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一章
怒れる母、悲しみの母
しおりを挟むアリスや前王も皇后もオリジンの話を聞いて言葉を失った。
『危ない所をスルトが見付けたから良いものの、あのままならオーリは死んで居ましたわ!それを今更なんですの!!今更探して母だと名乗るのですか?』
アリスはオリジンの言う事にグゥの音も出なかった。
「オリジン様、スルト様大変申し訳ない。全ては儂の愚息が犯した罪。子が犯した罪は親の罪でもある。儂はどんな罰でも受けましょう。しかし、どうかアリスティアを許しては頂け無いだろうか?彼女も愚息の被害者じゃ。」
「私もどんな罰での受けますわ!どうか孫娘に一度でいいのです会わせて下さい!」
皇后は懇願した。
『それはオーリ次第だ。』
『スルト、私は反対だわ!こんな人間にオーリを会わせるなんて!』
『しかし、オーリにはこの人間達に会う権利はある。』
オリジンはムッとしたが黙った。
大人達の話を聞きながらレオンとカノンはオリジンとスルトの見惚れていた。
こんなに美しい人は見た事がなかった。
精霊と言ったが精霊とはこんなに美しいと初めて知った。
そもそも人生で精霊の会えるのは奇跡に近い。
「お願い致します!娘に、一目でいいのです会わせて下さい!謝りたいのです。」
泣きながら懇願するアリスティアにオリジンは立ち上がり見下ろした。
美しい者程怒ると恐ろしい。
『謝るですって?それは自己満足ですわ。貴女が罪から逃れたいだけ。』
そうじゃなくて?と言われて何も返せなかった。
その頃、オーリはその様子をマクスウェルと精霊王と水鏡で見ていた。
「あの人が私のお母しゃんでしゅか?」
『そうみたいだね?あの子供はオーリの兄様見ただし。』
「兄しゃま?」
私には兄が2人もいたらしい。
『オーリ?会うのか?』
う~ん特に会いたいとは思わないのが本音。
でもここで一回会っておかないと面倒な事になりそうな気がする。
「一回なら良いかな~?」
『なら姿を隠してオリジンの所に行こう。』
私はウェル叔母様に抱かれてママの所に一瞬で飛んだ。
そんな私を見てママは目を見開いて驚いていた。
『オリジン諦めろ。』
『ハァ~、仕方ないですわね。オーリちゃん、いらっしゃい。』
私は叔母様から離れるとママにダイブした。
「ママ~!」
空中から急に女の子が現れた。
三歳くらいだろうか?白銀の髪のすごく可愛い女の子だった。
『オーリちゃん来ちゃったの?』
「あい!」
『オーリ?ご挨拶出来るか?』
「あい!」
私はママに床に下ろしてもらうと淑女の礼を取り練習通り挨拶した。
「始源のシェーリェーオリジンと終末のシェーリェースルトの娘オーレリアでしゅ。」
精一杯の笑顔で顔を上げた。
「ああ、ルイーザなのね?」
「私はオーレリアでしゅ。ルイージャじゃありましぇん!」
私の言葉に生みの母親は傷付いた顔をしたけど私には関係ない。
私の家族はママとパパとマクスウェル叔母様とシル叔父様と精霊達だけだもの。
「ママ~。」
私はママに抱っこを強請る。
『あらあら、オーリちゃんは甘えん坊ね。』
「ママ?これ誰?」
私は分からないふりをして聞いた。
『オーリちゃんの生みの親よ?オーリちゃんにはお兄様も居たのよ?』
レオンとカノンは過去形なのに抗議した。
「俺達はルイー…オーリの兄だ!」
「僕はカノン、こっちは兄のレオンだよオーリ。よろしくね?」
こっちはよろしくしたくない。
『そこの子供、誰が我の娘の愛称を呼ぶ事を許した?』
2人はスルトの低い声にビクリと身を竦めた。
「パパ~オーリはいいよ?」
ぎゅっとパパに抱きついた。
それを聞いてホッとする元兄達を見た。
私とは全く似て無い、輝く金髪に快晴の様な真っ青な瞳。
生みの母親は金髪に新緑色の瞳。
やっぱり私の両親はパパとママだ。
『オーリちゃんママのお膝に来なさい。紹介するわ。』
「あい!」
私がママの膝に座ると目の前に座る母が顔を反らした。
『オーリちゃんに自己紹介を許すわ。』
「この機会を感謝する。私はこの国の前国王のライザだ。オーレリアと言ったね?儂は君の祖父に当たる。」
この人がおじいちゃん?しかも王様だったんだ~凄いね?
「私はこちらの前王の妻で皇后のイライザです。貴女の祖母よ。」
この品がある人がおばあちゃんか~。
「私は…私はセリオール公爵の妻アリスティアです。貴女の…母です!」
ん?今ママからブチって聞こえた様な?
振り向いた私は後悔した、美人なママの笑顔が怖い。
ママ大丈夫よ!私のママはママだけだから!
「俺はセリオール公爵家長男レオン。オーレリアの兄だ。」
「僕は次男のカノン、レオンとは双子なんだ。オーレリアに会えて嬉しいよ。」
それは良かったよ。
そっくりだもんね?言われなくても双子ってわかるよ?
「ママ?帰ろ?」
瞬間ママとパパ以外が全員立ち上がった。
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