いつかまたおなじ空のしたで

60

チィパチィパッ
トゥルットゥルッポホポッ

思っていたよりもすっきりした朝だった。
レヴィは私に絡み付くように抱きついて寝息をたてている。
頬ずりしてレヴィを引き剥がす。
「おはようー、、リーナ」
「おはようレヴィ」
ベッドから降りて、私はビロードのカーテンを開ける。
うっすらと桜色の半球体の端っこが見える。
セレスティアナ。
大切な、私の故郷。
今はトリスの結界で守って貰っているけど、ゆくゆくはどうなるかわからない。
目覚めてきた頭でこれからどうしようかな？って考え始めた時「コンコン」と、部屋のドアがノックされた。
「はぁい？」
レヴィが返す。
「おはよう、アレスだよ」
朝からなんだよ？ってぐちりながらドアを開ける。
もう支度してるし。早起きだなアレス。
「なに？」
アレスは真っ赤になって、ばっと後ろを向く。
「とととっ、、とりあえず服を！支度をすませてくれないか！？？」
あ、、。
ばん！
レヴィが慌ててドアを閉めて私を毛布でくるむ。
「むー！」
簀巻きのままベッドに連れていかれる私。
レヴィは力持ちだなー。
「服、着ないと！」
「うんうん！」
顔を見合わせて「あははは！」って笑う
アレスのあんな顔、レアだ。
着替えっていうかなんにも着てなかったから着ただけだけど、支度してドアを開けた。
アレスはまだ背中を向けている。
「もう服着てる」
「そうか、朝早くからすまない」
振り返りながら言う。
「で、なに？」
わざと不機嫌そうに答える。
「ベアトリクスに挨拶を済ませたら、僕は行くよ」
体がぴくんとした。
今のいままで、一緒だけ忘れていたけどこいつは仇だった。
なんで昨日は普通におしゃべりなんかしちゃったんだろう？思い出して、私は急に頭痛くなってきておでこを押さえる。
「好きにしたら？」
言いながら、アレスの顔を見ていたくなくって私はドアを閉めた。
レヴィはちょっと心配そうに見てる。こういうの伝わっちゃうんだよなぁ。
私もベッドに腰掛けて、ことりと頭を預ける。
レヴィも「こつん」と、ツノをあててくる。
「わたしたちは、どうするの？」
ぱたりとベッドに体を倒すと私はぽそりと独り言みたいに答えた。
「わかんない」