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ガキの頃から親しくしておく作戦も悪くないと思います!
「授業が終わったか。では、わたしとシエロも休憩を取ろう」
と、アストレイヤ様の言葉でお茶が用意された。
今日のお茶とお菓子も美味しそうね♪
「随分と気もそぞろな様子だったようだな? 家庭教師が心配していたぞ、ネロ王子」
「すみません。少々考え事をしていました」
「考え事?」
「はい。わたしとシエロ兄上が、こうしてアストレイヤ様と仲良くしていることで……ご子息であらせられるライカ様が、お寂しい思いをされてはいないでしょうか?」
「確かに。それも一理あるかもしれんが・・・」
「宜しければ、ライカ様もお呼びしては如何でしょう? その、わたしやシエロ兄上と会わせたくない……またはライカ様の方がわたし達にお会いしたくないと仰るのであれば、無理にとは言いませんが」
そう言うと、
『おい、なに言ってだんよねーちゃん?』
ぼそぼそと蒼が声を潜めて聞く。
『あちこちバラけてるよか、一か所に集まってた方が攻略対象の動向が探り易くなるじゃない』
これから王族教育で拘束時間が増えるんだから、攻略対象の方が来てくれる方がありがたい。
『それは……確かにそうだけどさ。大丈夫なのか?』
『アンタ、もう少し大きくなってから、一目惚れ&執着されたい? 第一王子ルートは、国王との奪い合い三角関係に加えて、実は寂しんぼなのと独占欲と恋情と嫉妬心をひた隠しにした反動での、ねちねちモラハラ言葉責め&デレの少ないツンデレによる、監禁洗脳コースよ? 子供の頃から仲良くしといて幻滅された方が、そのフラグが折れそうだとは思わない?』
あたしの分析によると――――攻略対象としてのライカは、なにげに夢見がちで、寂しがり屋なところがある。それで、自分の理想通りにシエロたんのことを洗脳する。シエロたんの性格、人格を否定し、自分に逆らわず、常に自分のことを肯定し、自分を甘やかしてくれる理想の恋人……兼、母親像をシエロたんに求めているような気がする。
クソ親父ことレーゲンに可愛がられず、国政を担う忙しいアストレイヤ様に厳しく教育をされて、優秀な王太子であることを求められ続けた反動……なのかもしれない。
ということは、今のうちにライカとアストレイヤ様の触れ合いの時間を作っておけば、将来ライカが拗れてヤンデレるのを防げる可能性があるということだ。
家族関係のごたごたって、人格形成に影響を及ぼして、その後の人生に長期的に響くからなぁ。
『お姉様の言う通り、ガキの頃から親しくしておく作戦も悪くないと思います!』
青ざめた顔で蒼が言った。
そのやり取りを、思案するような顔で見ていたアストレイヤ様が口を開いた。
「回りくどいことは言わん。お前達は、目の前でわたしとライカが仲良くする姿……親子としてのやり取りを見ることが、つらくはないか? ネロ王子は兎も角、シエロ王子はあまり乗り気ではなさそうだが?」
やっぱり、アストレイヤ様は優しい。
「その……わたしは、ライカ様にあまり快く思われていないのではないかと、不安になりまして……」
「わたしはライカではないからな。アイツが君のことをどう思っているのかは知らん。だから、一度会ってみるのもいいとは思うが……君は、母親がいないだろう。寂しくはないか?」
と、あたしと蒼を気遣うような視線。
「わたしは大丈夫です。乳母やグレンが側にいてくれますから。それを仰るなら、わたしよりもネロとネレイシアの方が寂しい思いをしてはいないかと、心配になります」
「わたしなら大丈夫ですよ、シエロ兄上」
ほら? あのクソアマは、ネロたんとネリーちゃんの実母ってだけで、あたしのお母さんじゃないし? この辺りは、おそらく蒼も似たような感じじゃないかしら? あたしのお母さんは、前世でのお母さんだけだ。
目の前で子供(推定美少年になる前の……もしくは美少年に成り掛けのぷにショタなライカ!)が母親である某歌劇団男役トップスター風ゴージャス美女なアストレイヤ様と仲良くしたところで、微笑ましいと思えど、羨ましいとはきっと微塵も思わないわ。むしろ、美ショタと美女をおかずに、ごはんが何杯でもイケそうです!
「そうか・・・では、近いうちにライカを呼ぼう」
おっし! キラキラぷにショタ(仮定)ライカと仲良くなるチャンスキターーーーーーっ!!
「ありがとうございます! アストレイヤ様!」
「そんなに嬉しいのか?」
「勿論です♪わたし達を信頼してくださって、ありがとうございます」
クソ親父はもうどうしようもない。けど、母親であるアストレイヤ様との触れ合う時間を増やすよう仕向けることはできる。
名付けて、ライカ健全育成計画! と言ったところかしら? まぁ、アストレイヤ様がライカのことを息子として愛している。または、気に掛けている、ということが大前提ではあるけど。
アストレイヤ様はレーゲンのことを忌々しいと思っているだろうけど。この様子だと、ライカのことを嫌っているようには見えない。なら、脈はある筈。
「・・・ここで信頼、と取るとはな? なんとも可愛くない子供だ。全く」
喜ぶあたしを、苦々しいという風な表情で見下ろすアストレイヤ様。
うん? あれ? なんかあたし、言葉のチョイス間違った?
「ネロとネレイシアは、今までわたし以外の子供とは接したことがないそうなので、それが嬉しいのでしょう」
なんか、蒼にフォローされてる?
「ああ、そうだったな。その問題もあった。……やはり、いっそ一纏めにして教育した方がいいか……」
そんな呟きが落ちて――――
「さて、休憩は終わりだ。子供に長時間労働はさせられんからな。シエロももう帰れ」
と、休憩時間が終了。解散となった。
♩*。♫.°♪*。♬꙳♩*。♫
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