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【第4世:五等爵とは】
終わりの時(鈴木視点)
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「私が留守の間に何が起きたんですか?」
俺が私用で会社を空けているほんの数時間の間に、社長室に光を射し込む唯一の大窓は粉々に砕け散っていた。
部屋中には高層階特有の突風が吹き荒れ、書類は吹き飛び、ガラスの破片はいたるところに散乱して、散々なことになっていた。
その惨事は仕事をサボってい遊んでいたから起きたなど、そんな生温い状況ではなく明らかに良くないことが起こった後だった。
「社長、何があったのですか?」
割れた窓ガラスの外を見つめたまま床に座り込んでいる社長に近づくとに、社長はゆっくりと俺の方を向いてヘラリと不気味に笑った。
そして、今にも泣きそうな声で言ったのだ。
「…鈴木、私のせいなのかな…?」と。
その表情ひとつでこの状況がただ窓ガラスを割っただけの話ではないことを察した。
このまま社長に問いかけ続けては、何か触れてはいけないものに触れてしまいそうな気がして、質問をする対象を社長からモチーフに代えた。
「何があった?」
「……………五等爵が…」
言葉を詰まらせるようにおずおずと発したモチーフから出た単語、『五等爵』。
それだけで俺はすべてを察した。
「なんだと…?なんでアイツらが…」
「来たのはビスコだけでした」
「ヴァイカウントか…。今はどこにいる」
「あ………、…」
一瞬、発しようとした言葉を詰まらせ、言うか言うまいか目を泳がせたモチーフは、おずおずと言いにくそうに言葉を続けた。
「……綾小路さんと一緒に落ちました」
その一言でこの窓ガラスが割れている理由を俺はようやく理解した。
俺は身を乗り出して窓ガラスの下を覗こうとしたが、高層40階からの風が今にも俺までその大きな口の中に飲み込まれそうになって近づくことすら困難だった。
「くそ…!」
覗き込むことを諦めた俺は、綾小路の安否を確かめに行こうと部屋の出口に足先を向けた。
すると、ソファーに座って俯く兄貴の姿が視界の隅に映りこんだ。
俯いたままの兄貴は俺を見ようともしない、ただ黙ってうなだれるように俯いたまま。
俺はその兄貴の態度に沸々と怒りが込み上げた。
「おまえは何をやってたんだ!うなだれている場合じゃないだろ!何の為に社長の傍にいたんだ!役立たずが!だから、俺はおまえが嫌いなんだ!おまえはいつも肝心なときに………!」
次々と吐き出る兄貴への罵倒。俺は自分が大事なときにこの場にいなかった悔しさからか、…はたまたいつの日かの過去のことを思い出しているのか…。
その悔しさとか不安とか、溢れるもの全部を怒りに乗せて感情のまま兄貴にぶちまけてしまった。
しかし、罵声のような俺のその言葉にも兄貴は俯いたままこちらを見ようともせず、ただただ黙って俯いていた。その反応に俺はさらに腹を立てる。
「少しはこっちを向いたらどうなんだ…!」
「鈴木さん」
そこに俺を静止しに入ったのはモチーフだった。
俺の肩を手でそっと抑え、これ以上この状況下で飛ばす罵声は兄貴だけではなく全員の心に刺さる……そう伝えたかったのか、モチーフはより一層いつもの笑顔を深めた。
「気持ちはわかりますが怒鳴らないでください。東大寺さんも…僕も、誰も、こうなることは予想できなかったんですから」
「でも、兄貴がいながらどうしてこんなことに……!」
「僕が東大寺さんに赤木さんを呼んできてもらうように頼んだんです。何せ相手は五等爵…、僕の弟でしたから。そして、肝心なときにいなかったのは貴方も同じです、鈴木さん。貴方に東大寺さんを責める権利はないはずです」
そう俺に言ったモチーフの顔はいつもの笑顔だったが、その笑顔の奥にどこか何とも言えない暗いものを感じた。
それは怒りでもなく、威圧でもなく、何なのかはわからない。
モチーフの笑顔は時に恐ろしく感じるときがある。
「……そうだな。…とにかく、今は綾小路の安否を」
「…安否も何も、この高さやで?生きとる方が怖いやろ」
俺がどれだけ罵倒しても一切言い返さなかった兄貴がようやく口を開いた。
しかし、開いたかと思えば、鼻で笑うようにこの状況に開き直っている様子の兄貴。その態度がまた俺の鎮まった怒りを湧き上がらせる引き金には充分だった。
「…一応どこに落ちたとか、色々と確認する必要があるだろ」
