いつかまたおなじ空のしたで

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村長に聞いたところ、この村に宿はないという。それなら馬車で寝るまでだ。
ワドウは仲間だった亡骸を少しでもきれいにしようと布で血を拭ったり髪を整えたりしている。いつの間にか皮袋はしっかり小脇にかかえながら。
「頭では理解できるんだけどなー、、」
独り言が漏れた。
「変わらぬのだよ、どちらもな」
トリスは私の気持ち悪さがわかったみたい。代弁するように、肯定してくれた。
「うん、、、」
隣で寝息をたてるレヴィをだきしめながら、私は眠るべく目を閉じた。

こんな夜は決まって昔の夢をみる。
「ふむふむ、バンパイヤか、、」
「うーむーう！むー！」
私は暴れるので磔にされて、口には猿轡を噛まされている。
口の端からよだれだかなんだか飛び散るのも無視して私はひたすらに唸る。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い！！
なになに！？？
「見たまえ！」
頭を握られ顔を向けられる。
手、、、え？なに？手？それ私の手？？
白衣の男が手袋をはめた手でもった「手」
痛かったのは私の手を切ってたから？
男の持つ「手」がふわっと青白くひかり、そしてさらさらと灰のように男の手から逃げた。
ぐい！
いてて！あれ？さっき右の手は切られてなくなったんじゃ？？
「ふむふむ、、感覚もすでに戻っている、と」
また手が生えたってこと？
「大切な素材だ、まずはサンプル採取。回復の限界を計るのは最後の最後、廃棄の決定が出てからだ」
は？なに？サンプル、、サンプルって？
なんか大きなノコギリを持って2人組が来る。
「うむー！むー！むーうー！」
裂けちゃうくらい限界まで開かれた私の脚にノコギリがあてがわれるのがわかる。
「うー！！むむー！！！」
いった！！
頭に直接ノコギリが引かれる音が聞こえる。
がんがんと後頭部を台？にぶつけながら痛みに抵抗する私。
ごりごりいってるの、私の骨か。
痛みで意識が遠のきかけるとぐちる声が聞こえてくる。
「ちっ、、またか」
憎々しく呟く声がして、脚の痛いのがなくなる。
「時間がかかりすぎなんじゃないか？」
「一撃で？か？」
ちょっとなんの相談してるの！！
やめてってば！！！
斧を持って1人来た、、、
「ちゃんと一撃で落とせよ？」
うなづいて振りかぶる男。
やめてやめてやめてやめてやめてやめて！！
ずん！！
ぐう！！！
あ、あ、、、、
ぴちゃん、ぽちゃ、ぼちゃぽちゃ、、、、、
私の血が、滴って床に落ちる音がする。
「ちっ、、またかよ！」
痛いのがおさまった、、、。
「、、、、」「、、、、、」
なんかなに言ってるか聞こえづらくなってきた、、。
暗い、今度は目でもえぐられたのかな？
ああ、、暗いなぁ、、、、、。
あったかくて、暗いなぁ、、。
「ぎゅ」
ぱちり。
目をあけると、私はレヴィの谷間に顔を押し当てていた。
は、、よかった、夢だった。
私のかわいいレヴィ。
忘れたりできないけど、もうあんなのはごめんだけど、この子のためだったら？
だめだめ、こういうストーリーはだめだ。
手を離さないって決めたんじゃない！
この子は私が痛かったりしたら悲しむ。
私が悲しかったら悲しむ。
だから、私は痛くならない。
私は悲しくならない。
にこやかに、ほがらかに、これからも2人で手に手をとってどこまでも行こう。