うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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人類の存続

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帝達はイリス達の頂点に立つもの。
そして、ある意味国と民への生け贄の様なものだった。
帝に就任する時に受ける儀式、魔法陣の中央で祈りを捧げる。
あの魔法陣ははるか昔のまた魔力が強かった頃のイリスが描いたものだ。
命ある限り帝であると誓う、ある意味呪いに近いものだった。
帝とは命をかけて国や民の盾となる。
帝に成りうる資質を持ち合わせた者がそうポンポンと出て来る筈はなく、簡単に帝を失う訳にも行かない。
年々魔力が弱くなっていくイリス達、未来に不安を感じた当時の闇帝と光帝が共同で魔法陣を作った。
それが帝就任の時の魔法陣だ。

「良い、貴方達は死なない限り帝で居る事をあの儀式で強制されたのよぉ。帝が代替わりする時は帝が死んだ時でしょ?なら土帝の様に死ななかったら?」

「つまり、死なない限りは生き続けるって事?!」
風帝がズバリと言った。

「そう言う事よ。クロードも帝達も死なない限り寿命など無いわぁ。見た目の歳もかなり緩やかに変わって行く筈よ?因みに自殺も出来ないわぁ。」
これにはクロードも帝達も開いた口が塞がらない。
土帝はまだドワーフの平均寿命にも達していない為気付かなかった。
確かに今までの帝達や総帝は死んだ後代替わりしてきた。
生きているうちにその座を退いた者は誰一人として居ない。
クロードは違う意味で絶望した。
楓との結婚式が迫って居ると言うのに、結婚前から楓を看取る事が確定してしまったのだ。
クロードの執務室は沈黙したままだった。
それぞれに考える事があるのだろう。
待て、ならば死んだ事にすればどうなるのだろう?

「ルナ、帝が死んだ事にして姿を眩ませたらどうなりますか?」

「その場合は三年は空席になるわね、帝達が探して生死不明となれば新しい帝が選出されるわぁ。」

「ならばクロウは遥か昔に帝であった可能性があるのぅ?」
クロウは自らの死を偽って帝を退いた?
何の為に?
帝から降りても長生きなのは変わらないのだから。

「クロウが元帝なら辻褄が合うんじゃないの?」

「だから正体を知った時にと言ったんですね?」

「どの帝にもよるけどな。クロードみたいのが魔人になってみろよ?世界が滅ぶぜ?」
帝達はゾッとした、クロード並の者が敵に回ったらと。

「ルナ、魔人になるとどうなる?能力が上がるとか色々あんだろ?」

「そりゃ人間の時より数倍強くなるに決まってるじゃなぁい。魔力量も格段に上がるわァ。」

「クロウを倒すのは困難じゃな…」

「そうみてえだな…」

「ガイバーオーガでも手一杯ですのに、魔人なんて…」

「考えても仕方ありません!俺達がここでウジウジした所で現状は変わらないんです。クロウは定期的にガイバーオーガを送り出すと言いました。良い修行が出来ると思いませんか?」
ニヤリとクロードが笑うとラファイも同じ顔で笑った。

「俺達がこれ以上強くなるには俺達より強え奴と戦うしかねえからな。ガイバーオーガは打って付けの相手って訳だ。」

「でも…私達の魔力量はこれ以上増えるのでしょうか?」
光帝は不安そうに俯いた。

「誰も今が限界などと言ってなくてよ?」

「そうじゃ、自分で限界を決めたらそこまでじゃ。」

「だよねー!僕はまだまだ強くなるよー!!」
風帝は拳を高く上げた。

「お主は空回りせんようにな!」

「だぁー!!土帝は一言多いんだよ!!」
ドッと笑いが起きた。

「先ずはクロードと楓の結婚式だな。」

「そうじゃな、盛大な結婚式だと聞いておるからのぅ。楽しみにしとるぞ?」

「はい…」
クロードは微妙な返事を返した。
それからあっという間に結婚式の準備に追われ、結婚式当日を迎えた。
クロードと楓の結婚式はドラスタ王国で一番大きな聖堂を貸し切って行われる事となった。
王族から貴族、帝達も出席する。
よって警備も強化されていた。
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