「グチャグチャのぺっちゃんこになった肉の塊を?」
「おまえ……ッ!」
言葉にも程があるその発言に俺の身体はついに兄貴に向かって攻撃する。
片脚を振りかざしてその遠心力でもう片方の片脚を軸にして回った。いわゆる回し蹴りだ。
しかし、軌道に乗った俺の片脚はバスン!と勢い良く兄貴に向かって打たれたが、兄貴の片手で容易くその威力は止められてしまった。
「…ッ」
この男はいつだってそうだ。チャラそうなフリをして、飄々と過ごしているフリをして、本心は何を思って、何を隠してるのか全然わからない。教えてくれない。…弟の俺にさえも。
こんな俺の蹴りなんて、いつもふざけて受けていただけで、止めようと思えばいつでも止められた。
「殺す為に鍛えたその脚…、生温い生活に浸しすぎてふやけはったん?」
そう言ってケラケラと笑う兄貴の挑発ともいえるその言葉に、まんまと乗せられる俺も俺だが、何故この状況で俺をこうも煽るのか兄貴の意図がわからなかった。
いや、今だけではない。
俺はいつでも兄貴のことがわからないんだ。
「いい加減にしなよ!」
半分上ずった音で響いたその声は、俺と兄貴を止めるのに充分なものだった。
それが社長命令だったから。
「大チャン、なんでそんな煽るようなことばかり言うの?鈴木も!こんなところで兄弟喧嘩しないの!」
小さい社長は俺の足元ぐらいしかない身体で止めようと、俺の太ももにタックルをしてきた。
痛くはないものの不意のことだったせいで俺はバランスを崩し、俺の脚を支えていた兄貴も一緒に倒れた。
「いきなり訳のわからない五等爵とかいう奴が来たかと思えば!殺すだの、私は騙されてるだの、好き放題言いやがって!それなのに何もわからないままポチと落ちてしまうし!」
「社長、死者は労りましょう」
「人事みたいに言うな!元はと言えばお前らみんなで私に何か隠してるのが原因だろうが!一体何を隠してる!」
「…………本当に知りたいですか?」
…俺は真剣な顔で社長と向きあった。
社長はその俺の顔を見た瞬間、今から話すことは冗談ではないという意図を感じ取ってくれたようで、無言で頷いた。
社長も、兄貴も、モチーフも、皆がその時、この平和で、楽しくて、幸せだった"この時間"が終わりのときだと察した。
ついに、時間を忘れるほど素敵だったこれまでの月日に、年月に、別れを告げるそのときがきたのだ…。
ここらが潮時だと思った。
俺が私用で会社を空けているほんの数時間の間に、社長室に光を射し込む唯一の大窓は粉々に砕け散っていた。
部屋中には高層階特有の突風が吹き荒れ、書類は吹き飛び、ガラスの破片はいたるところに散乱して、散々なことになっていた。
その惨事は仕事をサボってい遊んでいたから起きたなど、そんな生温い状況ではなく明らかに良くないことが起こった後だった。
「社長、何があったのですか?」
割れた窓ガラスの外を見つめたまま床に座り込んでいる社長に近づくとに、社長はゆっくりと俺の方を向いてヘラリと不気味に笑った。
そして、今にも泣きそうな声で言ったのだ。
「…鈴木、私のせいなのかな…?」と。
その表情ひとつでこの状況がただ窓ガラスを割っただけの話ではないことを察した。
このまま社長に問いかけ続けては、何か触れてはいけないものに触れてしまいそうな気がして、質問をする対象を社長からモチーフに代えた。
「何があった?」
「……………五等爵が…」
言葉を詰まらせるようにおずおずと発したモチーフから出た単語、『五等爵』。
それだけで俺はすべてを察した。
「なんだと…?なんでアイツらが…」
「来たのはビスコだけでした」
「ヴァイカウントか…。今はどこにいる」
「あ………、…」
一瞬、発しようとした言葉を詰まらせ、言うか言うまいか目を泳がせたモチーフは、おずおずと言いにくそうに言葉を続けた。
「……綾小路さんと一緒に落ちました」
その一言でこの窓ガラスが割れている理由を俺はようやく理解した。
俺は身を乗り出して窓ガラスの下を覗こうとしたが、高層40階からの風が今にも俺までその大きな口の中に飲み込まれそうになって近づくことすら困難だった。
「くそ…!」
覗き込むことを諦めた俺は、綾小路の安否を確かめに行こうと部屋の出口に足先を向けた。
すると、ソファーに座って俯く兄貴の姿が視界の隅に映りこんだ。
俯いたままの兄貴は俺を見ようともしない、ただ黙ってうなだれるように俯いたまま。
俺はその兄貴の態度に沸々と怒りが込み上げた。
