3 / 10
03
しおりを挟む
すると報告に来たリチャードの部下が私を見た後で気まずそうにするのでした。
「どうした??何の報告だ??」
「いえ、そのう。」
リチャードの部下は私の顔を見ながら言いにくそうにリチャードに応えるのでした。
するとそれに気がついたロゼッタがその部下に言ったのです。
「ああ、こんな女気にしなくていいわよ!!!この女は追放が確定してるからねえ!!くっくっく!!!」
「そうだ、だからはやく報告を言え!!」
「はい、では報告は二つございます。」
「この聖地リーゼルトに残っていた王国軍の掃討が完了いたしました。」
「そうかそれはいい知らせだな。もう一つは??」
「王都レイヤード方面に偵察に出ていた者達が戻ってまいりました。多数の魔物達に行く手を阻まれこのリーゼルトの郊外にすら出る事ができずそのまま引き返してきたとの事です。」
「どちらもとてもいい知らせねえ!!」
「やはり国王も王子も戦死しているようだな。」
「ええ私もそう思います。しかもこの分なら王国軍の救援に向かった貴族達も軒並み戦死しているとみて問題ないかと思われます。」
「いやあ笑いが止まらないねえ。魔物の軍勢がダルスタル王国に侵入してからというもの、忌々しい連中がどんどん消えってってくれてるからなあ!!あのクソ親父も魔物討伐に行って戦死してくれたからねえ。部下共を逃がす為に自分が戦死してれば世話ねえわ。おかげで公爵どころか国王になれるんだからな。」
「ロゼッタがすばらしい提案をしてくれた!!!」
「リチャード様のようなお方こそこの国の王となられるべきなのです。」
「うむ、その通りだ。」
「ラインベルク公爵様が何を思って家来の人達を逃がしたと思っているんですか??」
「このリチャード様にあのボンクラな王子からこの国を奪えっていう事を言いたかったんだろうよ!!!!全く心を改めろだの、もっと思いやりを持てだのうぜえ事ばかり言い続けがってあのクソ親父が!!まああのクソ親父も最後はちゃんとこのリチャード様の役に立った訳だな!!!親父が残してくれた兵士達のおかげでこのリチャード様が反乱を起こせるわけだからな!!はっはっはっ!!!」
「そうです。あんな人がいいだけのボンクラな国王や王子など支える価値もありません!!!死んでくれて良かったです。しかも他の貴族達も軒並み国王救援の為に出払っていて聖地はがら空き状態です。そのチャンスを見逃さず反乱を起こされたのはまさに英断でございました。」
「そうだろう、そうだろう!!!」
「秘宝ゼブリアを手に入れればリチャード様の天下でございます。」
「そのためにはこのクズ女をしっかり利用しないとな。」
「あのボンクラな王子が死んでくれて本当に良かったですね。」
私は大きな声で二人に言いました。
「クラトス様はきっと生きていらっしゃいます!!!」
「はっはっはっ!!!クラトス王子が生きてるですって!!生きてる訳ないでしょ??こんな状況で!!!」
「その通りだ!!!まったくむかつく女だぜ!!!」
「おい来週までに婚儀の身支度を済ませておけ!!!いいな!!!」
「いいか、俺の嫁になれるからって思いあがるなよ!!!テメエなんざクズ女は俺の側目になる価値すらないんだ!!!お前に価値があるのは秘宝ゼブリアに認められていること、ただそれだけだ!!!それ以外は一切何の価値もない!!!分かったかクズ女!!!お前みたいなクズ女を三日だけ俺様の嫁にしてやろうっていうんだ!!ありがたく思え!!」
「そうよ!!あんたがリチャード様の嫁でいられるのは秘宝ゼブリアが手に入るまでだけだから!!!その後はこのロゼッタが正式にリチャード様の正妻になるから!!!それであんたはお払い箱よ!!!良かったわね!!!くっくっくっ!!!」
そしてリチャードとロゼッタはこの部屋から出て行きました。
私は二人が出て行くと座り込んでしまいました。
そこにメイドのメリーゼが優しく声をかけてくれました。
「ソフィー様、お気を確かに。」
「ありがとう、メリーゼ。」
「ソフィー様、きっとクラトス王子様はご無事でございます。」
メリーゼはシュベル離宮に使えている気づかいができる優しいメイドさんです。
年が私と近い事もあり、メリーゼともすぐに仲良くなりました。
「とんでもない事になってしまいましたね。」
「メリーゼ。私はリチャードと結婚するつもりはありません。クラトス様からお預かりした秘宝ゼブリアをリチャードなどに渡してはいけないと思うのです。」
「ええ私もそう思います。リチャードとの結婚など絶対してはなりません。ましてやリチャードはソフィー様を捨てると公言しているのですから。」
「ですのでここをみなで脱出したいと思うのです。」
「みんなでこのシュベル離宮から逃げようというのですか?」
「はい、そうです。」
「私もその方がいいとは思いますが、このシュベル離宮はリチャードの私兵に囲まれています。とてもではありませんが逃げられるとは思えませんが。」
「大丈夫です。ひとつ考えがあります。」
「どうした??何の報告だ??」
「いえ、そのう。」
リチャードの部下は私の顔を見ながら言いにくそうにリチャードに応えるのでした。
するとそれに気がついたロゼッタがその部下に言ったのです。
「ああ、こんな女気にしなくていいわよ!!!この女は追放が確定してるからねえ!!くっくっく!!!」
「そうだ、だからはやく報告を言え!!」
「はい、では報告は二つございます。」
