うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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王族と帝と民と…

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その日、王女はとてもウキウキしていた。

「王女様、今日はとてもご機嫌が麗しくてございますね?」
侍女に髪を結われながら鼻歌を歌っていた。

「ふふ、分かる?」

「えぇ。」
今日は帝様達が居られる帝宮にお祈りに行くのよ!
憧れの総帝様…お父様達は食料を減らされ何か文句を言っているけど私には関係ないわ!
だって、総帝様って凄く美形なんだと聞いたわ。
前の戦で光帝様が亡くなられたと教師から聞いたけど、もうあの頃の帝様達は生きて居ないでしょ?

「王女様、馬車の準備が整いました。」

「分かったわ、直ぐに参ります。」
私は密かな恋心を胸に馬車に乗り込んだ。




帝宮ではフールが駄々を捏ねていた。

「嫌だ!何で王女何か出迎えるの?!クロード様だって嫌でしょ?」

「確かに…思う所はありますが。王族は面倒なので出迎えくらいしておけば後は放置しても問題ないでしょう?」

「おい!本音がダダ漏れだ!」
すかさずラファイが突っ込んだ。

「あら、そんなに嫌ならカイテルに頼むわよ?」

「え?何でカイテルなんだよ?」
フールはリナリアを睨んだ。

「カイテル確か人形を使って人を操る呪いありましたわよね?」

「ある。」

「ちょっ!ま、待って!!そんな事されるなら王女迎えるよ!!」

「話が早くて助かるわ、フール。」
ふふ、と笑うリナリアを心底憎いと思ったフールだった。

「そろそろじゃねぇか?」

「さぁ、行きますよ。」
帝達は宮の入口に向かった、と言っても王女到着と同時に転移した。
さて、どんな王女が来るんですかね?
何時かの王女みたいのではたまったもんじゃありません。
急に転移してきた帝達に王女は声を上げた。

「きゃあ!」

「王女、良く来られた。我ら帝一同歓迎しよう。では侍女が祈りの間に案内する。では。」
それだけクロードが言うとまた帝達は消えてしまった。

「えっ?それだけ?」
王女はあまりに簡単な挨拶に呆気に取られた。
その後はあれよあれよという間に祈りの間に連れて行かれ、よく分からないうちに祈りの姿勢をしていた。

「ちょっと、貴方!」

「はい。」
扉に控える侍女を呼ぶ。

「次はいつ総帝様に会えますの?」
侍女は固まった。

「王女殿下、帝様方はお忙しく滅多にお会い出来るものではございません。」
侍女は思った、いっかいの王女がまた帝様に会えると思っているとは。

「では、私の部屋はどこ?」

「はい?」

「だから、私が泊まる部屋よ!」
侍女は少し考えながら頭を下げた。

「王女殿下が宮に滞在なさると言うご命令は私共伺っておりません。」

「なんですって?!」
王女は祈りもせずに祈りの間を飛び出した。
長い廊下で会う使用人を片っ端から捕まえて帝達の居場所を聞いて回った。

「ハァハァ、何で誰も帝様が何処に居るかしらないのよ…。」
実は王女は何度もクロードの執務室の前を通っていた。
ただ、クロードの結界でそこに部屋があると認識出来なかっただけだった。

「おい、あの王女大丈夫かよ?」

「ダメでしょ!アウトだよ!完全アウト!」

「ラファイとフール。言葉を選んで下さい?一応王女なのですから。」
ニッコリ笑うクロードの言葉にも棘がある。

「ラウは森に居るから良いんです。ルナが怒ってしまって凄いんですよ?王女は私になんの恨みがあるんでしょうか?」
恋心ですよ?…とは流石にリナリアも言えなかった。
珍しく隠してはいるけどクロードが不機嫌だからだ。

ーコンコン…

「誰だ。」

「侍女長でございます。」

「そこで要件を述べろ。」

「はい…。」
侍女長の要件はこうだ。
王女が自分は宮に滞在すると言い張り、部屋を用意しろと侍女達に詰め寄り。
侍女達が侍女長に泣きつき、侍女長が相談に来たのだ。

「あの女ぁー!!祈りもしないでよくも!!」
いきなりルナが現れて怒鳴り出した。

「ルナ、祈って無いとは?」

「クロード!!私ずっと見張ってたのよあの王女を!!そしたら祈りもしないでクロード達は何処だとか言い出したのよ!!許せないーー!!」
キー!とハンカチを噛むルナは相当王女が気に入らないらしい。

「ルナ?落ち着いて下さい。」

「王女は何しにきたの?!祈りに来たんじゃないの?!」

「目的は何なのか…。」
怒り心頭のルナとフール、思案顔のラファイ。

「またろくでもないこと考えているんじゃくて?」

「なんじゃ~やっぱ王族は面倒じゃのぉ。儂も王族嫌い。」
嫌そうに顔を顰めるリナリアとガライル。
カイテルは無言ですが…いい顔はしてません。
これ程帝達が王族を嫌うのも…この先良くないと思っていますが、如何せん私も王族は余り関わりたくないのでどうしたものでしょう。
今は兎に角王女ですね?
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