124 / 125
王族と帝と民と…
4-2
しおりを挟む
その日、王女はとてもウキウキしていた。
「王女様、今日はとてもご機嫌が麗しくてございますね?」
侍女に髪を結われながら鼻歌を歌っていた。
「ふふ、分かる?」
「えぇ。」
今日は帝様達が居られる帝宮にお祈りに行くのよ!
憧れの総帝様…お父様達は食料を減らされ何か文句を言っているけど私には関係ないわ!
だって、総帝様って凄く美形なんだと聞いたわ。
前の戦で光帝様が亡くなられたと教師から聞いたけど、もうあの頃の帝様達は生きて居ないでしょ?
「王女様、馬車の準備が整いました。」
「分かったわ、直ぐに参ります。」
私は密かな恋心を胸に馬車に乗り込んだ。
◆
帝宮ではフールが駄々を捏ねていた。
「嫌だ!何で王女何か出迎えるの?!クロード様だって嫌でしょ?」
「確かに…思う所はありますが。王族は面倒なので出迎えくらいしておけば後は放置しても問題ないでしょう?」
「おい!本音がダダ漏れだ!」
すかさずラファイが突っ込んだ。
「あら、そんなに嫌ならカイテルに頼むわよ?」
「え?何でカイテルなんだよ?」
フールはリナリアを睨んだ。
「カイテル確か人形を使って人を操る呪いありましたわよね?」
「ある。」
「ちょっ!ま、待って!!そんな事されるなら王女迎えるよ!!」
「話が早くて助かるわ、フール。」
ふふ、と笑うリナリアを心底憎いと思ったフールだった。
「そろそろじゃねぇか?」
「さぁ、行きますよ。」
帝達は宮の入口に向かった、と言っても王女到着と同時に転移した。
さて、どんな王女が来るんですかね?
何時かの王女みたいのではたまったもんじゃありません。
急に転移してきた帝達に王女は声を上げた。
「きゃあ!」
「王女、良く来られた。我ら帝一同歓迎しよう。では侍女が祈りの間に案内する。では。」
それだけクロードが言うとまた帝達は消えてしまった。
「えっ?それだけ?」
王女はあまりに簡単な挨拶に呆気に取られた。
その後はあれよあれよという間に祈りの間に連れて行かれ、よく分からないうちに祈りの姿勢をしていた。
「ちょっと、貴方!」
「はい。」
扉に控える侍女を呼ぶ。
「次はいつ総帝様に会えますの?」
侍女は固まった。
「王女殿下、帝様方はお忙しく滅多にお会い出来るものではございません。」
侍女は思った、いっかいの王女がまた帝様に会えると思っているとは。
「では、私の部屋はどこ?」
「はい?」
「だから、私が泊まる部屋よ!」
侍女は少し考えながら頭を下げた。
「王女殿下が宮に滞在なさると言うご命令は私共伺っておりません。」
「なんですって?!」
王女は祈りもせずに祈りの間を飛び出した。
長い廊下で会う使用人を片っ端から捕まえて帝達の居場所を聞いて回った。
「ハァハァ、何で誰も帝様が何処に居るかしらないのよ…。」
実は王女は何度もクロードの執務室の前を通っていた。
ただ、クロードの結界でそこに部屋があると認識出来なかっただけだった。
「おい、あの王女大丈夫かよ?」
「ダメでしょ!アウトだよ!完全アウト!」
「ラファイとフール。言葉を選んで下さい?一応王女なのですから。」
ニッコリ笑うクロードの言葉にも棘がある。
「ラウは森に居るから良いんです。ルナが怒ってしまって凄いんですよ?王女は私になんの恨みがあるんでしょうか?」
恋心ですよ?…とは流石にリナリアも言えなかった。
珍しく隠してはいるけどクロードが不機嫌だからだ。
ーコンコン…
「誰だ。」
「侍女長でございます。」
「そこで要件を述べろ。」
「はい…。」
侍女長の要件はこうだ。
王女が自分は宮に滞在すると言い張り、部屋を用意しろと侍女達に詰め寄り。
侍女達が侍女長に泣きつき、侍女長が相談に来たのだ。
「あの女ぁー!!祈りもしないでよくも!!」
いきなりルナが現れて怒鳴り出した。
「ルナ、祈って無いとは?」
「クロード!!私ずっと見張ってたのよあの王女を!!そしたら祈りもしないでクロード達は何処だとか言い出したのよ!!許せないーー!!」
キー!とハンカチを噛むルナは相当王女が気に入らないらしい。
「ルナ?落ち着いて下さい。」
「王女は何しにきたの?!祈りに来たんじゃないの?!」
「目的は何なのか…。」
怒り心頭のルナとフール、思案顔のラファイ。
「またろくでもないこと考えているんじゃくて?」
「なんじゃ~やっぱ王族は面倒じゃのぉ。儂も王族嫌い。」
嫌そうに顔を顰めるリナリアとガライル。
カイテルは無言ですが…いい顔はしてません。
これ程帝達が王族を嫌うのも…この先良くないと思っていますが、如何せん私も王族は余り関わりたくないのでどうしたものでしょう。
今は兎に角王女ですね?
「王女様、今日はとてもご機嫌が麗しくてございますね?」
侍女に髪を結われながら鼻歌を歌っていた。
「ふふ、分かる?」
「えぇ。」
今日は帝様達が居られる帝宮にお祈りに行くのよ!
憧れの総帝様…お父様達は食料を減らされ何か文句を言っているけど私には関係ないわ!
だって、総帝様って凄く美形なんだと聞いたわ。
前の戦で光帝様が亡くなられたと教師から聞いたけど、もうあの頃の帝様達は生きて居ないでしょ?
「王女様、馬車の準備が整いました。」
「分かったわ、直ぐに参ります。」
私は密かな恋心を胸に馬車に乗り込んだ。
◆
帝宮ではフールが駄々を捏ねていた。
「嫌だ!何で王女何か出迎えるの?!クロード様だって嫌でしょ?」
「確かに…思う所はありますが。王族は面倒なので出迎えくらいしておけば後は放置しても問題ないでしょう?」
「おい!本音がダダ漏れだ!」
すかさずラファイが突っ込んだ。
「あら、そんなに嫌ならカイテルに頼むわよ?」
「え?何でカイテルなんだよ?」
フールはリナリアを睨んだ。
「カイテル確か人形を使って人を操る呪いありましたわよね?」
「ある。」
「ちょっ!ま、待って!!そんな事されるなら王女迎えるよ!!」
「話が早くて助かるわ、フール。」
ふふ、と笑うリナリアを心底憎いと思ったフールだった。
「そろそろじゃねぇか?」
「さぁ、行きますよ。」
帝達は宮の入口に向かった、と言っても王女到着と同時に転移した。
さて、どんな王女が来るんですかね?
何時かの王女みたいのではたまったもんじゃありません。
急に転移してきた帝達に王女は声を上げた。
「きゃあ!」
「王女、良く来られた。我ら帝一同歓迎しよう。では侍女が祈りの間に案内する。では。」
それだけクロードが言うとまた帝達は消えてしまった。
「えっ?それだけ?」
王女はあまりに簡単な挨拶に呆気に取られた。
その後はあれよあれよという間に祈りの間に連れて行かれ、よく分からないうちに祈りの姿勢をしていた。
「ちょっと、貴方!」
「はい。」
扉に控える侍女を呼ぶ。
「次はいつ総帝様に会えますの?」
侍女は固まった。
「王女殿下、帝様方はお忙しく滅多にお会い出来るものではございません。」
侍女は思った、いっかいの王女がまた帝様に会えると思っているとは。
「では、私の部屋はどこ?」
「はい?」
「だから、私が泊まる部屋よ!」
侍女は少し考えながら頭を下げた。
「王女殿下が宮に滞在なさると言うご命令は私共伺っておりません。」
「なんですって?!」
王女は祈りもせずに祈りの間を飛び出した。
長い廊下で会う使用人を片っ端から捕まえて帝達の居場所を聞いて回った。
「ハァハァ、何で誰も帝様が何処に居るかしらないのよ…。」
実は王女は何度もクロードの執務室の前を通っていた。
ただ、クロードの結界でそこに部屋があると認識出来なかっただけだった。
「おい、あの王女大丈夫かよ?」
「ダメでしょ!アウトだよ!完全アウト!」
「ラファイとフール。言葉を選んで下さい?一応王女なのですから。」
ニッコリ笑うクロードの言葉にも棘がある。
「ラウは森に居るから良いんです。ルナが怒ってしまって凄いんですよ?王女は私になんの恨みがあるんでしょうか?」
恋心ですよ?…とは流石にリナリアも言えなかった。
珍しく隠してはいるけどクロードが不機嫌だからだ。
ーコンコン…
「誰だ。」
「侍女長でございます。」
「そこで要件を述べろ。」
「はい…。」
侍女長の要件はこうだ。
王女が自分は宮に滞在すると言い張り、部屋を用意しろと侍女達に詰め寄り。
侍女達が侍女長に泣きつき、侍女長が相談に来たのだ。
「あの女ぁー!!祈りもしないでよくも!!」
いきなりルナが現れて怒鳴り出した。
「ルナ、祈って無いとは?」
「クロード!!私ずっと見張ってたのよあの王女を!!そしたら祈りもしないでクロード達は何処だとか言い出したのよ!!許せないーー!!」
キー!とハンカチを噛むルナは相当王女が気に入らないらしい。
「ルナ?落ち着いて下さい。」
「王女は何しにきたの?!祈りに来たんじゃないの?!」
「目的は何なのか…。」
怒り心頭のルナとフール、思案顔のラファイ。
「またろくでもないこと考えているんじゃくて?」
「なんじゃ~やっぱ王族は面倒じゃのぉ。儂も王族嫌い。」
嫌そうに顔を顰めるリナリアとガライル。
カイテルは無言ですが…いい顔はしてません。
これ程帝達が王族を嫌うのも…この先良くないと思っていますが、如何せん私も王族は余り関わりたくないのでどうしたものでしょう。
今は兎に角王女ですね?
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる