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自分達の言動には、責任を取ってもらわないとねぇ?
しおりを挟む「ぅっ、うぅ……っ、ママも、パパも、あたしが死んでもいいって言うのっ……」
「そうかもしれませんね? ほら? だって今一番、『暴力と虐待』を貰っているのは、あなたよりもわたくしの方ですもの」
異母妹は、わたしより優位に立つことが好きだった。自分は家の中で一番可愛がられている、という自負が強く、『超合金ヒロイン』にそれはそれは得意げに自慢していた。
「だから……もしかしたら、あなたのお母様はわたくしを見て、あなたよりもわたくしが一番になったんじゃないかしら?」
一番憎かったであろう母が亡くなって、その母の娘であるわたくしが彼女の中で一番憎い相手になったのだと思う。
「そんなっ!? そんなの酷いじゃないっ!? ママとパパの一番はあたしだったのにっ!? どうしてアンタばっかりっ!?」
ギッと強くわたしを睨む異母妹。
「ごめんなさいね? あなたのお母様の一番になってしまって。あなたのお母様に、わたくしの方が厳しく躾けてもらって。きっと、血の繋がりなんて関係無く人を愛せる素晴らしいお母様なのね? でも、あなたはそんな素晴らしいお母様に、死んでもいい子だって扱われているのよ。ねえ? あなたとわたくし。一体どちらが……可哀想、なのかしら?」
無論、可哀想なのは母親を亡くしたばかりで、素晴らしい程のクズ義母に甚振られる『超合金ヒロイン』に決まっている。まあ? わたしに認知を歪まされるお前も、多少は可哀想ではあるけど。
「ぁ……あ、たし……の、方が……かわい、そう……ぅうう~っ!? うわ~んっ!?」
と、異母妹は大声を上げて泣き出してしまった。すると、
「どうしたのっ!? なにが……って、アンタがこの子を泣かしたのっ!? この子になにをしたっ!?」
泣き声を聞き付けてやって来た義母が、顔を真っ赤にして怒鳴った。
「この、クソガキがっ!?」
大きく手を振りかぶった瞬間、
「ママっ!? ママはあたしが死んでもいいって思ってるのっ!?」
異母妹がぐちゃぐちゃの顔で叫んだ。
「な、なにを言ってるのっ!? そのガキになにか酷いことでも言われたの? ああ、もっと厳しく躾けてやらないと」
そう義母が言うと、
「やっぱりっ!? そうなのねっ!? ママは、お姉サマを可愛がって、お姉サマに厳しいシツケをして、お姉サマがエラい人達に失礼をしないようにしてるのねっ!? ママは、あたしがエラい人達に失礼をして殺されてもいいって思ってるからあたしに厳しくしないんだっ!? 酷い、酷いよぉっ!?」
異母妹は更にギャン泣きした。
「な、なにを言ってるのっ!? そんなこと思ってるワケないでしょっ!?」
「だって、ママはお姉サマのために、お姉サマを愛してるから厳しくしてるって、心苦しいけど叩いてるんだって、いつもそう言ってるじゃないっ!?」
「そ、それはっ……」
言葉に詰まる義母。
「あたしに厳しくしないのは、あたしに死ねばいいと思ってるからなんだ~っ!!」
「ち、違う! そんなこと思ってないっ!? アンタはあたしの可愛い娘だよ」
「ウソっ!? ウソウソウソっ!? パパもママも、本当はお姉サマのことだけ大事であたしのことなんかどうでもいいし、死んじゃえって思ってるんだっ!? だから、あたしにはお姉サマみたいに厳しくしないんだっ!? 酷い、ヒドイひどいひどいひどいひどいひどいひどいっ!! ママもパパも、本当はあたしじゃなくてお姉サマのことを一番愛してるんだっ!! うそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきうそつきっ!!」
泣きながら詰って来る異母妹に手を焼いた義母は、
「アンタっ!! この子になに言ったんだっ!?」
わたしに怒鳴り付け、またしても腕を振りかぶる。
「ああ~っ!? なんでママはお姉サマのことばっかりかまうのっ!? やっぱり、ママはあたしじゃなくてお姉サマの方を愛してるんだっ!?」
異母妹の絶叫に、義母がぎょっとした顔でおろおろと異母妹を宥めようとする。
「ち、違うのっ! これはっ……」
「あたしのことが大事なら、お姉サマにするみたいにあたしもぶってよっ!? 厳しくしてよっ!?」
「そんなことできるワケないでしょっ!?」
「やっぱり、ママはお姉サマの方が大事なんだっ!!」
と、また同じような問答を繰り返す。
どうやら、異母妹への洗脳……というか、認知を歪めることは成功したようだ。
ギャーギャー騒ぐ異母妹に手を焼き、わたしへ八つ当たりをしようにも、そうすれば異母妹はギャン泣きして自分を詰る。そんな状況に義母は逃げ出した。
それからは――――
義母の八つ当たりを受けそうになったら、
「お姉サマばっかり厳しくされてずるいっ!? お姉サマだけ構ってないで、あたしも叩いてシツケしてよママっ!?」
と、異母妹が乱入してギャン泣きするのが日常になった。少々カオスだが、判り易い暴力や酷い虐待をされることが激減した。
異母妹は被虐趣味まっしぐらになっている気もするけど・・・
うふふ、仕方ないでしょう?
