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幕末日常と食事の章
乙女の事情………は恥ずかし乙女!
しおりを挟むこの時代に来て一ヶ月………とうとうこの日が来てしまったわ‼
どうしよう、こっちに来てからは全く来て無かったのに!
だからこっちでのその知識は皆無、奈緒さんに聞いておくべきだったわ!
知世ちゃんもこっちに来てから全く無いと言っていたし、兎に角応急措置をして知世ちゃんの元へ急いだ。
「知世ちゃん‼」
「雛妃、どうしました?」
繕い物から顔をあげると、焦っている私に驚いたようだ。
「どうしよう!知世ちゃん………私、生理来ちゃった!どうやって対処すればいいの?」
「まぁ、それは大変どうしましょう。私もこっちに来てからは全く来なかったのでどうするか知らないのです。」
この屯所は男所帯だし、ましてや女の人の知り合いなんていない。
皆に聞くのは絶対に嫌だし。
「奈緒さんに聞いてみてはどうですか?」
「でも、どうやって奈緒さんに会いに行くの?」
北の街まではかなりの距離があるのに………はっ!まさか!
真っ青になり知世ちゃんを見ると、気まずそうな顔をしていた。
「また、平助君か斎藤さんに連れていって貰うしかありませんわね。私も着いて行きますわ。」
えぇぇ!また空飛ぶの‼しかもあんな体勢で運ばれるのは何かと不安なんだけど…………
近藤さんと土方さんに買って貰った着物を汚したくない。
かと言って良い考えも浮かばず、知世ちゃんと斎藤さん達にお願いに行った。
どうか理由を聞かず、奈緒さんの所へ連れていって欲しいとすがる思いでお願いしたのだけど、案外あっさり承諾してくれた。
そして、今………斎藤さんに抱かれて奈緒さんの元へ向かっているのだけど…………
「いやぁぁぁぁあ!やっぱり無理~‼」
二度目と言ってもやっぱり慣れない、高いし怖い!
必死に斎藤さんに抱きつく。
「小さい雛妃は、抱いて飛ぶと喜んでいたのにな?」
斎藤さんはクスッと笑った。
笑えないわ、今の私は無理なの!
「雛妃、知世を見てみろ。」
知世ちゃんと平助君を見れば、知世ちゃんは余裕で平助君とおしゃべりしていた。
知世ちゃん凄いわ、尊敬する………凄く度胸があるのね?
私は叫んでばかりで、斎藤さんに申し訳ない。
「はぁちゃん、ごめんなさい………私怖がってばかりで。」
「良い、それでも雛妃を抱いて居られる。」
えっ?斎藤さんを見上げると、斎藤さんも私を見下ろしていて鼻がくっついてしまいそうな距離だった。
一気に恥ずかしくなり、直ぐに顔を反らした。
何て綺麗な顔、女の人みたいに肌が透き通っていて………私の心臓は暴れまくっていた。
そんな私の心臓を知らない斎藤さんをまた見上げると、風で靡く髪がキラキラしていて、前を向く顎のラインと喉仏は男だと主張していて、また私の心臓は暴れだしてしまった。
そんなドキドキの空の旅を終えて、私達は北の街に辿り着いた。
斎藤さんと平助君は私と知世ちゃんを奈緒さんの呉服屋さんに送り届けると、甘味処で待っていると言って去って行った。
「雛妃、入りましょう。」
「うん、突然来て大丈夫かな?」
突然来てしまったらから少し遠慮気味に呉服屋さんの戸を開けた。
戸の開く音に気付いた奈緒さんが振り向いた。
「いらっしゃ…………………雛妃ちゃん‼」
私を見るなり奈緒さんは飛び付いて来た。
「お久し振りです、奈緒さん。」
「元気だったのかい?ちゃんとご飯は食べていたかい?」
奈緒さんは両手で私の頬を挟むと、涙ぐみながら抱き締めてくれた。
「あんたはともちゃんだったかい?良くきたね、さぁ上がりな。今日はどうしたんだい?」
座敷にあがり、奈緒さんに本題を話した。
「それって、月のものの事かい?」
「はい、こんな事を聞けるのは奈緒さんしかいなくて………」
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