うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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惑星エルリス

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クロードと別れたラファイとガライルは配給路を確認に向かっていた。
暫く飛ぶと荒らされた荷馬車が二台横転していた。
馬はきっと連れていかれたのだろう。

「ラファイ殿、こりゃ盗賊かのぅ?」
荷馬車の中を見てガライルが振り返った。

「恐らく…しかし、ただの盗賊では無い様だ。」
ラファイは殺された運搬員を見て呟いた。

「どう言う事じゃ?」

「コイツらを良く見てくれ。的確に一撃で殺されている。」

「ふむ、確かに…では一体誰が?」

「そりゃ、クロードの奴が何か掴んで来るだろうよ。アイツはそう言う奴だ。」
ガライルはクロードとラファイの信頼関係に感心した。
そこにクロードが転移して来た。

「お帰りクロード。」

「ただいま、どうでした?」
そう言って笑い合う二人にガライルは飽きれた。
さっきまで攫われて居た本人とは思えない。

「こっちは的確に一撃で殺されている。」

「やっぱりそうでしたか…」
そう言って考え込むクロードにガライルは頭にハテナが浮かぶばかりだ。

「ラウ。」
クロードの影に隠れていたラウがぬっと顔を出した。

『どうしたクロード。』

「匂いを追って欲しいのです。」

『追った先に居た者はどうする?』

「捕まえて来て下さい。」

『承知した。』
ラウはそれだけ言うとまた影に消えて行った。

「さて、やる事は沢山あります。まずはガリルの首都に向かいましょう。ガリルの第一王子は知っていますか?私は第二王子しか面識がありませんから。」

「クロード様、ガリルの第一王子とは我儘、ナルシスト、傲慢と色々聞きますじゃ。まぁ、良い王子では無いと言う事ですな。」

「そうですか、分かりました。ガリル王家は潰します。但し、第二王子の言い分次第です。」

「やはり第一王子が関係しているんですな?」

「その様ですね、残念ながら…国王は何をしているのでしょうね?ここまで犯罪を犯す王子を放って置くなんて…」

「兎に角、ガリルに向かうぞ?食料は村人に配った、数日は心配ないだろう。」
俺達はガリル王国の首都ガリアスに向かった。

道中人攫いの話を大曲だがラファイとガライルに説明しておいた。
夜中にはガリアスに到着し宿を取った。

「さて、具体的にどうするおつもりかクロード様。」

「具体的と言われても王家の状況を見て見ない限り何とも言うませんが…総帝の勅命に異議を立てたのです。ちょっと私は甘く見られている様なので総帝の恐ろしさは身を持って体験して頂くつもりですよ?」
ガライルは頬を引き攣らせた。

「そ、総帝様…ちょっとは手加減して欲しいもんじゃかの…」

「まさか!本気でなんてやりませんよ。街ごと消えちゃうじゃないですか。」
クスッと笑うクロードにゾッとした。
総帝が本気を出せば街が一つあっという間に消える…なんと恐ろしい青年かと。

「ガライル殿、気持ちは分かる。」
ガライルの肩にポンッと手を置き頷くラファイを見上げる。
ガライル的にはこんな感じのクロードと毎回行動を共にしているラファイも末恐ろしいものがある…と思った事は言わないでおこう。

「では朝まで仮眠を取って王城視察でもしましょうか?」
3人部屋を取ったクロード達はそれぞれにベットへ入った。
この時、クロード達は王城の惨状を思っても見なかったのだった。
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