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人類の存続
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しおりを挟む次にクロードが目を覚ますと涙を浮かべた楓がクロードの手を握っていた。
「楓…」
「クロード!」
「楓、すみません。昨日は帰れなくて。」
「良いのよ、それを覚悟でクロードと一緒になったんだもの!」
「でも…俺達の結婚祝賀だったのに…」
「貴方が居れば夜会などどうでも良いわ!昨日はラウが頑張ってくれたもの!」
「そうですか…ラウにお礼を言わなければなりませんね?楓…」
クロードは楓を抱き締めた。
何時かこの温もりが無くなってしまう?
考えたくもない!
「か、クロード!苦しい!!」
「あっ、すみません!」
いつの間にか強く抱き締めてしまっていたらしい。
「楓、アリアの様子はどうですか?」
楓は表情を暗くした。
「全く部屋から出て来ていないわ。義母様が呼んでも全く駄目で、食事も真面に摂っていないのよ。」
「そうですか…今日アリアに会いに行きます。楓…もし楓が俺よりも先に死んでしまったらどう思いますか?」
「えっ?普通逆の事を聞くんじゃないの?」
楓はクスクス笑った。
「私がクロードより先に死んだらね、どうかしら?例えばまだ私が若くして死んでしまったら…私以外の女を愛するのは許せないわね?結婚した次の日にこんな事を聞くなんてどうしたの?何かあった?」
楓は心配そうにクロードを見詰めた。
「何でも…例えばの話です。」
「そう?でも逆もあるんじゃない?クロードが先に死んでしまったら…私は未亡人のまま一生を過ごすわ。だって、クロード以外愛せないもの。」
クロードは顔を歪めた。
「クロード、何を悩んでいるかは聞かないわ。でも貴方はひとりじゃないわ。家族も帝達も私も居るわ。だから、余り無理をしないで頂戴。」
「ありがとう、楓。」
楓と昼食を摂り、クロードはオズワルド公爵家に向かった。
「母さん、アリアは?」
「あら、クロードお帰りなさい。もうずっと部屋に篭って居るのよ。クロード少し話をしてくれないかしら?もう心配で…」
「はい、そのつもりで来ましたから。ちょっとアリアに会ってきます。」
「お願いね!私はアリアに食事を用意して貰っておくわ!」
ナディアと別れ2階に上がり南の端の部屋を目指す。
ーコンコン…
「アリア?俺です、クロードです。少し話をしませんか?」
しかしアリアから返事は返って来ない。
まさか部屋で倒れているのでは?と考えたクロードだが異変に気付いた。
精霊達で溢れていたアリアの部屋の回り、しかし今は一人も精霊が見当たらない。
「アリア!!どうしたんですか!!アリア!!」
ドンドンと力強く叩くが扉はビクともしないし、アリアの反応も無い。
「仕方ありませんね、アリア勝手に入りますよ?」
クロードはアリアの部屋の中に転移した。
その瞬間口を押さえウッと息を詰まらせた、
昼間だと言うのにアリアの部屋は真っ暗でカーテンも開かれているにも関わらず窓は夜の様に闇に包まれていた。
「ゴホッ…アリア…」
息苦しさを耐えながらクロードは必死にアリアを探した。
気配はある、アリアは部屋の中に居る筈だ。
「アリア!!ウッ…何処ですか!」
「お兄様…?」
「アリア!!」
アリアは暗闇の中で膝を抱えて蹲っていた。
「ゴホッ!アリアどう言う事ですか?!これはどうしたの…」
「お兄様が悪いんじゃない!!」
「えっ?」
アリアはクロードを見上げる様に睨んだ。
あの愛らしいアリアの面影が今は無い。
「お兄様が悪いのよ!!お兄様が結婚なんてするから!!」
クロードはブラコンが拗れるとこんな事になるとは予想していなかった。
何時かはアリアも認めてくれると勝手に思い込んでいたのだ。
「だから…だからお兄様が家に帰って来られない様にしたのに!!妻だからってあの人はエデンまで行ってしまう!!私はお母様やお父様と一緒じゃなきゃ行けないのに!!」
ブワァァァアとアリアから真っ黒な霧の様なものが噴き出す。
クロードは腕を前にし顔を顰めた。
闇の精霊に取り憑かれたのか?
「アリア、暫く待っていて下さい。」
クロードはアリアの部屋の外に転移し、アリアの部屋の扉に魔法陣を描き、部屋全体に結界を張った。
“闇帝!”
“はい、クロード様。”
“義妹が闇の精霊に取り憑かれてしまいました。闇の精霊に関しては闇帝の方が適任です。直ぐに公爵家に来て貰えますか?”
“分かりました、直ぐに!”
闇帝は直ぐに駆け付けてくれた。
しかし、闇帝の背後でフワフワと浮かんでいる魔法陣が組み込まれた謎の大きな球体が気になる。
「闇帝…それは?」
クロードは闇帝カイテルの背後を指指した。
「これですか?闇の精霊に取り憑かれたと聞いたので一応持って来たのです。何処まで深く闇の精霊に飲まれてしまったかは分かりませんが、闇の精霊と切り離すにはこの玉に妹さんを入れなければなりません。」
「そうなんですね?態々ありがとうございます。」
「妹さんどんな様子ですか?」
「話は何とかでも…かなり楓を敵視している様で…」
「つまり…ブラコンを拗らせた…と言う事ですか?」
「大体そんな感じだと思います。恐らく魔物の出現にもアリアが関わっているようです。」
闇帝は眉を寄せた。
それもそうだろう、この所そのせいで帝達は走り回っていたのだから。
「兎に角、妹さん…アリアさんを見て見ないと。」
「お願いします。」
やはり闇帝も部屋に入ると息を詰まらせた。
「こんなに…」
闇帝でも驚く闇の深さだった。
膝を抱えて蹲っている小さな少女、それ程までに兄を思っていたのかと闇帝は驚く。
闇帝カイテルは一人っ子の為、残念ながら兄妹愛など全く分からない。
「先に闇を払いましょう。」
闇帝カイテルは持って来た球体に手を翳し短く詠唱すると部屋を満たしていた闇は球体に吸い込まれて行く。
透明だった球体は真っ黒になってしまった。
「浄化…」
闇帝が呟くと球体は元の透明な球体に戻った。
それと同時にアリアの部屋も元に戻り窓からは陽の光が射し込んだ。
ただアリアの周りだけはまだ黒い物が纏わり付いていた。
アリアは床を凝視してずっと同じ事を呟いていた。
「私は悪くない…私は悪くない…あの人さえ居なければ…私は悪くない…私は…」
「これはかなりキテマスネ…」
「何で最後が片言何ですか!」
「いや、久しぶりにこんなに闇に塗れた人を見たのでつい…兎に角、アリアさんをこの玉に入れて浄化します。時間は掛かるかもしれないですが、これが一番確実です。」
クロードは頷くとアリアを浮遊させて玉に入れた。
玉にはいったアリアは最初はかなり暴れていたものの暫くすると糸が切れた人形の様に動かなくなった。
「アリアさんは暫く預かりますね。」
「ありがとうございます。」
闇帝はアリアが入った玉を持って帰って行った。
一部始終をウィリアムとナディアに話して聞かせ、クロードもエデンに戻った。
_______________________________________
※人物紹介予告
最初は帝達をと思ったのですが、風帝と光帝のイメージが固まらず次回はルナ→土帝→ラウ(人型バージョン)何故なら…作者動物描くのが苦手でこざいます。
御容赦下さい。
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