うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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惑星エルリス

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翌日の早朝クロードは物凄くスッキリした顔で野営に戻って来た。
戻ったクロードと違い目の下に隈を作ったラファイとラウを見てキョトンとしている。

「二人共、ちゃんと睡眠はとらないといけませんよ?」

「誰のせいだよ…」

『誰のせいだと思って居る…』
二人はげんなりした。
そんな寝不足な二人を他所にクロードは一点の茂みを睨んでいた。
それに気付いたラウは茂みに向かってガルルと威嚇し、ラファイも警戒体勢に入った。

「誰ですか?」
クロードが声を掛けるとガサガサと茂みを揺らし一人の男が出て来た。

「おや、もうバレてしまいましたか。不覚です。」
キッチリとスーツを着こなし、銀色の片眼鏡がキラリと光っていた。
服についた葉を落としながら男は笑った。
パッと見はロマンスグレーの紳士だ。
だが男が纏う魔力は只者では無い事を語っていた。

「そんなに警戒しないで下さい。私は総帝様にご挨拶をしに来たに過ぎません。
ちゃんとお土産もありますよ、持参出来ませんでしたから帝宮に運んで置きました。」

「何だと?」

「貴方はどなたですか?私に貴方の様な知り合いは居ませんが?」

「私達は初対面ですよ?私はクロウ、クロウ=オブ=クロードです。以後お見知り置き下さい。」
そう言ってクロウと名乗った男は恭しく頭を垂れた。
一切警戒を解かないクロード達を見てクロウは笑った。

「早くエデンに帰らなくて良いのですか?私のお土産が死んでしまいますよ?」

「一体何をしたんですか?!」

「行けば分かりますよ総帝様。貴方が帝宮を離れたばかりに…可哀想ですね?では、また会う事になると思います。楽しみにしていますよ、今代の総帝様には期待しているのですから。」
クロウは木の葉は巻き上げ消えた。

「ラファイ、ラウ!直ぐにエデンに帰ります!!」

「分かった!」

『我はここに残り少し調べたい事がある。』

「分かりました。俺達は先に帰ります、嫌な予感がするんです。」
クロードはクロウが纏う魔力を思い出した。
ねっとりと纏わりつく様な魔力…凄く嫌な魔力だった。
クロード達がクロウと対峙していた頃、帝宮は大騒ぎになっていた。
風帝が帝宮のまえに瀕死の状態でたおれているのが発見されたのだ。
風帝は直ぐに治癒魔法が施されたがなぜか殆ど治癒されなかった。
治ったのはかすり傷程度のものばかりで、重症の部分には全く治癒魔法が効かない。
他の帝も駆け付け色々試すが全く成果は得られなかった。

「まずいですわ、止血だけでも何とかしないと…」
風帝の胸元から腰にかけてバッサリと切り裂かれた傷からは止めど無く血が流れ続ける。
そこにクロード達も合流した。

「風帝!!どう言う事ですか?どうして風帝がこんな…」

「私達が気付いた時には風帝は瀕死の状態で帝宮の前に倒れていたんですわ。」
クロードは顔を顰めた、クロウが言っていた土産とはきっとこの事だ。

「風帝の様態は?!」

「治癒魔法が効きませんわ!止血が全く出来ませんの!!」

「変わって下さい。私がやります。植物魔法…揺籃の蕾。」
風帝の下から生えてきた弦の植物にあっという間に風帝の身体は包まれて行く。
風帝の傷に弦が繋がるとあっという間に鶴は血の色に染まった。
そのまま風帝の姿は見えなくなり、弦は絡み合い卵状になった。
風帝が居るであろう場所は桃色に鼓動するように光っていた。

「これで大丈夫です。但し、私は此処から動けません。」
クロードは蔓の卵の前に座り両手を翳し続ける。

「風帝が治るまで魔力を流し続ける必要があります。それに中は私の時魔法で風帝の時間を止めました。ここを天幕で覆って下さい。」
額に汗をかきなからクロードは水帝を見た。

「わ、分かりましたわ!直ぐに!!」

「ラファイ、すみませんが古代魔法を使います。天幕が出来たら見張りをお願いします。」

「分かった、無理はするなよ?」

「大丈夫ですよ、絶対に風帝は死なせません。」
急いでクロードと風帝の周りに天幕が張られ、入口にはラファイと土帝が立った。
クロードはそれから五日ずっと魔力を流し続けたのだった。
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