かみかかり

しまうま弁当

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24話 犯人

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それから二日後俺は九是山庭園へとやってきていた。

「俺が被疑者との接触をするまで避難を始めるんじゃないぞ。」

「分かっています。」

「では新川刑事、千田刑事、堀刑事、避難誘導の方はよろしく頼む。」

「ええお任せを。」

すると新川刑事がこう尋ねてきた。

「春山警部一人で被疑者を問い詰めにいくのは危険ではありませんか?」

「大丈夫だ、それより俺が接触したらもなるべく早く人を外に出すようにしてくれ。」

「分かりました。」

九是山庭園の一角にはドーム型の植物園があった。

その中である人物と待ち合わせをしていたのだった。

俺はドームの中へと入っていった。

ドームの中心部には大きな時計塔が設置されており、その人物はそこに立ってすでに待っていた。

俺は深く深呼吸をすると、その人物に声をかけた。

「わざわざ時間を作ってもらって申し訳ありません。粗木田(そきだ)教授。」

「いやこれぐらいは当然ですよ警部さん。それでまた野々宮の事でしょうか?」

「そうですね、また当夜さんの事も伺いたいんですが。それ以外の事も色々と尋ねようと考えています。」

粗木田(そきだ)教授は何の事か分からないような反応を示した。

「はて野々宮以外の事で私が警部さんにお話できる事は少ないと思いますが。」

「ええもちろん分かっている範囲で構いませんよ。」

「分かりました、それで何についてお答えすればいいんですか?」

「そうですね、ではまずなぜ当夜さんを殺したのかを聞かせてもらえませんか?」

「えっ?今なんと。」

粗木田教授はキョトンとした顔で俺を見つめていた。

「ですから当夜さんを殺した理由を教えて頂きたいんです。」

「何を言っているんですか警部さん?」

だが俺は構わずに話を続けた。

「ああでしたら笠歌線無差別殺傷事件の動機からでも構いませんよ。」

「あのうさっきから何を言っているんですか刑事さん?」

「それじゃあ佐田春香さんを殺した理由からでも、栗林刑事を殺害した理由からでも構いませんよ。」

すると粗木田教授は大きな声で俺に叫んできた。

「だから警部さん、俺の話を聞いてください!!何の話をしているのかさっぱり分からないんですが!!」

俺は構わずに話を続けた。

「ですから笠歌公園焼死事件で当夜さんを含む三人を殺害した理由、笠歌線無差別殺傷事件を起こした動機、佐田春香さんを殺害した動機、栗林刑事を殺害した動機をお尋ねしているんです。」

粗木田教授の声もさらに大きくなっていった。

「だから警部さん!!何の話をしているか分からないって言ってるでしょう!!」

俺は構わずに話を続けた。

「残念ですけど粗木田教授もうとぼけても遅いんですよ。増当田(ますとうだ)物流のネットワークカメラに誰がアクセスしていたのかを調べてみたんですよ。そしたら粗木田教授、あなたが増当田物流のネットワークカメラへ何度もアクセスしているじゃないですか。今月だけで100回以上も増当田物流のネットワークカメラにアクセスしている。それで確信したんです。私や栗林刑事が増当田物流にやってきたのに気が付いて口封じに動いたんだとね。犯罪の露見を恐れて春香さんや栗林刑事を殺したんでしょうが、口封じに動いた事が逆に仇となりましたな。この件が無ければ貴方が犯人だとはずっと分からなかったはずです。正直アクセスしていた人間が貴方と分かった時は本当に驚きましたよ。」

