うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

文字の大きさ
97 / 125
人類の存続

2-39

しおりを挟む

ニナが通った後は分かりやすかった。
ジャイアントアントが倒れているからだ。

「ニナは真ん中を行った様ですね?俺達はどうしますか?左右で別れます?」

「あぁ、あのチビに負けてられねえからな!俺は右だ!」
ラファイは右に入っていった。

「なら俺は左ですね、さて…やりますか?」
クロードは首をコキコキと鳴らした。
うーんと伸びをすると掌を地面に付けた。

「俺の勝ちです。」
緑に光る魔法陣を発動するとそこから地割れの様な物が四方八方に伸びていく。

「さて、俺はゆっくり行きましょう。」
クロードは辺りを観察しながらゆっくりと進んで行った。
一方、ラファイは炎魔法で次々とジャイアントアントを倒して進んでいた。
ニナも同じくまたチョップで倒して楽しそうに進んでいた。
しかし、暫くするとラファイとニナの足は止まった。

「もうっ!!何これ?!こんなの狡っ子だよ!!」
ニナは頬をプクッと膨らませた。

「やられたな…」
ラファイは頭を掻き苦笑いを漏らした。
ラファイとニナの行先には植物に下から貫かれたジャイアントアント達が居たからだ。

「ラファイ、そろそろ一掃出来たでしょう。帰りましょう。」

「あの餓鬼は良いのかよ?」

「これ以上関わると面倒そうなので…」

「だな…」
クロウが父親なんて冗談じゃない。
関わらないのが一番と二人は直ぐにエデンに転移した。
帝達に事のあらましを報告し、後日土帝達が洞窟を埋めに行く事となった。
その後、残されたニナは笑っていた。

「め~え、め~え…森の子ヤギ、森の子ヤギ…子ヤギ走れば株子に当たる…当たりゃあんよがあぁぁ痛い、そこで子ヤギは…」

「どうしました、ニナ?随分楽しそうですね?」

「パパ!あのお兄ちゃん滅茶苦茶なんだぁ!僕凄く楽しかったよぉ!」

「それは良かったですね。」

「ねえパパ?あのお兄ちゃん達…食べて良い?」
ニナはゾッとする笑顔でクロウを見た。

「ダメですよ。あれは私の玩具です。幾らニナでも許しませんよ。」

「チェッ!つまんなぁい!あんなに強い人間ってどんな味がするんだろうね?あっ!でも駄目だね、そんな事したら僕がパパに殺されちゃうもん。」

「帰りますよニナ。」

「はぁい!!また遊びたいなぁ~!」
クロウとニナは闇に溶けた。

「何じゃと?!クロウに子が居たのか?!」
帝達は驚きを隠せなかった。

「じゃあさぁ、母親は誰なの?見た目は人間だったんでしょ?」

「分かりません。クロウの子供ニナについては謎です。後でルナに聞いてみます。」
魔人は個体で子供を成せるのでしょうか?
それも無いとは言えない話ですね。

「クロード様、楓ちゃんはどうしたんじゃ?」

「楓は公爵夫人としての教育が始まるので家に帰ってますよ。」

「何じゃ…寂しいのぅ。楓ちゃんの茶が飲めんのかぁ。」
全く土帝は楓贔屓ですね?

「ねえそのニナに僕達が遭遇したらどうするの?殺して良いの?」
風帝は何故かワクワクしながら聞いてくる。

「いえ、逃げて下さい。」

「えっ?何で?クロウの子でしょ?生かしといたらヤバいんじゃないの?」

「ニナの強さは俺もラファイも目の前で見ています。」
クロードはラファイを見る。

「あぁ、俺らが勝てる相手じゃねえよ…今はな?今は俺達が束で掛かって勝てるかどうかだ。」

「なるほどね、強くなれって事だね!分かった。」

「強くなると言っても私達より強い者と戦わなくてはいけないのでしょ?ガイバーオーガを待ってばかりは居られませんわ。」

「水帝の言う通りです。皆さん常に魔力を練る事をしては如何ですか?」

「何それ?どうやるの?」

「コレにはちょっとコツが必要なので魔力操作や魔法を発動する時に時間短縮にもなります。まず掌に魔力を集中させます。」
クロードが掌をだすとソコには薄紫のクロードの魔力が大きく渦巻く。

「ここから更に…」
クロードは更に集中すると大きく渦巻いていたクロードの魔力は飴玉程まで縮小された。

「こんな風にするんです。慣れたら形を変える…」
今度は針の様に変化した。

「コレを投げれば帝宮位なら吹っ飛びますよ?」
魔力を操りながら風帝を見た瞬間…

ードゴォォォォォオン!!

クロードの執務室が半壊した。

「えー!これ難しいよー!」
自分の掌を睨みながら風帝は言うが、半壊した執務室を他の帝達は引き攣った顔で見ていた。
今後帝達がこの練習を始めると帝宮の至る所で爆音が響く日々が始まり、修復班は振り回され責任者のモニカから苦情が来たのだった。
それでも止まない破壊音にモニカの夫である帝宮の主治医であるアルシュが泣きついて来た。
モニカの機嫌が毎日悪いから何とかしてくれと…いや、元凶が俺なので何とも言えなかった。
一月もすると破壊音は聞こえなくなって来た。
偶に風帝や光帝がやらかすが、他の帝達は魔力操作をマスターしていった。
常に魔力を使い続ければ少なからず魔力量が増えて行くだろう。
ある日、風帝が真剣な顔で言ってきた。

「クロード様!古代魔法を教えて下さい!!」

「えっ?」

「古代魔法が使えないとガイバーオーガにすら勝てないでしょ?古代魔法を使えるのはクロード様と土帝だけ、俺も古代魔法を使いたい!」

「そう言われましても…」
風帝は分かって居るのでしょうか?
土帝程長く生きた人がやっと古代魔法を1回だけ発動で倒れてしまう意味を。

「頼むよ!総帝様!!」

「答えから言うと風帝では無理です。」

「何で!!」
風帝は机を叩いた。

「圧倒的に魔力量が足りないんですよ。教える事は出来ますが発動すら出来ないですし、詠唱の間に倒れてしまいますよ?」
風帝は顔を歪めた。
強くなりたいと思う風帝の気持ちは分かりますが、こればかりはどうにもならない。

「やってみなきゃ分からないじゃない?!一回で良いんだ!お願いします!!」

「はぁ…分かりました。一回だけですよ?」

「やったーぁ!!ありがとうクロード様!!」
こうして風帝に古代魔法を教える事となった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...