腐ったお姉ちゃん、【ヤンデレBLゲームの世界】で本気を出すことにした!

月白ヤトヒコ

文字の大きさ
17 / 160

ガキの頃から親しくしておく作戦も悪くないと思います!




「授業が終わったか。では、わたしとシエロも休憩を取ろう」

 と、アストレイヤ様の言葉でお茶が用意された。

 今日のお茶とお菓子も美味しそうね♪

「随分と気もそぞろな様子だったようだな? 家庭教師が心配していたぞ、ネロ王子」
「すみません。少々考え事をしていました」
「考え事?」
「はい。わたしとシエロ兄上が、こうしてアストレイヤ様と仲良くしていることで……ご子息であらせられるライカ様が、お寂しい思いをされてはいないでしょうか?」
「確かに。それも一理あるかもしれんが・・・」
「宜しければ、ライカ様もお呼びしては如何でしょう? その、わたしやシエロ兄上と会わせたくない……またはライカ様の方がわたし達にお会いしたくないと仰るのであれば、無理にとは言いませんが」

 そう言うと、

『おい、なに言ってだんよねーちゃん?』

 ぼそぼそと蒼が声を潜めて聞く。

『あちこちバラけてるよか、一か所に集まってた方が攻略対象の動向が探り易くなるじゃない』

 これから王族教育で拘束時間が増えるんだから、攻略対象の方が来てくれる方がありがたい。

『それは……確かにそうだけどさ。大丈夫なのか?』
『アンタ、もう少し大きくなってから、一目惚れ&執着されたい? 第一王子ルートは、国王との奪い合い三角関係に加えて、実は寂しんぼなのと独占欲と恋情と嫉妬心をひた隠しにした反動での、ねちねちモラハラ言葉責め&デレの少ないツンデレによる、監禁洗脳コースよ? 子供の頃から仲良くしといて幻滅された方が、そのフラグが折れそうだとは思わない?』

 あたしの分析によると――――攻略対象としてのライカは、なにげに夢見がちで、寂しがり屋なところがある。それで、自分の理想通りにシエロたんのことを洗脳する。シエロたんの性格、人格を否定し、自分に逆らわず、常に自分のことを肯定し、自分を甘やかしてくれる理想の恋人……兼、母親像をシエロたんに求めているような気がする。

 クソ親父ことレーゲンに可愛がられず、国政を担う忙しいアストレイヤ様に厳しく教育をされて、優秀な王太子であることを求められ続けた反動……なのかもしれない。

 ということは、今のうちにライカとアストレイヤ様の触れ合いの時間を作っておけば、将来ライカが拗れてヤンデレるのを防げる可能性があるということだ。

 家族関係のごたごたって、人格形成に影響を及ぼして、その後の人生に長期的に響くからなぁ。

『お姉様の言う通り、ガキの頃から親しくしておく作戦も悪くないと思います!』

 青ざめた顔で蒼が言った。

 そのやり取りを、思案するような顔で見ていたアストレイヤ様が口を開いた。

「回りくどいことは言わん。お前達は、目の前でわたしとライカが仲良くする姿……親子としてのやり取りを見ることが、つらくはないか? ネロ王子は兎も角、シエロ王子はあまり乗り気ではなさそうだが?」

 やっぱり、アストレイヤ様は優しい。

「その……わたしは、ライカ様にあまり快く思われていないのではないかと、不安になりまして……」
「わたしはライカではないからな。アイツが君のことをどう思っているのかは知らん。だから、一度会ってみるのもいいとは思うが……君は、母親がいないだろう。寂しくはないか?」

 と、あたしと蒼を気遣うような視線。

「わたしは大丈夫です。乳母やグレンが側にいてくれますから。それを仰るなら、わたしよりもネロとネレイシアの方が寂しい思いをしてはいないかと、心配になります」
「わたしなら大丈夫ですよ、シエロ兄上」

 ほら? あのクソアマは、ネロたんとネリーちゃんの実母ってだけで、あたしのお母さん・・・・じゃないし? この辺りは、おそらく蒼も似たような感じじゃないかしら? あたしのお母さんは、前世でのお母さんだけだ。

 目の前で子供(推定美少年になる前の……もしくは美少年に成り掛けのぷにショタなライカ!)が母親である某歌劇団男役トップスター風ゴージャス美女なアストレイヤ様と仲良くしたところで、微笑ましいと思えど、羨ましいとはきっと微塵も思わないわ。むしろ、美ショタと美女をおかずに、ごはんが何杯でもイケそうです!

「そうか・・・では、近いうちにライカを呼ぼう」

 おっし! キラキラぷにショタ(仮定)ライカと仲良くなるチャンスキターーーーーーっ!!

「ありがとうございます! アストレイヤ様!」
「そんなに嬉しいのか?」
「勿論です♪わたし達を信頼してくださって、ありがとうございます」

 クソ親父はもうどうしようもない。けど、母親であるアストレイヤ様との触れ合う時間を増やすよう仕向けることはできる。

 名付けて、ライカ健全育成計画! と言ったところかしら? まぁ、アストレイヤ様がライカのことを息子として愛している。または、気に掛けている、ということが大前提ではあるけど。

 アストレイヤ様はレーゲンのことを忌々しいと思っているだろうけど。この様子だと、ライカのことを嫌っているようには見えない。なら、脈はある筈。

「・・・ここで信頼、と取るとはな? なんとも可愛くない子供だ。全く」

 喜ぶあたしを、苦々しいという風な表情で見下ろすアストレイヤ様。

 うん? あれ? なんかあたし、言葉のチョイス間違った?

「ネロとネレイシアは、今までわたし以外の子供とは接したことがないそうなので、それが嬉しいのでしょう」

 なんか、蒼にフォローされてる?

「ああ、そうだったな。その問題もあった。……やはり、いっそ一纏めにして教育した方がいいか……」

 そんな呟きが落ちて――――

「さて、休憩は終わりだ。子供に長時間労働はさせられんからな。シエロももう帰れ」

 と、休憩時間が終了。解散となった。

♩*。♫.°♪*。♬꙳♩*。♫

感想 17

あなたにおすすめの小説

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

冷たかった夫が別人のように豹変した

京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。 ざまぁ。ゆるゆる設定

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

転生者だからって無条件に幸せになれると思うな。巻き込まれるこっちは迷惑なんだ、他所でやれ!!

ファンタジー
「ソフィア・グラビーナ!」 卒業パーティの最中、突如響き渡る声に周りは騒めいた。 よくある断罪劇が始まる……筈が。 ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。