99 / 125
人類の存続
2-41
しおりを挟む「ウィンドカッター!!」
「ウィンドカッター!!」
「ウィンドカッターぁぁぁぁあ!!」
風帝フールはハァハァと息をしながら倒れた。
「では次は二連でウィンドカッターを出してみましょう。」
ニッコリと笑うクロード、げっそりとするフール。
フールはクロードに稽古を申し込んだのだが、既に後悔し始めている。
「こうです。」
クロードは二連のウィンドカッターを作り出したがフールの思っていた二連と違っていた。
クロードが出した二連の方が格段に難しいのだ。
クロードは片手でウィンドカッターを上下二段に作り出していた。
「クソーぉ!!」
ルーフは掌に魔力を集中させると風が集まり出す…しかし、先程までウィンドカッターを撃ちまくったルーフの疲労は激しく直ぐに集中力が切れてしまい集まった風は弾き飛びその反動でルーフも弾け飛んだ。
「痛つ…」
「今日はここまでですかね?」
「まだ…まだやれるよ!」
「無理じゃよ。」
そこに見学していた土帝が闘技場に降りてきた。
「もう魔力切れじゃ。少し休みんしゃい。」
ルーフはプイッと顔を反らすと見学席へと登って行った。
「中々苦戦しとるようじゃのぉ?」
「でもルーフも頑張ってますよ?ウィンドカッターの威力は上がって来ましたし、命中率も上がりました。」
クロードによって空間をかなり広げられた闘技場の遥か彼方にある的だろう物を見て土帝は溜息を吐いた。
「お主も鬼じゃのぉ…あんな的儂じゃ見えんわい。」
「そうですか?俺の時はこの倍でしたよ?」
土帝はラウを思い浮かべ更なる鬼が居た事を思い出した。
故に、クロードの認識も少し…否、かなりズレている。
「例えイリスとてあの距離の的に攻撃を当てろと言うのは無理難題なんじゃよ。お主と一緒にしとったらルーフが死んでしまうじゃろ…」
呆れ顔で土帝はクロードを見ると、クロードはそうだったのかとショックを受けた顔をしていた。
「今度はもう少し的を近くにします!」
「そうしてやりんさい。所で、儂と一戦やらんかの?」
「良いですよ。」
「ルールは無しじゃ、儂の古代魔法を受けたお前さんが見てみたいのじゃよ。」
「分かりました。俺も一度古代魔法を受けてみたいと思っていたんです!」
ワクワクしているクロードを見た土帝はこれは本気でやらねばと思った。
二人は闘技場の中央で向かい合う。
「儂は一発で倒れるからのぉ。全力のをお見舞いしてやろう。」
「はい!楽しみにしてます!」
「ほんじゃ、行くぞい!古代魔法…大地の憤怒…」
巨大な地面が土帝と共に浮き上がりクロードに向かって落ちてくる。
「うわー!凄いですね?古代魔法…連弩…」
クロードは飛び上がり降ってくる大地の底に触れると魔法陣が浮かび出す。
直ぐに着地し、地面に両手を当てる。
「フルール…」
クロードの手から先の地面にピンクの花が咲き誇り花畑の様になっていた。
「古代魔法…花葬…」
ブワァァァァァアとピンクの花が舞い上がり一枚一枚が刃物になっている様で数えきれない花弁が大地と土帝を押し返し、大地を粉々にして行く。
ピンクの花弁は大地に付けた魔法陣を中心に向かって行った。
「くうっ!トリプル詠唱じゃと?!」
忽ち大地は崩れ土帝も落ちて来た。
ホイっと着地すると土帝は言った通り倒れた。
「ハァハァ…お主、儂が怪我せんように手を抜きおったな?本来ならあの魔法陣は儂に付けるもんじゃろ?」
「バレましたか?土帝を殺すつもりはありませんからね?敵なら確実に殺ってますよ?」
「ふんっ、お主ならクロウも倒せるじゃろ?」
「分かりません…でもクロウと戦う事があるのなら、俺の魔力が切れるまで古代魔法使い続けてやりますよ。」
「ガッハッハッ!儂らの総帝様は恐ろしいのぅ。戦わないに越したことはない。ルーフの稽古頼んだぞ?」
「はい、分かってますよ。」
「土帝だけ狡いですわよ、クロード様と手合わせなど!」
「わ、私はクロード様と戦いたく無いです!」
「僕も勝てません!」
「私だって勝てないわよ!見たでしょ?古代魔法のトリプル詠唱よ?」
誰だって勝てないわ!とプンプンしている水帝。
いつの間にか帝達も来ていたらしい。
「俺はクロードとやりたてえがな?」
ラファイはニヤリと笑った。
「そのヤル気をガイバーオーガに向けて下さいね!」
クロードは闘技場から出ると窓を開けた。
「雪魔法…雪手紙…」
クロードの掌から雪がハラハラと飛んで行った。
「楓に手紙か?」
後ろからラファイが階段を登ってきた。
「はい、余り会えないので手紙位は毎日送らないと。」
「楓は喜んでんだろうな?」
「そうですかね?寂しい思いばかりさせてしまっています。」
「雪手紙だぞ?そうそう貰えるもんじゃねえ。」
雪手紙は送り主の思いを乗せて飛んで行く。
相手に届くと送り主の声と共に美しい雪の結晶がキラキラと降り注ぐ。
幻想的で熱烈な手紙だ。
しかも誰でも使える訳では無いのがまた女心を掴む。
魔力もさる事ながら、心から愛する者にしか雪は手紙を届けてはくれないからだ。
「楓が喜んでくれたらそれで良いです。」
「惚気んな。」
「むっ、惚気けてませんよ。明日は朝早いですからね!」
「分かってる。アスタナに行くんだろ?」
「はい、ちょっと気になる報告が上がって来ていたので。」
アスタナ王国はエデンがあるガリル王国とは真反対にある為、朝早くからの出発となった。
クロードに同行するのはラファイ、カイテル、ガライル、フールの男性陣である。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる