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人類の存続
2-22
しおりを挟むクロードは楓に魔力を与えながら後悔していた。
もっと早く気づいてやれれば、守ると約束したのにもうこんな目に合わせてしまっている。
不甲斐ない自分を殴ってやりたい。
そろそろ自分にも限界が近いのは自覚しているが止める訳にはいかない。
自分の命と引き換えにしても楓には生きていて欲しい。
闇帝が何かに気付いたと報告が来ているが、何とかなるだろうか?
クロードは戦っている疲労感と睡魔と。
眠ってしまったら終わりだ。
何度も意識が無くなりそうになり、背の度に自分の足を抓り覚醒していた。
お陰でクロードの足は見れない程の内出血になっていた。
ウィリアムやナディアに楓の両親も偶に様子を見に来るが、いい報告が出来ないのは申し訳ない。
一度楓の両親に言われた事がある。
「クロード君、もう無理はしなくていい。これでは君まで倒れてしまう、それどころか死んでしまうかもしれない。楓は幸せだった、君に愛されて。」
止めろ、止めてくれ!!
「そうよ、まだ結婚した訳ではないのだし。貴方にはまだ未来がある。それに貴方は総帝様なのよ?貴方の変わりは居ないのよ?」
楓の代わりだって居ない!!
楓が居なくなったら俺は一生独身を貫くだろう。
楓の両親が説得してもクロードは魔力を与える事を止めなかった。
クロードが睡魔と戦って居ると部屋の外が騒がしくなっていた。
「お待ち下さい!!その部屋は総帝様のお部屋です!!」
「お黙りなさい!私は良いのよ!!」
クロードは訝しげにベットルームの扉を目線だけ動かして見ていた。
バンッと開いたドアに現れた者にクロードは目を見開いた。
どうやってここまで入って来れたんですかね?
あぁ、俺のチカラは今全て楓に注ぎ込んでいるからですね。
「まぁ!!クロード様何をしてらっしゃるの?!まだ生きてましたのね?そろそろ死んだと思ってクロード様に会いに参りましたのに。」
ふぅと溜息を吐いて心底残念そうに言う女。
「忌々しい!ゴキブリ並の生命力ですわね!!クロード様!!その女から離れてくださいまし!!私以外と口付けなど許せませんわ!!」
ゴミでも見るかの様な目で楓を見るミレイユにクロードは殺意が湧いた。
「さぁ、クロード様!此方に…」
クロードの腕を触ろうとしたミレイユをクロードは風魔法でぶっ飛ばした。
クロードの目は触るなと言っている。
「クロード様!!何の騒ぎ…」
一早く異変に気付いた風帝が俺の部屋にいるミレイユを見て眉を寄せた。
念話をしたいがさっき放った風魔法で限界だった。
楓に回す分の魔力が無くなってしまう、気付いて下さい。
元凶は彼女です!
「何であんたが此処に居るのさ?クロード様に近寄らないでくれないかな?」
「あら、総帝夫人に対して失礼ではなくて?」
「はっ?頭湧いてんの?総帝夫人は楓ちゃんだ、お前じゃない。」
「こんのぉー…馬鹿チンがぁ!!」
いきなり土帝の飛び蹴りが風帝の背中を直撃した。
「うごぉぉぉお!!」
風帝は悶絶して倒れた。
「馬鹿もん!こやつが元凶じゃ!!早く気付かんか馬鹿たれが!!」
「あらやだァ、楓の様子を見に来てみれば何故ここに害虫が居るのかしらぁ?」
ルナは水魔法で水の玉にミレイユを入れた。
「ゴボッ!ゴボボボボ…」
「あら、間違えたわぁ。中まで水にしちゃってたわぁ。」
絶対に態とだろうが、クロードは助かったと思った。
「さぁ、答えなさいなぁ。お前が楓に掛けた呪いの解き方を。」
ミレイユは水を飲んだのか噎せている。
「言え…死にたく無かったら…」
いつの間にかミレイユの後ろに現れた闇帝がミレイユの喉元に手を当てていた。
「ひぃっ!!し、知らないわ!本当よ!!」
「魔物と契約しただろう?その魔族は誰だ、居場所を言え!」
鬼気迫る闇帝は怖い、普段大人しい者がキレると怖いと言うが本当だった。
「えっ?魔物?何それ知らないわ!」
「質問を変える、何を代償にした?」
「わ、私の命よ。私が死んだらその魂はあげる約束をしたわ。」
クロードはどうだ?と闇帝を見ると首を振った。
「人を呪わば穴二つ…」
闇帝はミレイユを見下ろしながら言った。
「えっ?」
「あんたが望んだ呪いだ、呪いをあんたに返してやるよ。闇解除魔法…呪詛返還!」
真っ黒な魔方陣に囲まれたミレイユは悲鳴を上げた。
解除魔法は呪いを望んだ者と、その者が呪いに関わった事を認め無ければ使えない。
媒体に本人の身体の一部が必要だが今回は本人が目の前に居たので楽だった。
「いやぁぁぁぁあ!!私は悪くないわ!!」
闇帝は見事に呪いをミレイユに返した。
ミレイユの身体から魔力が漏れ出して行くのがクロードには見えていた。
後は楓が回復出来る程度まで魔力を与えればいい。
クロードは唇を離した、今度は手を楓の胸辺りに翳すと魔力を送り始めた。
「カイテル、助かりました!ガライルもナイス飛び蹴りでしたよ?」
風帝は僕被害者~と嘆いているが今は放置しよう。
「土帝、ミハイル公爵家に連絡してこの娘を引き取って貰って下さい。もってあと一日だと言うことも伝えてください。闇帝、代筆を!」
「はい!!」
「総帝の名の元、ミハイル公爵家の爵位を剥奪平民へ降格とします。本当は殺してやりたいですが、仕方ないです。」
「分かりました!」
闇帝が代筆をし俺の印を押すと、蝋で封をした。
放心しているミレイユを土帝が連れていった。
もう二度とミレイユと会う事は無いだろう。
「後は楓の回復を待つだ…け…です…」
俺は最後の魔力を楓に流すと眠ってしまった。
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