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Chapter1
ヒルダとダンジョン 1
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『獣人を感知しましタ。来店歴有リ。武器ヲ所持していまス。腰に剣、コートやブーツの中に多数のナイフヲ所持』
魔導人形のハンナがいつものように外の気配を感知した。日に日に言葉が流暢になっている。最近は私たちの動きを真似て、より自然に動けるようになってきた。
クロロがちらっと店のドアのほうに目をやったあと、ハンナに向き直る。
「ハンナ、話すのずいぶんと上手くなったなぁ」
『クロロ様、ありがとウございまス』
ハンナはこのように言葉のやり取りもできるようにもなってきた。子供の成長をみる親の気持ちってこういうことなのかなと考えていると、乱暴にドアが開かれた。
「いつも言ってるでしょ。ドアは静かに開けなさい、ヘクトル」
「ああ、すまない。つい」
ヘクトルは悪びれた様子もなく客用のテーブルの椅子にどっかりと座った。そしてかぶっていた帽子をテーブルの上に置くと、懐から葉巻を取り出して火をつけた。それを見たクロロが指を小さく鳴らすと、ハンナは伸縮自在の鋭い爪を静かに伸ばして火のついた葉巻の先をその爪の一閃で切断した。宙に舞った葉巻の先をハンナが器用に握りつぶす。
「おっ? ああ、ここは禁煙だったか。にしてもすごい魔法だな、クロロ」
ここに何度も来ているヘクトルだが、ハンナのことはまだ教えていない。悪いやつではないから教えてもいいのだけど。
「ヘクトルは情報屋なのに、こういうことだけは物覚えが悪いなぁ」
「まぁ取捨選択というやつよ、クロロ」
ヘクトルはそう言うと、長い脚、いや足を組んで椅子の背もたれに大きくもたれかかった。
ヘクトルは狼男と人間の女の間に生まれた混血の半獣人だ。普段は狼に近い容姿だが、満月の夜だけは純粋な人間に変身する。いわゆる狼男とは真逆の性質を持っている奇妙な男だ。変身すると人間の女を寄せ付けるフェロモンを大量に出せるらしい。本人は自分の甘いマスクでおびき寄せていると言っているが、どちらでもいい。人間の女なんて私には興味がないから──
私は磨いていた骨董品をそっと元の場所に戻し、ヘクトルの向かいに座った。
「で、どうだったの? 例のダンジョンの情報はつかんだの?」
ヘクトルにはいつも新しいダンジョンやマジックアイテムなどの情報を集めてもらっている。今回は西の平原に新たに出現したダンジョンの情報収集を頼んであったのだ。
「ヒルダ、これはかなりやばいヤマだぞ」
ヘクトルは大きな耳をピクピクと動かした。ヘクトルが真剣な話をするときによくでる仕草だ。それを見たクロロがまた指を鳴らした。ハンナが店のドアの鍵をそっと閉める。ふたりの息のあったコンビネーションに舌を巻く。
「バーバラの先遣隊がダンジョンに潜ったきり帰還していない。もう五日目になる」
「五日だと? そんなことありえない」
「にわかに信じられないわね。あのバーバラの優秀な先遣隊に限って……」
バーバラは超一級のダンジョン攻略ギルドのマスターだ。バーバラの種族は鬼女で、種族差別をしないのが彼女のポリシーということもあり、彼女のギルドには多種多様な種族が自然と集まってくる。
「……まだダンジョン内で生存している可能性は?」
「ないだろうな。ヒルダ、お前も薄々わかってるのだろう?」
ヘクトルの目に冷たくて鋭い光が宿る。どう猛な野生の狼の目そのものだ。
ダンジョン攻略ギルドの先遣隊による調査期間は一日から二日が相場だ。二日にまたがる場合でも一旦は一日目に帰還することになっている。五日間も連絡なしに帰ってこないとなると、もう絶望的と考えていいだろう。
「くそぅ、先遣隊がエレナのギルドだったら良かったのに……よりによってバーバラが出した先遣隊だなんて」
ハイエルフのエレナ── 私がこの世で最も嫌いな名前。エルフと人間の連合で結成されたダンジョン攻略ギルドのマスター。彼女のギルドは政府筋にも通じていて、私利私欲にまみれた卑しい者どもが集まっている。
「実はそのエレナだが、本隊を三日後に潜らせるとのことだ」
「え!? なぜ調査権のあるバーバラのギルドを差し置いてエレナのギルドが……しかもいきなり本隊を潜らせるって。ギルド連合が許可したのか?」
ギルド連合とはダンジョンの探索、攻略、管理まで一手に担っている巨大組織である。連合にはダンジョン攻略ギルド、ダンジョン探索ギルドのようなダンジョンに関係するギルドが多数、名を連ねている。
ギルド連合は政府から新ダンジョン攻略の指令を受けると、傘下の複数のギルドの中から攻略に最も適したギルドをひとつだけ指名する。このとき、指名されなかったギルドはダンジョン攻略に一切関知できない。ダンジョンをめぐるギルド間の不要な闘争を避けるためだ。
ヘクトルが牙をむき出し小さく唸った。
「ある情報筋によると、エレナがバーバラの先遣隊の失態を突いて、政府に手を回したらしい」
後ろでクロロの舌打が聞こえた。ここにいる全員が同じ気持ちだろう。
「なるほど、卑劣なエルフと人間たちのやりそうなことね。でもまだ解せないことがあるわ。エレナがいきなり本隊を投入してくる理由……」
連合に指名されたギルドはまずそのダンジョン内部に先遣隊を派遣し、大まかな特徴を調査する。次に、先遣隊の持ち帰った調査結果を元にギルド内で攻略のために万全の準備をする。そして満を持して本隊を派遣するというのがダンジョン攻略の一般的な流れである。
今回、エレナのギルドはこの流れを完全に無視しているのだ。何か特別な理由があるはず。
「何か臭うね」
「ええ。ヘクトル、そのダンジョンだけど、ギルド連合の初期情報では『外観は至って普通の遺跡に見える』ということだったわね」
「ああ、バーバラもその情報を信じたからこそ、普段どおりの調査団を送ったんだ」
この遺跡のダンジョンには何かとてつもない秘密がある。私の直感がそう告げる。
エレナのギルドが潜るまでに何としても踏破しなければならない。バーバラと彼女のギルドメンバーのためにも。
「バーバラはダンジョン攻略について何と言ってるの?」
「お前さんが今考えていることと同じだよ」
ヘクトルはにやりと笑う。やはりヘクトルは私たちとバーバラのことをよく知っている。
「わかった。私もダンジョンに潜るわ。バーバラに伝えて」
「僕も協力する」
「そう言ってくれると思ったぜ。あいつは仲間を失った悲しみに打ちひしがれるところを見せまいとして、気丈に振るまっている。お前たちがいれば心強いだろう」
バーバラとは古くからの付き合いで、彼女は心の許せる数少ない友人のひとりだ。私たち姉弟はバーバラに何度も助けられた。彼女のためなら何だって協力を惜しまない。
「お前たちのその目──お前たちがギルドにいた時を思い出すぜ」
かつての同僚のヘクトルが帽子をかぶりながらポツリと呟いた。
魔導人形のハンナがいつものように外の気配を感知した。日に日に言葉が流暢になっている。最近は私たちの動きを真似て、より自然に動けるようになってきた。
クロロがちらっと店のドアのほうに目をやったあと、ハンナに向き直る。
「ハンナ、話すのずいぶんと上手くなったなぁ」
『クロロ様、ありがとウございまス』
ハンナはこのように言葉のやり取りもできるようにもなってきた。子供の成長をみる親の気持ちってこういうことなのかなと考えていると、乱暴にドアが開かれた。
「いつも言ってるでしょ。ドアは静かに開けなさい、ヘクトル」
「ああ、すまない。つい」
ヘクトルは悪びれた様子もなく客用のテーブルの椅子にどっかりと座った。そしてかぶっていた帽子をテーブルの上に置くと、懐から葉巻を取り出して火をつけた。それを見たクロロが指を小さく鳴らすと、ハンナは伸縮自在の鋭い爪を静かに伸ばして火のついた葉巻の先をその爪の一閃で切断した。宙に舞った葉巻の先をハンナが器用に握りつぶす。
「おっ? ああ、ここは禁煙だったか。にしてもすごい魔法だな、クロロ」
ここに何度も来ているヘクトルだが、ハンナのことはまだ教えていない。悪いやつではないから教えてもいいのだけど。
「ヘクトルは情報屋なのに、こういうことだけは物覚えが悪いなぁ」
「まぁ取捨選択というやつよ、クロロ」
ヘクトルはそう言うと、長い脚、いや足を組んで椅子の背もたれに大きくもたれかかった。
ヘクトルは狼男と人間の女の間に生まれた混血の半獣人だ。普段は狼に近い容姿だが、満月の夜だけは純粋な人間に変身する。いわゆる狼男とは真逆の性質を持っている奇妙な男だ。変身すると人間の女を寄せ付けるフェロモンを大量に出せるらしい。本人は自分の甘いマスクでおびき寄せていると言っているが、どちらでもいい。人間の女なんて私には興味がないから──
私は磨いていた骨董品をそっと元の場所に戻し、ヘクトルの向かいに座った。
「で、どうだったの? 例のダンジョンの情報はつかんだの?」
ヘクトルにはいつも新しいダンジョンやマジックアイテムなどの情報を集めてもらっている。今回は西の平原に新たに出現したダンジョンの情報収集を頼んであったのだ。
