6 / 11
6
しおりを挟む※この話だけ、チラッと百合の話が出ます。でも、全く百合はしてません。こういうシチュエーションは赦せねぇぜ! というオタクの語らいです。
__________
『是非とも全員パスで!!!!』
『マジで?』
『マジでっ!?』
『う~ん・・・まぁ一応、無くはない、かな? 腐女子の敵、最大最悪のバッドエンドと言われたあのルートならどうにか・・・』
『いや、ちょっと待て! なんだその、最大最悪のバッドエンドって! 響きからして碌でもないオチじゃないのかよっ!?』
『そうよ! そうなのよっ!? シエロたんの誕生日パーティーには、腐女子にとって最大最悪の悪夢のようなトラップが仕掛けられているのよっ!? あのエンディングはもうっ、本っ当に悲劇としか言いようが無いわっ!? わざわざあのエンディングを作ったスタッフは、本当に超絶鬼畜に違いないんだからっ!!!! しかも、あのクソエンディングを一度は見ないと、シエロたんの覇王ルートが開かないという鬼よりも鬼な鬼畜っ振りっ!?!?』
姉貴が、そのエンディングが如何に酷いのかを熱弁している。だが・・・
『いや、ねーちゃん? 野郎共全員パスしたBL回避が、そのエンディングしか無いんだよな?』
『ええ。そうよ。そうなのよ・・・重度のヤンデレ好き腐女子御用達の、鬼畜が集まる攻略キャラ達の中、唯一、たった一つだけ・・・』
『たった一つだけのルートは、なんなんだ?』
『普っ通~にシエロたんが婚約者の女と結婚して、幸せな生活を送るという最悪なマジクソエンディングがあったのよ~~~~~っ!!!!』
『ぇ? マジでっ!?!?』
マジで俺にとっての朗報! 福音じゃん!
『ええ。パーティ最中に婚約者と結婚するという冗談みたいな選択肢があってね。それを、隠しルートとか、奪略愛ルートだと思って進めるとっ・・・本当にただ女と結ばれてひたすら幸せな有様を見せるだなんて、とんだ鬼畜の所業だと、このルートをねじ込んだスタッフをひたすらに呪ったものよっ!! しかも、あのクソルートを通らないと・・・鬼畜シエロたん総攻めなハーレム覇王ルートへ至るには、あの苦行をしなきゃいけないのっ!!!!』
うへぇ・・・なんだシエロ総攻めハーレム覇王ルートって、気色悪ぃ。
ふっと力なく微笑むねーちゃん。
つか、最大最悪のバッドエンドって言うからなんだと思えば・・・
『いや、普通に幸せってよくない?』
『普通のっ、男女の幸せが見たければっ……普通の乙女ゲーム選ぶわよっ! こちとらBLの、キラキラした男同士のいちゃこらどろどろらぶらぶファンタジーが見たくてBLゲーム買ったっての! なのに普通の男女のいちゃこらなんぞ見せられてっ、腐女子の誰が喜ぶかってのっ!!!! 腐女子の敵っ!?!? 誰得エンドじゃあっ!!!!』
バンっ!! っと、小さな手がテーブルを叩いて血を吐くような魂の叫び。
『ああ、そういう意味でのバッドエンド・・・』
『言うなればアレよっ!? 百合を謳っている作品で、女の子同士でいちゃいちゃ百合百合して微笑ましい百合ップルの間に、いきなりぽっと出のそこそこイケメンが割り込んで来て、女の子同士の友情と尊くも甘酸っぱい百合な愛情を引き裂いた挙げ句、片方の彼氏になって女の子を掻っ攫って、更にはそのまま幸せムードで作品が完結するような所業よっ!?』
『それは許せねぇぜっ!! そんな冒涜的なクソ野郎は百合スキー達に謝れっ!? 百合ップルの片割れに土下座して詫び入れた後爆発しろぉっ!!!!』
『そうでしょうっ!? わかってくれるのねっ!?』
思わず本気で怒鳴ってしまったが、ねーちゃんが怒っていた理由に、なんか納得した。
『それは確かに、激怒してもいい案件だっ!?』
__________
ある意味わかり合った二人。やっぱり姉弟。(笑)
67
あなたにおすすめの小説
【 完 結 】言祝ぎの聖女
しずもり
ファンタジー
聖女ミーシェは断罪された。
『言祝ぎの聖女』の座を聖女ラヴィーナから不当に奪ったとして、聖女の資格を剥奪され国外追放の罰を受けたのだ。
だが、隣国との国境へ向かう馬車は、同乗していた聖騎士ウィルと共に崖から落ちた。
誤字脱字があると思います。見つけ次第、修正を入れています。
恋愛要素は完結までほぼありませんが、ハッピーエンド予定です。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
透明な貴方
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
政略結婚の両親は、私が生まれてから離縁した。
私の名は、マーシャ・フャルム・ククルス。
ククルス公爵家の一人娘。
父ククルス公爵は仕事人間で、殆ど家には帰って来ない。母は既に年下の伯爵と再婚し、伯爵夫人として暮らしているらしい。
複雑な環境で育つマーシャの家庭には、秘密があった。
(カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています)
聖女は魔女の濡れ衣を被せられ、魔女裁判に掛けられる。が、しかし──
naturalsoft
ファンタジー
聖女シオンはヒーリング聖王国に遥か昔から仕えて、聖女を輩出しているセイント伯爵家の当代の聖女である。
昔から政治には関与せず、国の結界を張り、周辺地域へ祈りの巡礼を日々行っていた。
そんな中、聖女を擁護するはずの教会から魔女裁判を宣告されたのだった。
そこには教会が腐敗し、邪魔になった聖女を退けて、教会の用意した従順な女を聖女にさせようと画策したのがきっかけだった。
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる