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幕末日常と食事の章
アレを作ろう!②
しおりを挟む知世ちゃんもきっと私と同じ事を思ってるんだと思う。
歴史を変えたい何て思わないけど、皆には無事に生きて欲しいと思うのは私の我が儘なんだろう。
皆で葛餅を食べて、それぞれやる事があるらしく解散した。
私と知世ちゃんは洗い物と洗濯をする為に井戸に来た。
初めてこの時代で洗濯をした時に驚いたのは、洗濯洗剤。
まずこの時代にそんな便利な物はないのだけど、代わりに竈の灰を使うのにはビックリした。
初めての洗濯をしたのは奈緒さんの所にお世話になっていた時。
それに奈緒さんに教わったのはシミ落としをするのに、豆腐を作るときに出る豆腐湯と言う物を使うの。
でも大してシミも落ちないのが難なのよね。
これは朝早くにお豆腐屋さんに行くと何と、ただで貰えるのよ?
何てゆうか、灰にしても豆腐湯にしてもこの時代って凄くエコよね。
皆の着物を揉み洗いしていると、平助君が慌てた様子で走って来た。
「雛妃!知世!避難するぞ、アレが来る‼」
何ですって‼
「知世ちゃん‼」
「雛妃!急ぎましょう‼」
洗いかけの洗濯をそのままに、私と知世ちゃんと平助君は急いで屋敷から飛び出した。
そこには、近藤さんを始め土方さんも斎藤さんも原田さんに沖田さんに永倉さんが揃っていた。
皆なに事かと思うでしょ?
これは大変な事なのよ、特に近藤さん達は鼻が人間よりも数倍いいから避難は必須なの。
今日はアレが来る日、トイレのアレを回収しに来るの。
私は水洗トイレしか知らないから、衝撃だったわ。
数週間に一度、桶にアレを回収に来るのだけど………臭いが凄いのよ!
本当に水洗って素晴らしいのだと思った。
トイレ事情は私の中で本当に深刻………だってね、トイレのドア半分しかないの。
臭いがアレだから気持ちは分かるんだけど、正直落ち着けない。
現代みたいに男女には勿論分かれてなんてないし、男の人はいいわよドア半分でも見えるから。
私達はしゃがんだら見えないの、開けられたら終わり………
あんなの見られたらもうお嫁にいけないわ。
個室のトイレが恋しい。
それにね、アレは農家の人が買い取るんだって。
畑の肥料にするんだとか、しかも更に衝撃だったのは………アレにも階級があるのよ。信じられないでしょ?
アレよ?アレは出たら皆同じじゃないの?
それが違うらしいの、身分の高い人のアレは良いものを食べてるから買値が高いらしい。良い肥料になるのかしらね?
庶民のアレはそれなり、庶民は基本は質素な食生活だから。
まぁ、だから私達はこうやって街に出て避難するの。
現代でもママの子供の頃はバキュームカーと言う、アレを回収してくれるトラックが来ていたんだと聞いた。
バキュームカーもなかなかの臭いらしい。
知ってる人いるかな?平成生まれの私は残念ながら見たことはないのだけど。
私達はだいたい一、二時間街で時間を潰して屋敷に帰った。
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