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人類の存続
2-6
しおりを挟むその後闇帝が合流し、作戦も早々に俺達は森へと向かった。
今回は様子を見ながらの移動なので、それぞれの乗り物に乗って移動している。
「総帝様、ここからどの位の距離に居るか分かるの?」
風帝はクロードと並んだ。
「常に索敵を掛けてますから、ここから50km先です。なるべく街の方に近付く前に接触したいですね。」
帝達と総帝が勢揃いで飛んでいるなんて初めてでは無いだろうか?
クロードの肩に乗っているラウはずっと飛んできた後方を見ていた。
「ラウ?どうしたんですか?後ばかり見ていますね?」
『うむ…何かが我等を追ってきて居る様だ。調べるか?』
「きっと魔物でしょう?今は先を急ぎたいので少しスピードを上げますよ?」
帝達とクロードは物凄い速さで飛んだ。
半時程飛ぶと大きな茶褐色の巨体が三体見えて来た。
「敵を目視で確認ですわ!!」
「では、武運を祈ります!」
帝達は散り、クロードも一番大きな一体に向かって行った。
「氷魔法…」
クロードは魔物の足元を凍らせて動きを止めた。
「うが?動けねえ!」
バランスを崩した魔物はズシーンと砂埃を上げながら倒れた。
「誰だぁ?オラにこげ事すんのあ?」
クロードと目が合う。
「私ですよ?」
「おめちぃっこいな、人間か?」
「そうですよ。人間ならどうするんですか?」
「人間は殺せちゅ命令、だからオラはおめを殺すだ!!」
足に纏わり付いた氷をバリバリを剥がすと立ち上がった。
「貴方達はなんと言う魔物何ですか?」
「あぁ?オラ達はガイバーオーガちゅう。知らんかぁ?」
「初めて聞きました、ありがとうございます。では…始めましょうか?」
ガイバーオーガは咆哮を上げるとそのままクロードに向けて突っ込んで来る。
それをクロードは箒をしまい、浮遊魔法に変えると片手でガイバーオーガの頭を押さえて止めた。
「うぐ?動けねえ…」
「今度は此方から行きますよー!」
クロードは拳に最大の強化魔法をかけるとシンプルにガイバーオーガをぶっ飛ばした。
8mもある巨体が浮き吹っ飛ぶ。
「ぐぁぁぁあ!!痛てぇーーー!!」
のたうち回るガイバーオーガを他所に風帝が怒鳴る。
「ちょっと!総帝様!!ぶっ飛ばす方向は考えてよ!!危ないでしょ!!」
プンスカプンと怒る風帝にクロードは謝った。
帝達にもまだ余裕がある様だ。
「良くもやっだなぁ?」
ガイバーオーガの大きな拳がクロードを襲うが寸でで避けた…が、クロードの胸には血が滲んだ。
何故だ?さっきの攻撃は掠ってもいなかった。
なのにクロードのローブの前は裂け、浅くだがクロードの皮膚は切られていた。
“気を付けて下さい!攻撃を避けても攻撃を受けます!”
ラファイはクロードの血塗れの胸元を見て目を見開いた。
噎せるクロードは吐血までしていた。
たった一撃、交わした筈なのにこれですか?
内蔵にも損傷がある様ですね?
その合間にもラウが攻撃を続くていた。
ラウの最大の雷魔法でもガイバーオーガの皮膚は少しだけ焦げただけだった。
クロードは苦しんでいた、内臓が捻れる様だ。
「ウグッ…ガハッ!!」
治癒魔法…植物を体内に入れ損傷した内臓を治癒していく。
しかし、ガイバーオーガもそんな隙を与えてはくれない。
何発も繰り出されるガイバーオーガのパンチは抵抗出来ない暴力だった。
当たれば即死、避けても何らかの傷を負う。
最悪の戦いだ、クロード達はガイバーオーガを甘く見ていたのかもしれない。
三体だくでこれだ、総帝が全力で相手をしても本当に一体が精一杯だった。
「アレは使いたく無かったんですけどね…仕方ありませんね。ラウ!!時間を稼いで下さい!」
『承知、しかしあまり持たぬぞ!!』
ラウはガイバーオーガに向かって駆け出した。
「時魔法…くっ!!あの大きさでは時を止めるのも一瞬が限界ですね。ならば…」
クロードが古代語を詠唱するとガイバーオーガの足元に真っ赤な魔法陣が現れ、頭上にも同じ魔法陣が現れた。
ガイバーオーガの動きが止まる。
すかさずクロードは切られた胸の血を拭うと更に古代魔法の詠唱に入った。
それを見ていた光帝が目を見開いた。
「嘘!!古代魔法のダブル詠唱何て…出来る筈ないです!!総帝様死んでしまいます!!」
光帝は叫んだ、しかし戦いの轟音に掻き消され誰の耳にも届かなかった。
その間にも詠唱は続く。
ラウもそろそろ限界…急がなくては。
しかし、ダメージを受けているクロードは詠唱の間にも吐血を繰り返す。
「もう…少し…」
クロードが目を見開くとクロードの瞳は薄紫から赤へかわり、サラサラの青銀髪も赤く染まり逆立った。
クロードは手を下に突き出すと赤黒い魔法陣が発動した。
「ラウ!!離れて下さい!!」
ラウは素早くガイバーオーガから離れた。
「古代魔法…煉獄の扉…」
クロードが言うと同時にガイバーオーガの後ろに赤黒い扉がゴゴゴゴゴと現れた。
「解錠…」
扉に巻き付いついていた鎖が解かれた。
ガイバーオーガが通れる程に大きな扉はまた轟音をたてながら開き出す。
中は真っ暗で何も見えない。
クロードは片手で魔法陣を発動しながらもう片手で雷魔法を発動していた。
クロードの頭上には巨大な雷の槍が作られていた。
無詠唱で作り出した雷の槍をガイバーオーガに向けて放った。
「ぐぎゃぁぁぁぁあ!!」
それと同時にガイバーオーガの動きを封じていた魔法陣を消すとガイバーオーガは真っ暗な扉の中へと吸い込まれる様に倒れて行った。
「施錠…禁!!」
ガイバーオーガが扉に入ったのを確認すると直ぐに扉を閉めた。
「やっと…一体…」
クロードは力なく地面に向かって落ちていく、それをラウが大きな背中で受け止めた。
他の帝達は勿論かなり苦戦していた。
総帝のクロードさえああなるのだ、帝達は死を覚悟したが諦めてはいない。
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