いつかまたおなじ空のしたで

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「はいはーい！みんな2人の事覚えたね？それじゃあ各自持ち場に戻ってねー！」
玉座の左にいるサキュバスが謁見の間のみんなに告げる。
ざわざわとうごめく魔族達。
「がすっ！」とデスナイトが剣を再び床に突き立てて促すと、やっと1人また1人、バラバラと部屋を出ていった。
あー、、。恥ずかしい。
せっかくトリスが出迎えてくれたのにこんな子供っぽい事になっちゃったよ。
「トリス、ごめん。お出迎えしてくれたのに、、、私達、こんな、、、」
「構わぬよ」
トリスは大きい。
まさしく「王」だと思う。
それに比べて私なんて赤ちゃんだ。
笑って、遊んで、食べて、寝て。
みんなほったらかしにして、自分の事ばっかりで。
ジェシー、、寂しかっただろうな。
「リーナ、レヴィ。お前達2人のおかげで妾の側近が城に戻る事が出来た。改めて礼を言う。ありがとうリーナ。ありがとうレヴィ」
私達は「えっ？」て顔を上げてトリスを見る。
穏やかに微笑む「王」は更に続ける。
「もちろん老師とアゲハも、リーナ？お前がいなければ戻る事は叶わなかっただろう」
確かにそうかもだけど、、。
「私達には、それくらいしか出来ないから、、、」
私もレヴィも俯く。
そんな私達のあごに手を当てて顔を上げさせると笑う。
「ふふっ。「それくらい」だと？そのそれくらいを叶えられる者がお前達の他にいるか？リーナ？レヴィ？お前達がいなければ、、私は老師と2人今も寂しい時を過ごしていただろうよ」
またむつかしいよトリス。
「むー、、」
「あははっ。難しかったか！」
ぽかんとする私とレヴィの頭をぐしゃぐしゃ撫でまわしながらトリスは笑う。
「えっとねー？ベアトリクス様はー、リーナもレヴィもちゃんとお仕事して来てくれたからー、自信もて！って言ってるのよー？」
新しい仲間のサキュバスが言う。
「そうなの？」
私はたまらずにトリスに掴みかかって聞く。
「ああ！ライザの言う通りだよ「失敗はする」ものだからな？悔やむ事が無ければ、悩む事が無ければ、2人で手に手をとってこの城に戻る事すらなかったのではないか？」
「んー、、」
レヴィが首をかしげる。
「順番に言うとー？」
レヴィの言葉にトリスがまた笑う。
「あははっ！そうだな！まず1番目に「よくやった！」そして2番目に「旅の話をきかせてくれ！」だな？3番目は。妾は今夜の食事が楽しみで仕方ない！」
「あー、、。うん！わかった！」
ちょっと元気出て来てレヴィの返事が良い感じだ。
「ふふっ！お風呂もね？」
私も調子に乗る。
「あははっ！もちろんだ！」
がばっと私達を抱きしめてトリスが言う。
「ぐえっ」
私はうめく。
「あはははっ！」
レヴィは笑う。
「改めて、おかえり。リーナ、レヴィ」
トリスが私達を抱えながら言う。
「ただいまっ！」
「ただいまーっ！」
私とレヴィはやっと笑ってただいまが言えた。