うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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惑星エルリス

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「ちょっと待ってよ総帝様!それマジで言ってるの?」

「大真面目ですよ?」
それがどうたのかと言う様にクロードは笑った。

「本気か?」

「ラファイまで、本気ですよ。本気と書いてマジです。」

「お、俺…他の帝呼んでくる!!」
風帝は風の如く走って行った。

「クロード、何を考えている?」

「何も?簡単な事ですよ。手紙の要求は恐らく帝の排除。だから排除されてやろうではありませんか。」
ラファイは眉間を押さえた。

「悪いクロード、全く意味が分からねえ。」

「つまり擬似的に帝達が居ない世界を体験して貰おうと言うことです。」

「総帝様、そりゃボイコットと言うんじゃよ?」
土帝に続き他の帝達が揃った。

「具体的にはどうしますの?」

「森側の結界はそのままにします。民がおそわれては困りますから、食料ドームの機能は停止します。停止しても少しの間は食い繋げるでしょう。後は何もしません。」

「何も…ですか?」
闇帝が不安そうに言う。

「そう、何もです。私から声明を発します。その後は招集をかけるまでは皆さんは実家に帰って居て下さい。決してエデンに来てはいけません。」

「成程のぅ、総帝様の策が分かりましたわい。」
うんうんと頷く土帝。

「ちょっと土帝!どう言う事?僕意味わからない!」

「あら風帝分からないの?食料ドームの停止すればどうなると思いますか?」

「えっ?そりゃ食料が足りなくなる?」

「その通りですわ。食料が不足して一番困るのは?」

「民でしょ?」

「正解、それが総帝様の狙いですわ。」
風帝はまだ分からないと首を傾げた。

ーコンコン…

「どうぞ。」
入って来た侍女が一礼すると木製のトレイに並べられた書状をクロードに差し出した。

「各国の王族から総帝様宛の書状になります。」
それを受け取ると封を切っていく。

「シルベニア以外の国は帝廃止に賛同するそうです。」

「なんじゃと?!」

「まぁ、予想の範疇ですよ。水帝、食料難に伴い森に入る者が居ない様に森に隣接している所は森に入れない結界をお願いします。」

「分かりましたわ。」

「もっと分かりやすく説明求む!!」
風帝がバンッとテーブルを叩いた。

「あれ程説明しましたのに まだ分かりませの?」

「まぁまぁ、水帝。風帝、今届いたこの書状は王が私達を排除すると意志を示したのです。この後私が声明を発した後食料難に陥った民の不満は何処に向かうと思いますか?」

「うーん、王族かな?」

「民の反乱を押さえる為に王家はこの書状の撤回を申し入れてくる筈です。しかし、このエデンには既に私達は居ません。それに私達の素顔は私達しか知らないので探す事も叶わないでしょう。そんな最中に私達の排除を促す発言わ、繰り返す者を探すのです。それが恐らく手紙の送り主でしょう。分かりましたか?」

「総帝様の説明の方が分かりやすいな!痛え!!」
風帝は水帝に頭を殴られた。

「では今日の正午声明を発します。場所は王宮前の広場に集合でお願いします。その後は解散、実家に戻って下さい。」

「「「「「はい。」」」」」

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