いつかまたおなじ空のしたで

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ばんっ！
アリアみたいに扉に体当たりして開けると部屋に駆け上がる私達。
かちゃり。
中にはベッドで上半身だけ起こして、おばさんに介抱されているアリアがいた。
ふぅ。
「2人ともいそいでどうしたの？」
アリアは至って普通だ。
おばさんもポタージュみたいなのをアリアの口に運びながら「おかえり」って言っている。
「あー、えっとね？なんか変じゃない？」
みんなぽかんとしてる。
「あのね？アリアは死んじゃった事になってるっぽいんだけど？、、、」
「あっはははっ！」
おばさんが笑う。
「えー？なんで笑うの？？」
私がふくれるとおばさんが続ける。
「リーナ？あんたアリアの治療に何ヶ月かけたかわかってるかい？」
「え？」
私はわかんない。
ちらっとレヴィを見るけどぶんぶん首を振ってる。
「わかんないけど、、、」
素直に答える私。
「そうだろうさねぇ。あれだけ必死に昼も夜もなく舐めてくれてたんだからねぇ？」
「だってねことか怪我したら舐めて治すじゃない？」
私が答えるとおばさんは目を見開いてまた笑う。
「あははは！猫かい！あはははっ！まぁそれは置いといてね？リーナ、あんたは半年以上アリアを舐めてくれていたんだよ」
「はあ？？」
レヴィと声を揃えてびっくりする。レヴィすらどのくらい時間がかかったか分かっていなかった。今はごはんちゃんと食べてるから肉付きも元通りのレヴィだけど、たしかにがりがりに痩せちゃっていたっけ。
「それでおじさんも改めて町に来たって思ったのか、、、」
「そうそう。旦那にもアリアの治療の事は内緒にしておいたからねぇ」
「やっぱりー！あはははっ！」
レヴィが笑う。
「あの、それでリーナ？私死んだって？なに？」
アリアの疑問はもっともだ。私だって知りたい。
ばっ！と、みんながおばさんを見た。
「やれやれ、、。いいかい？アリア、あんた毎日休まずに町を見回っていただろう？」
「うん」
「それがねぇ。半年も見かけないときたら？町の人は？他の皆んなはどう思うかねぇ？」
私達ははっとなる。
「アリアは満身創痍だったんだよね？」
私が言う。
「うん、町に帰って来た時は歩くのも大変だったよ、、」
「そんなアリアが「実は無理を押して」町を見回っていた。町のみんなはそんな風に考えたんじゃないかねぇ？」
たしかにそうだ。
前ほどのポテンシャルは無いって自分でも言っていた。
「髪の色もちがうしー、ほんとに死んじゃった事にしたらさ？アメリアからも疑われないんじゃない？」
レヴィが天才の領域に入った！
「それだ！」
みんなが顔を見合わせてレヴィを指差した。
「あはははっ！」
レヴィは立ち上がって誇らしげに腕組みをして見せる。
「ふふふっ！レヴィ！ナイスだよっ！」
私はレヴィの天才っぷりに抱きついて喜んでみせる。
アリアも親指を立ててる。
おばさんも「うんうん」ってうなづく。
さて、そうと決まったら腕と脚をはやく治してあげないとね。