「ヒルダ、これはかなりやばいヤマだぞ」
ヘクトルは大きな耳をピクピクと動かした。ヘクトルが真剣な話をするときによくでる仕草だ。それを見たクロロがまた指を鳴らした。ハンナが店のドアの鍵をそっと閉める。ふたりの息のあったコンビネーションに舌を巻く。
「バーバラの先遣隊がダンジョンに潜ったきり帰還していない。もう五日目になる」
「五日だと? そんなことありえない」
「にわかに信じられないわね。あのバーバラの優秀な先遣隊に限って……」
バーバラは超一級のダンジョン攻略ギルドのマスターだ。バーバラの種族は鬼女で、種族差別をしないのが彼女のポリシーということもあり、彼女のギルドには多種多様な種族が自然と集まってくる。
「……まだダンジョン内で生存している可能性は?」
「ないだろうな。ヒルダ、お前も薄々わかってるのだろう?」
ヘクトルの目に冷たくて鋭い光が宿る。どう猛な野生の狼の目そのものだ。
ダンジョン攻略ギルドの先遣隊による調査期間は一日から二日が相場だ。二日にまたがる場合でも一旦は一日目に帰還することになっている。五日間も連絡なしに帰ってこないとなると、もう絶望的と考えていいだろう。
「くそぅ、先遣隊がエレナのギルドだったら良かったのに……よりによってバーバラが出した先遣隊だなんて」
ハイエルフのエレナ── 私がこの世で最も嫌いな名前。エルフと人間の連合で結成されたダンジョン攻略ギルドのマスター。彼女のギルドは政府筋にも通じていて、私利私欲にまみれた卑しい者どもが集まっている。
「実はそのエレナだが、本隊を三日後に潜らせるとのことだ」
「え!? なぜ調査権のあるバーバラのギルドを差し置いてエレナのギルドが……しかもいきなり本隊を潜らせるって。ギルド連合が許可したのか?」
ギルド連合とはダンジョンの探索、攻略、管理まで一手に担っている巨大組織である。連合にはダンジョン攻略ギルド、ダンジョン探索ギルドのようなダンジョンに関係するギルドが多数、名を連ねている。
ギルド連合は政府から新ダンジョン攻略の指令を受けると、傘下の複数のギルドの中から攻略に最も適したギルドをひとつだけ指名する。このとき、指名されなかったギルドはダンジョン攻略に一切関知できない。ダンジョンをめぐるギルド間の不要な闘争を避けるためだ。
ヘクトルが牙をむき出し小さく唸った。
「ある情報筋によると、エレナがバーバラの先遣隊の失態を突いて、政府に手を回したらしい」
後ろでクロロの舌打が聞こえた。ここにいる全員が同じ気持ちだろう。
「なるほど、卑劣なエルフと人間たちのやりそうなことね。でもまだ解せないことがあるわ。エレナがいきなり本隊を投入してくる理由……」
連合に指名されたギルドはまずそのダンジョン内部に先遣隊を派遣し、大まかな特徴を調査する。次に、先遣隊の持ち帰った調査結果を元にギルド内で攻略のために万全の準備をする。そして満を持して本隊を派遣するというのがダンジョン攻略の一般的な流れである。
今回、エレナのギルドはこの流れを完全に無視しているのだ。何か特別な理由があるはず。
「何か臭うね」
「ええ。ヘクトル、そのダンジョンだけど、ギルド連合の初期情報では『外観は至って普通の遺跡に見える』ということだったわね」
「ああ、バーバラもその情報を信じたからこそ、普段どおりの調査団を送ったんだ」
この遺跡のダンジョンには何かとてつもない秘密がある。私の直感がそう告げる。
エレナのギルドが潜るまでに何としても踏破しなければならない。バーバラと彼女のギルドメンバーのためにも。
「バーバラはダンジョン攻略について何と言ってるの?」
「お前さんが今考えていることと同じだよ」
ヘクトルはにやりと笑う。やはりヘクトルは私たちとバーバラのことをよく知っている。
「わかった。私もダンジョンに潜るわ。バーバラに伝えて」
「僕も協力する」
「そう言ってくれると思ったぜ。あいつは仲間を失った悲しみに打ちひしがれるところを見せまいとして、気丈に振るまっている。お前たちがいれば心強いだろう」
バーバラとは古くからの付き合いで、彼女は心の許せる数少ない友人のひとりだ。私たち姉弟はバーバラに何度も助けられた。彼女のためなら何だって協力を惜しまない。
「お前たちのその目──お前たちがギルドにいた時を思い出すぜ」
かつての同僚のヘクトルが帽子をかぶりながらポツリと呟いた。
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