うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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人類の存続

2-21

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「さて、そろそろまた大陸を攻めましょうかね。クロード君…若い総帝様は実に面白い、私を楽しませてくれますからね?」
数百年ぶりに見つけた楽しみにクロウは心を踊らせた。
前回はクロードの力量を見るためにガイバーオーガを三体向かわせたがクロードによって倒されてしまった。
どうやってクロードを痛めつけてやろうか?
どのくらい痛めつければクロードは死ぬのか?
クロウは楽しみながら考えた。


その頃、帝宮は騒がしくなっていた。
数日前まで元気だった楓が倒れたのだ。
もうかなり前から体調が悪いのを隠していたらしい。

「クロード様!どう言う事ですの?!楓は昨日まで元気だったではありませんか?!」
クロードはベットに横たわり荒い息を繰り返す楓を見て苦虫を噛んだ。

「楓、聞こえますか?」
クロードが呼ぶと少し目を開けた楓。

「随分前から体調が悪かったのでしょう?俺が気付かなかったばかりに…」
俯くクロードの頬に楓の冷たい手が触れた。
それを優しくクロードが包み込む様に握った。

「クロード…のせいじゃ…ない…わ…」

「楓…少し辛抱して下さい。」
クロードはもう一度楓の手を握りると部屋を飛び出した。

「総帝様!!お待ち下さい!どうなさるの!!」
慌てて水帝が追ってくる。

「楓の身体から絶えず魔力が漏れ出しているんです。時間がありません。」

「そんな!!」
魔力が全て無くなる事は死を意味する。

「楓は自分で薄い結界を作り今日まで何とか耐えていたのでしょう。もう楓の魔力の残りも少ない、早く原因を探はなくては!闇帝を呼んで下さい!」

「分かりましたわ!」
執務室に向かうクロードからは怒りで魔力が漏れ出していた。
クロードが通った廊下は壁に亀裂が入りボロボロになっていた。
直ぐに執務室に来た闇帝カイテルと話し合う。
楓の症状を説明するとカイテルは考え込んだ。

「可能性ですが、楓さんは誰かに呪いをかけられたのかもしれません。でも楓さんの様な症状は聞いた事ありませんし、ハッキリとは言いきれませんが…」

「呪い…カイテル、原因を探れますか?」

「時間があれば可能性だと思いますが、楓さんにはもう時間がありません。」

「一週間、一週間で何とか調べてください。楓の事は俺が何とか持たせます。」

「分かりました。直ぐに始めます。」

「お願いします。水帝!今後一週間俺は楓から離れられなくなります。食事は飲める物でお願いしますと伝えて下さい。」

「分かりましたわ!直ぐに伝えて来ますわ!」
クロードは執務室から部屋に飛んだ。
辛そうな楓に自分の魔力を流してみる。

「駄目ですか…」
魔力を楓の身体に流そうとすると何かに拒まれてしまう。
試しに口付けをしながら直接口から魔力を流すと上手く楓の魔力とクロードの魔力が混ざった。
それからクロードは楓から口を離すことなく魔力を流し続けた。
少しでも離れれば魔力は漏れだし意味が無くなってしまう、絶対に離れる事は出来ない。
楓が倒れてから五日目、闇帝カイテルは焦っていた。
原因が見つからないのだ。
呪いの類なのは間違いないだろい、しかし呪った者が分からなければ呪いを解く事さえ出来ない。
クロードは五日間ずっと楓に直接魔力を流し続けている。
カイテルも報告の為、部屋に行ったが魔力を使い続けるクロードは酷いものだった。
疲労に食事も真面に摂る時間さえ無いクロードは痩せ頬がコケて来ていた。
前のような美貌は今は無い。

「どうしてだ!!分からない!呪いなのは間違いないのに!!何故痕跡がないんだ!!」
カイテルは机の上の本を乱暴に薙ぎ払って落とした。
カイテルはそのまま頭を抱えた。
考えろ!思い出すんだ!昔読んだ文献になにか無かったか?!
他の帝達も古い文献から新しい物まで読み漁っているが、無情にも時間はどんどん過ぎて行った。

「クロード様、食事ですわ。」
水帝が大きめの器に入った冷めたスープを持ってくる。
それを直ぐに飲み干すとまた楓に魔力を与え続ける。
そんなクロードを見てリナリアは眉を下げた。
リナリアとて怒りを感じているのだ、何だかんだリナリアにとって楓は可愛い妹の様な存在になっていた。

「早くしなければ…」
空になった器を下げながらリナリアは闇帝の部屋に向かった。
闇帝の部屋は酷いものだった、そこら中に本が散らばり紙の束が散乱して足の踏み場もない。
本の山に埋もれて闇帝が頭を抱えていた。

「まだ分からいのね…」
リナリアは呟いた。
楓がたおれてからもう直ぐ二週間が経とうとしていた。
クロードだから今までもっていたがそろそろクロードの限界も近いだろう。

「魔族…」

「えっ?」
ボソッと呟いたカイテルは一心不乱に本や紙の束を掻き分け、手に取っては違う!と言い投げるを繰り返した。

「あった!!これだ!!」

「分かりましたの?!」

「いえ、まだ確定とは言えないんです。でも昔読んだ事があるんです、稀に人間と契約を交わす魔族が居ると。魔族は契約した人間の望を叶えます、何かを代償にして。僕は人間だと思い込んでいた、だから痕跡も探せなかったんです!」

「魔族なら探せますの?」

「契約した魔族は無理でしょう、でも契約した魔族は一定期間契約した人間の元に留まります。淀んだ魔力溜まりを探すんです!そこに魔族と契約した人間がいる筈です!」

「分かったわ!直ぐに帝総出で探しますわよ!」

「はい!」
帝達は感知をしながら各地に散った。
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