ドアマットにしようとした奴が、ちっこいクセにとんだ悪魔だったっ!? ~踏み躙るためのハードルが高過ぎる~

月白ヤトヒコ

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おれらがお前をドアマットの刑にしてやるっつってんだよ!

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 ※個人的には、別の短編『そこな娘がぷるぷる震えよる理由? そんなの自明の理であろうがっ!』の殿よりも破壊力高め。なので、読む場所を選んでください。


――――――――


「ダメだっ!? お前はもうアマリアちゃんにゼッタイ近寄るなっ!?」
「え~? なんで? どうしてアムおねーちゃんにちかよっちゃダメなの? なんで?」

 チビが、ふしぎそうな顔でおれを見上げる。

 チビにアマリアちゃんに近付いてほしくない理由……そ、それは……

「なっ、そ、そんなのどうでもいいだろっ!? と、とにかく! チビはこれからアマリアちゃんに近付くのキンシっ!? アマリアちゃんに近寄ったら、お前をドアマットにしてやんだからなっ!? ドアマットの刑がイヤなら、もうゼッタイゼッタイアマリアちゃんに近付くんじゃねーぞっ!!」

 多分、真っ赤になっている熱い顔でチビを怒鳴る。

 これだけおどせば、いくらチビがバカでもわかるだろ。

「え~? ヤだ」
「は?」
「あのね、きょうね、アムおねーちゃんたちがぼくにえほんよんでくれるっておやくそくしてたの。だから、ヤだ」

 チビは、おれがこんなにていねいにおどしてやったというのに、あっさりとおれの優しさをふいにして……

「えっとね、おにーちゃんたち、あそんでくれないならぼくもうかえっていい?」

 困ったような顔で家に帰ると言い出した。

「だから、お前っ! アマリアちゃんに近付いたら、おれらがお前をドアマットの刑にしてやるっつってんだよ! わかってんのかっ!!」
「そーだそーだ!」
「お前みたいなチビ、靴でグリグリして踏ん付けてやる!」

 子分二人も一緒になってチビにおどしをかける。

「ドアマット……?」
「そうだ、お前を踏ん付けてグリグリしてやるんだからな!」

 これで、アホにもおれらのおそろしさが伝わったことだろう。全く、アホで話の通じないチビには手間をかけさせられるぜ。

「ぼく、しってる! ドアマットって、ぐりぐりふんでうんちおとすやつでしょ!」

 キャッキャと楽しげに笑うチビ。

「そ、そうだ! どうだ、こわいだろ!」
「じゃあ、おにーちゃんたち……ぷぷっ、うんちふんだの?」

 ぷぷっと吹き出す笑い声に、

「はあっ!? 踏むワケねーだろっ!?」
「そ、そーだそーだ!」
「そんなばっちいもん踏んでねーよ!」

 慌てて否定する。

「じゃあ、いまからふむの? それで、うんちついたくつでぼくをグリグリするの?」

 笑顔から一転、ちょっとだけ不安そうな顔になったチビ。よし、もっと強くおどかしてやる!

「そうだ! 今からうんこ探して踏ん付けて、その足でお前のことグリグリしてやるんだからなっ!? それまで、お前のこと帰してやらないから覚悟しろっ!?」
「は? え? マックスっ!?」
「ええっ!? マジで言ってんのっ!?」
「と、とーぜんだろ!」

 と、子分二人に手招きしてひそひそ話す。

「だってよー、アイツバカだから全然おどしきいてねーし。しかも、家帰したらこの後アマリアちゃんに絵本読んでもらうっつってんだぜ? だったら、もうてってー的にビビらすしかなくね?」
「う~ん……確かに」
「でもさ、泣かすのはまずくね?」
「でもよー、アイツすっげーバカじゃん。泣くか? というワケで、アマリアちゃんに近付かねーって約束するまでめっちゃおどしてやるぞ!」

 そう言って、ひそひそ話終了。

「よし、これからお前をドアマットにするためのうんこ探すから付いて来い!」

「「おー!」」

 と、おれたちは森の中でうんこを探すことになった。

 よたよたと危なっかしく付いて来るチビにイラついて、

「まったく、これだからひょろいチビは」

 仕方ないからちっこい手を引いて歩く。

「わぁ、ありがとおにーちゃん」
「べ、別に! これは、その……あれだ! お前が逃げねーようにだかんな! 転ばないようにとかじゃねーから、勘違いすんじゃねーぞ!」
「ふふっ♪」

 全然わかってなさそうに、おれとつないだ手をぶんぶん振って歩くチビ。

 こうして、チビを連れてうんこ探しをするが――――

「見付からねーな、うんこ」
「そうだな」
「探してないときは落ちてんのになー」

 まあ、場所が悪いのかもな。森の中に落ちてるうんこは大体野生動物のもんだし。う~ん、村に戻るか……? でも、そしたらおれ達がチビをおどそうとしてんのバレるし……なんて考えていたときだった。

「おなかすいたー!」

 チビがハラへりを訴えた。

「もうおうちかえるー」
「は? いや、まてよ! まだうんこ見付かってねーから!」
「え~? ヤだ、ぼくもうあきたー」

 と、チビはこれまた頭の悪そうなワガママを言い出した。そして……

「もうっ、うんちがみつからないならだせばいいじゃない」

 なんか更にとんでもないことを言い出したっ!?!?

「は? ・・・はあっ!?!?」
「だから、うんちおちてないならおにーちゃんたちがここでうんちすればいいでしょ」

「「「っ!?!?」」」

 おれ達は、バカなチビのとんでもない言葉に絶句した。

「ほら、はやくしてよ。ぼくあっちむいてまってるから」

 ぷいっとそっぽを向くチビに子分二人を見ると、二人共すごい勢いで首と両手を振って拒否する。

「いや、そういうことじゃねーんだけどっ!?」
「じゃあもうかえる!」

 むずがるチビに、あせる。だが、チビを帰さないために、ここでうんこをする? そんなの冗談じゃないっ!! 絶対嫌だっ!!

「ま、待て! えっと、その、じゃあ、今からうんこ落ちてるとこ行くぞ!」

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にゃ王さくら
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