いつかまたおなじ空のしたで

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部屋に戻ると、アリアはすでにベッドにいた。
ベッドの周りには毛皮が隙間なく敷き詰めてあってや床を汚さないようにレヴィががんばって準備してくれたのが分かる。
アリアは目を瞑ってシーツにくるまっている。
たぶんすでに裸になっているんだろう。
ただの裸を見られるのだって恥ずかしい。
アリアの場合は加えて魔鋼で繋ぎ止められた骨や筋肉や、どうなってるのかまだわからない内臓も他人に見られる事になる。
レヴィの怪我だって、肋骨はもちろん肺も胃も腸も引き裂かれていた。
アリアはどうなんだろう？
普通のごはんが無理っていう事はレヴィとおんなしかそれ以上にやばいのは間違いなく明らかだ。
ごくり。
「アリア、やっぱり最初はごはん食べたいよね？」
「えっ？まあ、、うん」
顔だけ出してアリアが答える。
わかった。
私はほんと自分勝手な意気地なしだ。
普段から周りばっかり気にするくせにやる時は際限なくやってしまう。
もちろんそうなったら私は周りなんか見えなくなって、その結果がランジー領だ。
あの時の私は、街も住んでいた人もなにもかも関係なく粉々にしてしまったんだから。
「レヴィ、いくよ」
「うん！」
私はアリアが握りしめるシーツを剥がす。
魔鋼の板が釘で貼り付けられた10代の女の子の身体が姿を現した。
涙が溢れてくるのも気にせずに、私は張り付いた魔鋼の板に手をかけた。
「アリア、覚悟してよね？！」
勢いよく板を引き剥がす。
「！っくあっ！！」
ばっ！と血しぶきがあがって隠されていたアリアの中身が顔をのぞかせる。
まだまだだ。
「うあっ！」
何枚か剥がしたら心臓が出てきた。
肋骨もほとんど魔鋼で作られている。
ぼきぼき音を立てて折りながら魔鋼の肋骨をむしり取る。
「ぐうっ！あっ！」
「レヴィ！心臓マッサージっ！」
「うん！！」
私は手でアリアの体を開きながら自慢の（2回しか使ったことないけど）牙でアリアの中から魔鋼で出来た部分を引きずり出す。
「んうああっ！！」
アリアが叫ぶ。
「アリア！噛んで！がまんして！」
レヴィが自分の腕をアリアにかじらせて声をがまんさせる。
「うぐぅっぐっ！！」
側から見たら、私がアリアを食い散らかしているみたいな光景だろう。
しばらくはこれが続くんだ。
がんばってよね？アリア！