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赤い瞳の姫君
さ、更なるダメージがっ・・・
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「さて、どうでもいいことは放っておいて」
「どうでもいいくないよーっ!」
と、ヴァンは喚くアホを黙殺。
「マスター。この城には、吸血鬼の噂があるようですよ?」
「どうでもよくないの~っ!?」
「しつこい方は嫌われますよ? マスターのメンタルなど、私は心底どうでもいいので、このまま話を進めます」
「さ、更なるダメージがっ・・・」
更に黙殺。
「なんでも、城へ訪れた旅人の生き血を啜る吸血鬼がいる、だとか」
「そんなのどうでもいいんだよー……ボクは今、ヴァンのせいで傷心なんだもん」
ヴァンの言葉に傷付いたと言い、ベッドに突っ伏していじけたアピールをして来るマスターが非常にウザいとヴァンは思う。
「そうですか。では、失礼致します。私は下がりますので、呉々も、緊急事態以外では私を呼ばないよう、お願いします。くだらない用事なら、当然ながら無視させて頂きますので。まあ、緊急事態でも、なるべくご自分でどうにかして頂けると、大変嬉しく思います」
「傷心のボクを放っとくっていうの?」
チラリとヴァンを見上げる黒瞳。
「チッ…」
思わず苛立たしげな舌打ちを漏らしてしまうヴァン。全く面倒な主だ、と。
「あーっ、舌打ちまでっ!」
「では失礼」
「こらー、ヴァン~っ!?」
喚く子供を放置し、入り口近くの続き部屋、主人を世話する使用人の為の部屋。メイドルームへと下がるヴァン。ここまでは、さすがにアホのマスターも入って来ない。
ヴァンの、久々に一人の時間だ。
まあ、喚き声が聞こえる為、静かとは言い難いが・・・夕食に呼ばれるまでの間。ほんの少しだけ、のんびりと寛ごうと、ヴァンは思う。
「どうでもいいくないよーっ!」
と、ヴァンは喚くアホを黙殺。
「マスター。この城には、吸血鬼の噂があるようですよ?」
「どうでもよくないの~っ!?」
「しつこい方は嫌われますよ? マスターのメンタルなど、私は心底どうでもいいので、このまま話を進めます」
「さ、更なるダメージがっ・・・」
更に黙殺。
「なんでも、城へ訪れた旅人の生き血を啜る吸血鬼がいる、だとか」
「そんなのどうでもいいんだよー……ボクは今、ヴァンのせいで傷心なんだもん」
ヴァンの言葉に傷付いたと言い、ベッドに突っ伏していじけたアピールをして来るマスターが非常にウザいとヴァンは思う。
「そうですか。では、失礼致します。私は下がりますので、呉々も、緊急事態以外では私を呼ばないよう、お願いします。くだらない用事なら、当然ながら無視させて頂きますので。まあ、緊急事態でも、なるべくご自分でどうにかして頂けると、大変嬉しく思います」
「傷心のボクを放っとくっていうの?」
チラリとヴァンを見上げる黒瞳。
「チッ…」
思わず苛立たしげな舌打ちを漏らしてしまうヴァン。全く面倒な主だ、と。
「あーっ、舌打ちまでっ!」
「では失礼」
「こらー、ヴァン~っ!?」
喚く子供を放置し、入り口近くの続き部屋、主人を世話する使用人の為の部屋。メイドルームへと下がるヴァン。ここまでは、さすがにアホのマスターも入って来ない。
ヴァンの、久々に一人の時間だ。
まあ、喚き声が聞こえる為、静かとは言い難いが・・・夕食に呼ばれるまでの間。ほんの少しだけ、のんびりと寛ごうと、ヴァンは思う。
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