「この聖地リーゼルトに残っていた王国軍の掃討が完了いたしました。」
「そうかそれはいい知らせだな。もう一つは??」
「王都レイヤード方面に偵察に出ていた者達が戻ってまいりました。多数の魔物達に行く手を阻まれこのリーゼルトの郊外にすら出る事ができずそのまま引き返してきたとの事です。」
「どちらもとてもいい知らせねえ!!」
「やはり国王も王子も戦死しているようだな。」
「ええ私もそう思います。しかもこの分なら王国軍の救援に向かった貴族達も軒並み戦死しているとみて問題ないかと思われます。」
「いやあ笑いが止まらないねえ。魔物の軍勢がダルスタル王国に侵入してからというもの、忌々しい連中がどんどん消えってってくれてるからなあ!!あのクソ親父も魔物討伐に行って戦死してくれたからねえ。部下共を逃がす為に自分が戦死してれば世話ねえわ。おかげで公爵どころか国王になれるんだからな。」
「ロゼッタがすばらしい提案をしてくれた!!!」
「リチャード様のようなお方こそこの国の王となられるべきなのです。」
「うむ、その通りだ。」
「ラインベルク公爵様が何を思って家来の人達を逃がしたと思っているんですか??」
「このリチャード様にあのボンクラな王子からこの国を奪えっていう事を言いたかったんだろうよ!!!!全く心を改めろだの、もっと思いやりを持てだのうぜえ事ばかり言い続けがってあのクソ親父が!!まああのクソ親父も最後はちゃんとこのリチャード様の役に立った訳だな!!!親父が残してくれた兵士達のおかげでこのリチャード様が反乱を起こせるわけだからな!!はっはっはっ!!!」
「そうです。あんな人がいいだけのボンクラな国王や王子など支える価値もありません!!!死んでくれて良かったです。しかも他の貴族達も軒並み国王救援の為に出払っていて聖地はがら空き状態です。そのチャンスを見逃さず反乱を起こされたのはまさに英断でございました。」
「そうだろう、そうだろう!!!」
「秘宝ゼブリアを手に入れればリチャード様の天下でございます。」
「そのためにはこのクズ女をしっかり利用しないとな。」
「あのボンクラな王子が死んでくれて本当に良かったですね。」
私は大きな声で二人に言いました。
「クラトス様はきっと生きていらっしゃいます!!!」
「はっはっはっ!!!クラトス王子が生きてるですって!!生きてる訳ないでしょ??こんな状況で!!!」
「その通りだ!!!まったくむかつく女だぜ!!!」
「おい来週までに婚儀の身支度を済ませておけ!!!いいな!!!」
「いいか、俺の嫁になれるからって思いあがるなよ!!!テメエなんざクズ女は俺の側目になる価値すらないんだ!!!お前に価値があるのは秘宝ゼブリアに認められていること、ただそれだけだ!!!それ以外は一切何の価値もない!!!分かったかクズ女!!!お前みたいなクズ女を三日だけ俺様の嫁にしてやろうっていうんだ!!ありがたく思え!!」
「そうよ!!あんたがリチャード様の嫁でいられるのは秘宝ゼブリアが手に入るまでだけだから!!!その後はこのロゼッタが正式にリチャード様の正妻になるから!!!それであんたはお払い箱よ!!!良かったわね!!!くっくっくっ!!!」
そしてリチャードとロゼッタはこの部屋から出て行きました。
私は二人が出て行くと座り込んでしまいました。
そこにメイドのメリーゼが優しく声をかけてくれました。
「ソフィー様、お気を確かに。」
「ありがとう、メリーゼ。」
「ソフィー様、きっとクラトス王子様はご無事でございます。」
メリーゼはシュベル離宮に使えている気づかいができる優しいメイドさんです。
年が私と近い事もあり、メリーゼともすぐに仲良くなりました。
「とんでもない事になってしまいましたね。」
「メリーゼ。私はリチャードと結婚するつもりはありません。クラトス様からお預かりした秘宝ゼブリアをリチャードなどに渡してはいけないと思うのです。」
「ええ私もそう思います。リチャードとの結婚など絶対してはなりません。ましてやリチャードはソフィー様を捨てると公言しているのですから。」
「ですのでここをみなで脱出したいと思うのです。」
「みんなでこのシュベル離宮から逃げようというのですか?」
「はい、そうです。」
「私もその方がいいとは思いますが、このシュベル離宮はリチャードの私兵に囲まれています。とてもではありませんが逃げられるとは思えませんが。」
「大丈夫です。ひとつ考えがあります。」
10
あなたにおすすめの小説
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
私ですか?
庭にハニワ
ファンタジー
うわ。
本当にやらかしたよ、あのボンクラ公子。
長年積み上げた婚約者の絆、なんてモノはひとっかけらもなかったようだ。
良く知らんけど。
この婚約、破棄するってコトは……貴族階級は騒ぎになるな。
それによって迷惑被るのは私なんだが。
あ、申し遅れました。
私、今婚約破棄された令嬢の影武者です。
【完結】徒花の王妃
つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。
何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。
「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる