転生貴族の異世界無双生活

guju

文字の大きさ
113 / 136

領地運営と戦争準備⑩

しおりを挟む
 パーティーと言うなの見栄張り大会が始まってからしばらくだった頃、門にいるネメスから連絡が入った。

<主様、陛下がご到着致しました。ただいま、スーリヤが前方で案内し、私が後方から護衛しています。馬車は、他のものと同じところでよろしいですか? >
<うん、よろしく。屋敷に着いたらすぐに会場にお連れして。陛下にそう言われてるから>
<了解しました。私共2人はそのまま陛下にお付になりますか? >
<うん、門には屋敷の四天王を向かわせたから、2人はそのままついてきていいよ>
<了解しました。では>

 ネメスとの念話を終えると、俺は今話している貴族との会話を中断して会場を後にした。

 皆はパーティに夢中で俺が退室した事にも気づいていないが、1人だけこちらを見た少女がいた。

 5歳くらいの娘で、透き通った金色の髪が月光を受け輝いて見える。
  一瞬のあいだ目が合うと、彼女はニコッと微笑んだ。

 俺は軽く頭を下げ、陛下の元へ向かった。

 そろそろ陛下が屋敷に到着するであろう頃を見計らって、容姿のいい天使を3名後ろにつけて扉の前で待機する。
 天使は、羽を隠して俺が用意したメイド服に着替えてもらっている。

 スーリヤに従順な天使たちは、その主である俺にも従順なようで嫌な顔一つせずに従ってくれた。

 大きな両開きの扉が開き、陛下が屋敷に入ってくる。
 陛下の側近である宰相は屋敷で仕事をしているのか姿は見えず、恐らく近衛騎士だろうと推測できる初見のものが4人ほど陛下についていた。

その後ろには、ネメスとスーリヤの姿が見える。
 2人は俺に気づくと、軽く頭を下げた。

「久しいな、アルトよ」
「お久しぶりです、陛下。この度は、私のような者のパーティーにの出席頂き感謝の限りでございます」

 胸に手を当て、頭を下げる。
 それに習い、使用人のもの達も皆が深く頭を下げた。

「ほう、よく出来たもの達だな。チャンの時と比べて大違いだ」
「ええ、教育を致しましたので」

 気分が良さそうに笑う陛下に、天使の1人がプレートを差し出す。

「陛下、こちらを」

 そのプレートには、一つの銀の腕輪が乗っていた。

「アルト、これは? 」
「こちら、防御障壁の魔法陣が刻まれた腕輪にございます。陛下の大切な御身、いつ何時でもお守りできるよう、この邸内ではお付けください」
「ふむ、では有難く」

 陛下がその腕輪を手に取る前に、後ろにいた近衛兵がそれを手に取った。

「陛下、このようなものは危のうございます」
「構わん。此奴は信用に足る」
「ですが、我々は彼を知りませぬ」
「ふむ、主の信用では足らぬか? 」
「ええ、御身を守るのが我々の使命ですから」

 近衛兵の食い下がる姿勢に、陛下は申し訳なさそうにこちらを見た。

「陛下、大丈夫です。そちら、一定範囲に効力のあるものですので、そちらの方がお付けになれば、近くにいる陛下もお守り出来ます」
「そうか、ならば頼めるか? ラディ」

 腕輪を持つ兵士――ラディはそれならばと自らの腕に躊躇うことなくそれを付けた。

「それにしても、貴殿の付き人は美しいな。特に、そこの3人は別格だ」
「お褒め頂き光栄の限りです。侍女たちも喜んでいます」
「なにか、特別なルートかね? 」
「いえ、そういう訳では無いのですが。私の右腕のスーリヤが其方の方に通じており」
「ああ、そういう事か。そりゃあ美しいはずだな」

 スーリヤが天使であることを知っている陛下は、当然だと言うように頷く。

 暫く歩いたところで、パーティーの会場に着いた。
 予め配備しておいた天使の侍女たちが大きな2枚扉を開き、陛下が先に会場へとはいる。
 それに続き、俺、近衛兵、スーリヤとネメスが会場に入る。

 扉が開く音は聖歌隊の華やかで美しい音楽にもみ消され、誰も注目しない。
 そもそも陛下を呼ぶことは誰にも知らせていないので、当たり前の対応だ。その事を陛下にも伝えている為、特にこれといった不敬にもあたらない。

 俺は、後ろに控えていた天使に聖歌隊の元へと事情説明に向かわせた。
 天使が指揮者に接触した数秒後に、音楽が止まる。
 
 急に音楽が止まったことで貴族たちは何事かと辺りを見回す。それと同時に、俺が手を2度叩いた。

 周りの視線がこちらに注目される。陛下の姿を見た貴族達は、事情を知っている数名を除いて酷く驚いた顔をしている。
しおりを挟む
感想 83

あなたにおすすめの小説

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜

難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」 高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。 だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや—— 「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」 「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」 剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める! 魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」 魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」 神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」 次々と編み出される新技術に、世界は驚愕! やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め—— 「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」 最強の頭脳戦が今、幕を開ける——! これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語! ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

処理中です...