うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

文字の大きさ
122 / 125
領土奪還

3-15

しおりを挟む

数日後、クロードはラファイを伴って北の端の辺境を訪れた。
魔物の脅威からか民は結界の中心に集中し、結界の端は荒地となっていた。

「もう少し結界を広げますか。」

「そうして頂けたら助かりますわ。とても農地にするには土地が足りませんもの。」
クロードは土を一掴みするとサラサラと風に乗って行くのを眺めた。

「余りにも農地には向かない土ですねやはり…。」

「不毛の地、土は赤土ですもの…仕方ありませんわ。ガライルにお願いすれば後は私とガライル2人で土を作りますわ。」

「ありがとう…。」
総帝と言っても無力だ…。
クロードは結界を更に広げる作業に移った。

「この位で大丈夫でしょうか?」

「そうですわね、農地と農民の住居の確保ですから後はガライルと私で農地を作ってみて足りなければまたお願いしますわ。」

「分かりました、私は少し討伐に行ってきます。ラファイに伝えておいて下さい。」

「分かりましたわ。」
リナリアは去って行くクロードに眉を下げた。

「討伐でもしていないと…どうにもならないのですわね。」
クロードは南に向かった。

「はぁ…ここもですか…。」
南の地にはダークウルフの群れがじんどっていた。
ダークウルフは個体の戦闘力は低いものの、如何せん繁殖力が強い為、群れとなると数がかなり多いのだ。
比較的南は森が多い、出来れば確保しておきたい所だ。

ーグルル…

「あぁ、気付かれましたか。」
群れのボス、1番大きな個体が唸る。

「一気に殲滅しますか…。」
ダークウルフの群れを見下ろす形で浮遊しているクロードの下は群れで真っ黒だ。

「ここは光魔法ですね、閃光…乱反射。」
クロードが手を翳すと群れを覆う様に光の膜が現れその中で光の線が幾つも乱反射してダークウルフを貫いていった。

「殲滅完了ですね。」

「完了じゃねぇよ!!」

ーゴチンッ!!

「痛い!!」

「だろうな、殴ったからな。」
クロードは恨めしげにラファイを見た。

「てめぇ、総帝様が1人でうごくんじゃねぇって何度も言っただろうが!!」

「皆忙しいんですし、この位なら…。」

「この位とか関係ねぇんだよ!」

「はい…。」
クロードは頭を撫でながら仕方なく返事をした。

「気持ちは分かるがな…。あとな、王女が帝宮に祈りに来るとよ。」

「え?王女が?何故ですか?」

「建前だろ?お前が目覚めて領地を広げ始めた。王族も何かしないと民に示しがつかないんだよ。まだ一日パン一つの罰は続いてりるしな、それも何とかしたいんじゃねぇの?」
なるほど…現実祈りなどなんの意味も無いのですがね…。

「王女は私達で迎えましょう。」

「は?帝自ら迎えるのかよ??」
ラファイは思わず声を上げた。
帝は王族よりも身分が高い上、そうそう会える者でもない。

「様子見です。王女が来るんですよ?何かあると思いませんか?」

「ゔ!」
ラファイも同じ事を思って居たらしく唸った。

「で?いつ来るんですか?」

「明日だ…。」
ラファイは心底面倒臭い顔をした。

「また急ですね、まぁいいでしょう。」
ガライルとリナリアの様子を見て一度帰る事にした。





次章

王族と帝と民と…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...