「おまえは何をやってたんだ!うなだれている場合じゃないだろ!何の為に社長の傍にいたんだ!役立たずが!だから、俺はおまえが嫌いなんだ!おまえはいつも肝心なときに………!」
次々と吐き出る兄貴への罵倒。俺は自分が大事なときにこの場にいなかった悔しさからか、…はたまたいつの日かの過去のことを思い出しているのか…。
その悔しさとか不安とか、溢れるもの全部を怒りに乗せて感情のまま兄貴にぶちまけてしまった。
しかし、罵声のような俺のその言葉にも兄貴は俯いたままこちらを見ようともせず、ただただ黙って俯いていた。その反応に俺はさらに腹を立てる。
「少しはこっちを向いたらどうなんだ…!」
「鈴木さん」
そこに俺を静止しに入ったのはモチーフだった。
俺の肩を手でそっと抑え、これ以上この状況下で飛ばす罵声は兄貴だけではなく全員の心に刺さる……そう伝えたかったのか、モチーフはより一層いつもの笑顔を深めた。
「気持ちはわかりますが怒鳴らないでください。東大寺さんも…僕も、誰も、こうなることは予想できなかったんですから」
「でも、兄貴がいながらどうしてこんなことに……!」
「僕が東大寺さんに赤木さんを呼んできてもらうように頼んだんです。何せ相手は五等爵…、僕の弟でしたから。そして、肝心なときにいなかったのは貴方も同じです、鈴木さん。貴方に東大寺さんを責める権利はないはずです」
そう俺に言ったモチーフの顔はいつもの笑顔だったが、その笑顔の奥にどこか何とも言えない暗いものを感じた。
それは怒りでもなく、威圧でもなく、何なのかはわからない。
モチーフの笑顔は時に恐ろしく感じるときがある。
「……そうだな。…とにかく、今は綾小路の安否を」
「…安否も何も、この高さやで?生きとる方が怖いやろ」
俺がどれだけ罵倒しても一切言い返さなかった兄貴がようやく口を開いた。
しかし、開いたかと思えば、鼻で笑うようにこの状況に開き直っている様子の兄貴。その態度がまた俺の鎮まった怒りを湧き上がらせる引き金には充分だった。
「…一応どこに落ちたとか、色々と確認する必要があるだろ」
「グチャグチャのぺっちゃんこになった肉の塊を?」
「おまえ……ッ!」
言葉にも程があるその発言に俺の身体はついに兄貴に向かって攻撃する。
片脚を振りかざしてその遠心力でもう片方の片脚を軸にして回った。いわゆる回し蹴りだ。
しかし、軌道に乗った俺の片脚はバスン!と勢い良く兄貴に向かって打たれたが、兄貴の片手で容易くその威力は止められてしまった。
「…ッ」
この男はいつだってそうだ。チャラそうなフリをして、飄々と過ごしているフリをして、本心は何を思って、何を隠してるのか全然わからない。教えてくれない。…弟の俺にさえも。
こんな俺の蹴りなんて、いつもふざけて受けていただけで、止めようと思えばいつでも止められた。
「殺す為に鍛えたその脚…、生温い生活に浸しすぎてふやけはったん?」
そう言ってケラケラと笑う兄貴の挑発ともいえるその言葉に、まんまと乗せられる俺も俺だが、何故この状況で俺をこうも煽るのか兄貴の意図がわからなかった。
いや、今だけではない。
俺はいつでも兄貴のことがわからないんだ。
「いい加減にしなよ!」
半分上ずった音で響いたその声は、俺と兄貴を止めるのに充分なものだった。
それが社長命令だったから。
「大チャン、なんでそんな煽るようなことばかり言うの?鈴木も!こんなところで兄弟喧嘩しないの!」
小さい社長は俺の足元ぐらいしかない身体で止めようと、俺の太ももにタックルをしてきた。
痛くはないものの不意のことだったせいで俺はバランスを崩し、俺の脚を支えていた兄貴も一緒に倒れた。
「いきなり訳のわからない五等爵とかいう奴が来たかと思えば!殺すだの、私は騙されてるだの、好き放題言いやがって!それなのに何もわからないままポチと落ちてしまうし!」
「社長、死者は労りましょう」
「人事みたいに言うな!元はと言えばお前らみんなで私に何か隠してるのが原因だろうが!一体何を隠してる!」
「…………本当に知りたいですか?」
…俺は真剣な顔で社長と向きあった。
社長はその俺の顔を見た瞬間、今から話すことは冗談ではないという意図を感じ取ってくれたようで、無言で頷いた。
社長も、兄貴も、モチーフも、皆がその時、この平和で、楽しくて、幸せだった"この時間"が終わりのときだと察した。
ついに、時間を忘れるほど素敵だったこれまでの月日に、年月に、別れを告げるそのときがきたのだ…。
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