だって、暴力や虐待を愛だと偽って、自分達の行為を正当化しようとするのだもの。
自分達の言動には、責任を取ってもらわないとねぇ?
お馬鹿な異母妹には尊い犠牲になってもらったけど。でも、縛り首や投石刑で死ぬよりはまだ、ドMが長生きできると思うの。
まあ? 認知や認識を歪めたせいで、きっとクズ男に引っ掛かるような気がするけど。でも、原作通りに周囲の人を何人も何人も不幸にするよりはいいと思うの。
さあて、義母やクソ親父が異母妹に手を焼いている間に、わたしはこの家を出る準備でもしますか♪お母様の残してくれた装飾品や資産を持って、お母様の実家を頼ろう。仮令向こうで邪険にされても、この家に居るよりはずっとマシだ。
原作のヒーロー? ハイスぺなスパダリではあるけど。でもそんな、現在進行形のピンチのときにいない……サンドバッグヒロインが死に掛けのときにしか出て来ない男なんかどうでもいいわ。
わたしは、『超合金ヒロイン』みたいに、「いつかきっと、目を覚ましたお父様がわたくしを愛してくれる……」だなんて信じ続ける程、ある意味強い鋼メンタルしてないもの。
アレって、本当に虐待されても尚、親に愛されたいって願い続けている子の心理よね……
わたしは、虐待や暴力を受けたときに止めなかったし、庇ってくれなかった。その時点で、クソ親父には見切りを付けている。
お母様が生きているときからずっと不貞をして、裏切り続け、貶め続けていた。
そんな奴に愛情なんてあるワケがない。
家は、異母妹がいるからどうにかなるでしょ。
あの子、厳しい教育を望んでいるみたいだし。むしろ、わたしは最初から邪魔者だったんだから。
まあ、あれだ。自分で洗脳しといてなんだが、異母妹よ。強く生きろ。
ふふっ、家を出たらなにをしようかしら?
なんせ、『超合金ヒロイン』と称される程のスペックを持った身体だもの。そんなにすごいなら、なんだってできそうじゃない?
楽しみだわ♪
――おしまい――
✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧
読んでくださり、ありがとうございました。
ただで暴力や虐待は受けん! 全力で抵抗したるわ! と、子供にもできる抵抗として異母妹へ毒を流し込み、ドMに洗脳した転生悪辣主人公ちゃんの話でした。ꉂ(ˊᗜˋ*)
多分、処刑されるよりはマシな人生を送るはず……うん、多分ねー。適当。(੭ ᐕ))?
あと、書いてる奴は割とマジで、虐げられ主人公は鋼の肉体をしていると思っている。だって、普通死ぬだろってくらいの過酷な生活環境で大した病気や怪我もせずに生き延びてるし。運がいいとか、なんらかの加護とかじゃなくて、シンプルに身体自体が頑丈なんだろうなぁ……と。(*゜∀゜)*。_。)*゜∀゜)*。_。)
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斬新な視点作品がいいです!!楽しくするっと読ませていただきました。
jollyさん。感想をありがとうございます♪
すみません、体調不良で返信が遅くなりました。(´-ω-)人
主人公「まあ……ちょっぴり罪悪感が無いでもないけど、でも処刑よりはドMのがマシでしょ」ꉂ(ˊᗜˋ*)