いつかまたおなじ空のしたで

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なんということでしょう。
馬車が襲われていた場所から丘を登るともう村が見える場所まで来る事ができました。
村の入り口には警備の人族がいる。しかも2人。
要するに、村から見切れる場所まで移動したところを襲われてしまったという事だ。
もう計画的に襲われたと考えて間違いない。
生き残りは人の頭ほどの皮袋を抱えていた。何がなんでもこれだけは守る、そういう気持ちなんだろう。気を失っても離さないことからもこの男にとってとても大切な物なことが分かる。
とりあえず私達は門番に経緯を説明して村に入った。
バタバタと私達と入れ替わりで荷車を引きながらたくさんの男達が門から出ていく。
村長だという男に案内されてジェシーと馬車を預けてから死にそうだった男を運ぶのを手伝う。
いちおうある、といった感じの診療所に男を運んで怪我はないとだけ伝えると、ついていてやってほしいという。
これからたくさんの遺体が運び込まれて大変になるからと。
乗り掛かった船だと言われた気がして私達は寝ている男の部屋で、こいつが起きるのを待つ事になった。
まじめんどい。
ただ、程なく男が目覚めた事だけはラッキーだった。
「う、ん、？あれ？」
キョロキョロと周りを見まわして、自分の体をまさぐりまくる男。はっ！として皮袋があるのを確かめて、ふぅーとほんとによかった！といった感じにほっとしてみせる。
そして、がばっと毛布をはらってベッドから降りようてしてからやっと私達の存在に気がついた。
「うわっ！？ちょちょちょ！誰だよ！」
尻もちをついて大袈裟に驚く男。
「だれだよ！じゃないし！あんた死にかかってたんだからね！？」
まったくもう！
「お嬢様が手持ちの薬を全て使ってあなたを死の淵から呼び戻すことが叶ったのですわ」
トリス！またそれするの？？あー、、
「そうですわ！お礼のひとつでもあって然るべきじゃあなくって！？」
私は高飛車お嬢様を頑張ってする。
レヴィはしかめっつらなボディガードだ。
「あ、あー、すまねぇ。ほんとサンキューな、、で！他のやつらは？？」
「私達が通りかかった時にはもう、、、」
トリスは悔しげな表情をつくってみせる。
「そうか、、」
「それから、あなたの傷を治す時ですけれど、お腹も拝見しました」
男はっとなって、すでにしまわれているお腹を更に隠そうと毛布をかける。
「あーあー、、見られちまったかー、、はぁ。しょうがねぇ！そーよ！俺はハーフだよ！リザードとのな！」
胸を張る男をみて思い出した。こいつ、どこかの町ですりに皮袋とられて走ってきた男だ！
「あれ？ってゆうか、ワドウ？」
指差して名前を呼ばれてじーっと私を見る男。
「？、、、おー！あんときの姉ちゃんか！」
世間は狭いとはこのことか。