクラの心を壊す事になる。
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