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人類の存続
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しおりを挟むガライルのギルドマスターに密輸の件で書状を送ると事実の究明と抗議文のを撤回すると返答が来ました。
俺はカイテルを呼ぶと森の希少種や絶滅危惧種を内密に森の奥へと避難させる様に頼みました。
これで密輸など出来なくなりますね、問題解決です。
後は人買いを根絶やしにしたいのですが、中々根絶やしは難しいのが現状ですね。
需要があるから供給が生まれる。
貴族達が奴隷を望む限り潰しても潰しても人買いは現れるんです。
もう俺やグラディスの様な子供を増やしたくないのですがね。
「さて、壁の視察に行きましょうか?」
俺は土帝のいる森沿いに飛んだ。
そこは物凄い轟音と共に地面から次々に壁が生えて行っていた。
「うわー!凄いですね、流石土帝です。もうこんなに出来たんですね?」
「あら、総帝様。いらしていたの?」
「はい、水帝。どんな進み具合か視察に来たんですよ。凄いですね?」
「ええ、土帝ったら若い者にはまだ負けん!とか言って張り切ってますの。あのペースでずっと壁を作ってますわ。」
「えっ?土帝大丈夫ですか?少し心配ですね?」
「私も止めたんですよ、でも他の帝達も頑張って居るからと…」
「そうですか。」
土帝ガライルの気持ちは嬉しくもあり心配でもありますね。
「土帝!少し私と休憩しませんか?」
「おぉ、総帝様!来ておったのか?総帝様の誘いは断れないわい。」
俺は結晶魔法で椅子とテーブルを作り、カバンからティーセットや茶請けを出した。
「準備が良いですわね?まぁ、お茶請けまで。」
「休憩を兼ねて視察に来ましたからね、準備はバッチリですよ?茶葉は闇帝のお手製で疲れがとれますから、沢山飲んで下さいね。」
「ホッホッホッ!闇帝の茶は美味いですからなぁ。」
「はい、定期的に茶葉を分けて貰ってるんですよ。さぁ、どうぞ。」
土帝と水帝の前にお茶を出す。
「あら!本当に飲みやすいですわね!スッキリしていて私は好きですわ。」
水帝リナリアは闇帝のお茶を気に入った様でお代わりまでしていた。
土帝ガライルもお代わりを飲み終わるとサッサと作業に戻ってしまった。
「もう少し休んで欲しかったんですけどね?」
「やる気何だもいいんじゃないですの?この分だとかなり早く森沿いに壁が完成致しますわ。」
「確かにそうですね。」
クスリと水帝と笑い合う。
「総帝様はもうお戻りに?」
「はい、明日は闇帝と森の端まで行こうと思っていますので。」
「お気を付けて下さいね。」
「大丈夫ですよ、私の魔法と闇帝の魔法は相性が良いですからね。」
クロードは壁を後にした。
自室に戻り明日の準備をする、準備と言っても殆どないが最低限の必要な物をマジックバックに入れていく。
近頃ルナは森の泉に入り浸って居てあまり戻って来ない。
俺が黙って一年も居なくなった事がまだ許せない様だった。
そうそう、風帝の報告を忘れていたが風帝はクロードの治療を受けた後三日で目が覚めた。
その後もっと魔法などを磨く為に長期休暇をとり師匠の元へ行っている。
今週には帰って来る予定だと聞いた。
きっと風帝にも小言を言われるだろうとクロードは覚悟していた。
明日の偵察で思わぬ事が起きるとはクロードは思っても見なかった。
森の入口から森の端まで悠に600km以上ある。
クロードは何回かに分けて転移で向かう予定だ。
箒などで飛んでいたら何日かかるか分からない。
ド緊張している闇帝には酷な事だと判断した。
この日、クロードはいつもより早くにベットへ入ったのだった。
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