粗木田(そきだ)教授は怒り気味に俺を怒鳴りつけてきた。

「だから警部さん、本当に何を言ってるのか分からないって言ってるだろうが!!」

「なるほどあくまでしらばっくれるつもりですか。」

「いやしらばっくれるも何も私は知らないんです。笠歌線の事件だってニュースでやっている以上の事は私は全然知りませんよ。」

「いいえあなたが犯人なんですよ。あなたが当夜さんを殺害した犯人で、笠歌線の事件もあなたが引き起こしたんです。」

粗木田教授が大きな声で反論してくる。

「いいですか警部さん、あんたは大きな勘違いをしている!!私はどちらの事件の時も現場にはいなかったんですよ。」

「ええもちろん知っています。春香さんが亡くなった時も栗林刑事が亡くなった時も粗木田教授あなたが現場にいなかった事もね。」

「分かってるんだったら変な言いがかりをつけないでくれ。」

「いいえたとえ現場にいなかったとしても、粗木田教授!!貴方が当夜さんを殺した犯人であり笠歌線の事件を引き起こした犯人に間違いないんです。」

もはや粗木田教授との会話は口論となり果てていた。

だが俺はそれでも会話を続けた。

「事件当時に現場にいもしなかった私に一体何ができるというんです!!」

「いいえあなたは犯行現場から離れた場所にいながら、当夜さんを殺害したんです。あなたが命令を出して犯人達を操ったんですよ。」

「警部さんは何がなんでも俺を殺人鬼に仕立て上げたいみたいだな!!私が色々な事件を引き起こした黒幕とでも言いたいのか!!私が犯人達を命令を出していたとでも!!いくらなんでもお前自殺しろなんて言われて本当に死ぬ奴いますか?仮に私が当夜に死ねと命令した所で本当に死ぬわけがないだろうが!!あんたはそんな事も分からないのか!!」

「死んで来いと命令されて本当に死ぬ人間はほとんどいないでしょうな。」

「分かってるならなんでこの私を殺人鬼にしたがるんだ!!」

「だから粗木田教授あなたがたくさんの人を殺したからですよ。」

「いいか私は何もしてないんだ!!笠歌線の事件にしてもなんで私が殺した事になるんだ!!俺がその笠歌線の事件の犯人達に指示を出していたという証拠でもあるのか?」

「いえ笠歌線無差別殺傷事件の実行犯と思われる被疑者達の通信記録を調べましたが、粗木田教授あなたとの接点は何も見つけられませんでした。」

「当たり前だ!!俺は黒幕でも犯人でもないんだから、接点なんてあるわけがない。」

「いい加減あんたも俺が犯人じゃないと分かっただろう!!」

「いいえ笠歌線無差別殺傷事件の犯人はあなたであると確信しています。」

「いい加減にしやがれ!!犯行現場にもいないし犯人達との接点もない私が犯人であるわけないだろうが!!どんだけ頭が悪いんだ!!あんたは!!」

「あなたは指示を出さずに当夜さんや笠歌線無差別殺傷事件の犯人達を操っていたんです。自分の守護霊を取り憑かせて操っていたんです。違いますか?」

「はあっ?」

「あなたは当夜さんを含む笠歌公園焼死事件の被害者達に自分の守護霊を取り憑かせて操っていたんですよ。そして被害者達を焼死させた。違いますか?」

粗木田教授が激高していた。

「何を言いだすかと思えば、守護霊を取り憑かせて犯人を操っただと。なにを馬鹿な事を言ってるんだ!!まさかそんなオカルトじみた話を信じてこの私を犯人扱いしてるんじゃないだろうな!!」

「はい、あなたが守護霊を使って人を操って自殺させたと思っています!!」

「冗談で言ってるんだよな!!」

「冗談じゃありません、至って真面目にお話しています。」

「頭のおかしい事言ってるんじゃねえぞ!!守護霊を取り憑かせて人を操って殺しただと。そんなふざけた話を本気で信じてやがるのか?」

「ええもちろん信じています。」

すると粗木田教授は背を向けたのだった。

「どこに行くんですか粗木田教授?まだ話は終わっていませんよ。」

「もう帰るんだよ!!」

俺は粗木田教授を引き留めた。

「だからまだ話は終わってませんよ。」

「幽霊を操って人を殺しましたとか、ヤバイ事を言う奴の話なんかこれ以上聞いてられるか!!帰らせてもらう!!」

「そう言えば粗木田教授あなたは深手(ふかで)神社の跡取りだったんですよね?」
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