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惑星エルリス
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しおりを挟むクロードとラファイはオズワルド邸の玄関に転移した。
「おや、坊っちゃま方こんな時間にお帰りとはお珍しい。」
直ぐに執事のチャールズが出迎えた。
クロードとラファイはチャールズが驚く所を見た事が無かった。
いつ急に転移して来てもチャールズは落ち着いた様子で何時も出迎えてくれるのだ。
「おや、其方は?」
チャールズはクロードに抱かれているボロボロの少女を見て言った。
「母さんと父さんは居ますか?話があります。それとこの子に部屋を、あと医者を呼んで下さい。」
「畏まりました。旦那様と奥様はサロンにいらっしゃいます。」
「ありがとう、行こうラファイ。」
「あぁ。」
ーコンコン…
「はい?」
「クロードです。」
直ぐにサロンの扉が開いた。
中ではナディアとウィリアムがクラディスとお茶をしていた様だ。
クラディスは相変わらず座って居るだけだが、一人で部屋に閉じこもるより良いだろう。
「どうしたのよ、こんな時間に?」
「珍しいな?何かお願いでもあるのか?」
図星を突かれたクロードは苦笑いをした。
「バレましたか?」
「まぁ兎に角二人共座りなさいな。話はそれからよ?」
クロードとラファイも席に付きお茶を一口飲むと話を始めた。
「父さん、母さんもう一人妹が増えても良いですか?」
クロードの問いにナディアもウィリアムもキョトンと目を丸くした。
「ちょ、ちょっと待ってクロード。貴方もう一人妹が居たのかしら?」
「違いますよ、実の妹はクラディスだけです。」
クロードはさっきまでの経緯を両親に話した。
ナディアは驚き、ウィリアムは額に青筋を立てて聞いていた。
その少女に会いたいと言うナディアと共に四人はチャールズに案内され部屋に向かった。
大きなベットに寝かされている少女はメイド達により着替えを終わらせ、綺麗にされていた。
髪の毛は桃銀髪できっと大きいであろう瞳は長い睫毛で閉ざされている。
彼女の周りには沢山の低位精霊がフワフワと浮いていた。
「こんな小さな子になんて事を…」
ナディアは目を潤ませた。
「ザイルはこの事を知っているのか?知っていたなら俺はザイルを許せない。」
「いいえ、理事長は知らないでしょう。理事長が共犯なら私達が編入する事を良しとしなかった筈です。」
ウィリアムは安心した様にそうかと呟いた。
「この子が望むなら私達の娘にしましょう。望まないのであればまたその時考えればいいわ。ねえウィリアム?」
「構わないよ、子供が増えるのは大歓迎だからな。」
「良かった、俺は明日理事長に会いに行って来ます。報告はしければなりませんし、土帝とかなり怒っている風帝が地下に罠を張りましたから犯人も直ぐに見つかるでしょう。」
「分かったわ。それまでこの子は私達に任せなさい。」
「ありがとうございます。」
「ラファイ?そんな顔をしていたらこの子が起きた時怖がって嫌われちゃうわよ?」
ずっと顰めっ面をしていたラファイの眉間をツンツンとナディアは突っついた。
「仕方ない、ラファイの国は精霊信仰が厚い国だからな。ラファイにも思う所があるのさ。さぁ、二人はまだ仕事があるのだろう?心配せずに戻りなさい。」
「「はい。」」
それからエデンに戻り書類を捌き、理事長に渡す報告書を作り終えた時にはもう真夜中になっていた。
翌朝、朝食も早々に執務室で書類に目を通していた。
「総帝様!!犯人が罠に掛かったよ!!」
風帝が飛び込んで来た。
「分かりました。では風帝と土帝は闇帝を連れて地下に、捕らえ次第理事長室に連れて来て下さい。闇帝が珍しく同行を願い出て来ましたから、闇帝も怒っている様です。」
彼はとても静かに怒るので怖さ倍増なんですよね。
「私と焔帝は先に理事長に報告書を渡しに行きます。」
「分かりました、俺達も直ぐに向かいます。」
書類を纏めるといいタイミングでラファイも執務室に来た。
「いいタイミングですね?」
「あぁ。」
「眠れなかったんですか?」
「酷い顔をしてるか?」
「えぇ、男前が台無しですね。」
「お前に男前と言われても嬉しくねぇけどな…」
そんな事を言いながら学園へ向かった。
報告書を読んだ理事長は大激怒、俺達は過去の召喚獣に関しての資料を見せて貰った。
確かにここ数年召喚獣の質が上がっていたのだ。
それは低位精霊を生贄にした結果であり、その生徒達の実力では無い。
質は上がっていたものの契約率は下がっている。
当然だ、その生徒の実力以上の召喚獣が召喚されれば己に見合わないと召喚獣が判断すれば契約は成されない。
「理事長、犯人は既に土帝、風帝、闇帝が捕獲に向かっています。犯人は高確率で学園の関係者だと思います。会われますか?」
「勿論だ!こんな事許される筈が無い!!学園の為等と言い訳は言わせない。」
腕を組み怒りを抑えられない様子の理事長、そこに土帝立ちが犯人を捕らえて連れてきた。
闇帝の魔法の玉に入れられた男は何とか出ようと玉の中でもがいていた。
闇帝の玉の中からは外は見えない。
暗闇に囚われている犯人はかなり不安だろう。
「オスフェル…」
理事長が呟いた。
「誰ですか?」
「オスフェルは…この学園の学園長です。」
「学園長じゃと?何故学園長があんな事をするんじゃ?」
理事長は少し躊躇った。
「オスフェルは私の従兄なのです。この学園の理事長には本来ならオスフェルが就いていた筈だったんです。しかし、オスフェルは野心が強過ぎました。学園を紳士、淑女、正当な魔法使いを育てる場では無く、魔法学園にし武力に特化した学園を作ろうとしていました。そうなれば王国の騎士団を凌ぐ武力がオスフェルの手中に入る、それを懸念した先代が私を理事長になる様推薦したんです。」
「こいつは己の野心を諦められなかった訳か…」
ラファイはオスフェルを睨みながら吐き出す様に言った。
「ちょっと良い?精霊の愛し子を見つけるなんて簡単に出来ないんだ。このオッサン一人でやったと思う?俺は他にも協力者が居ると思う。ウィンディーナもそう言ってる。総帝様、ラウ様に協力して頂きたい。ラウ様なら高位精霊とも話が出来るでしょう。」
確かに精霊獣の中でもかなり高位にいるラウならば話は出来るでしょう。
「ラウの事は構いませんが、高位精霊を見つける事こそかなり困難でしょう?策はあるんですか?」
『我が案内しよう。』
クロードの影から普通の虎程の大きさのラウがニュっと出てきた。
「そ、総帝様ともなると契約精霊も凄いのですね…」
理事長はラウを見て顔を引き攣らせた。
「ラウは分かるんですか?」
『うむ…余り人間には明かしたく無いが、我等高位の者は少なからず繋がりを持って居ると言うことだ。但し、風の小僧では無理だな。舐められて玩具にされて終わりだ。クロードが来い。』
「玩具に…ですか?」
風帝をチラ見すると顔色は悪いが悔しい様な変な顔をしていた。
「私も玩具にされませんか?凄く嫌なんですけど。」
『そんな事我がさせん。』
フンっとラウは鼻息を荒くした。
「では学園長は闇帝預かりにします。闇帝、呉々も精神を壊す様な事はしないで下さいね!証言が取れなくなってしまいますから。」
闇帝は無言でコクリッと頷いたが…ちょっと不安だ。
闇帝も怒っている様ですからね。
「私はラウと高位精霊と話をして来ます。」
「俺は行かなくて良いのか?」
「今回はラウと私二人で行きます。ラファイは他の協力者について闇帝と調べて下さい。」
クロードは暗に闇帝が学園長に何かしないか見張ってくれと言っている。
「分かった。」
『高位精霊ならば己の眷族が消える時何か感じ取って居る筈だ。我も己の眷族が消える時は最後の言葉を聞く。』
これは私も知らない精霊事情でした。
「ウィンディーナ、知っていたか?」
風帝が聞くとウィンディーナは首を傾げた。
『その風の精霊は知らぬだろう。そ奴が死ねば風の高位精霊がそ奴の最後の声を聞く事になるだろう。そ奴も高位の精霊だが我が言っている高位精霊は精霊王の事だ。』
「精霊王じゃと?!」
土帝は目をひん剥いて驚いた。
風帝も目を丸くし、闇帝は…ちょっと分かりません。
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