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【16 1月15日 小正月】
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・【16 1月15日 小正月】
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早朝はカフェで出すための小豆粥を作っていると、テイがやって来て、手を合わせて、
「美味しそうだなぁ、ちょっと味見していいっ。ゴメン! 嘘ついた! ただ寧の料理が食べたいだけ!」
「いや即オチ2コマじゃぁないんだよ、味見って体裁保って別にいいよ。というか食べてみてよ、はいっ」
と皿によそってテイに渡すと、テイは嬉しそうにすすった。でも、すぐさま頭上に疑問符が浮かんでいるような顔をした。
何だろう、変な味だったかなと思っていると、テイが大きな声で、
「甘くない!」
と叫んで、つい笑ってしまった。
だって、
「正月の時に小正月の説明もしたじゃない、小豆粥は甘くないんだよ」
すると徐々顔が明るくなっていき、
「そうだった!」
と言った。
「私の言ったこと、あんまり覚えてくれていないんだぁ?」
と、ちょっと嫌味っぽく言ってみると、テイは、
「だって俺は甘々でトロトロだから、小豆粥もそうだと思ってしまったんだ。というかそもそもいろんな歳時記の料理を知っていて、本当に寧はすごいねっ」
「でも忘れていたしぃ?」
「寧の笑顔が甘過ぎて、小豆粥も甘いと勘違いしてしまっただけだよっ」
と少し焦るようにそう言ったテイ。
まあ別に何でも覚えている必要も無いからね、と思って、
「嘘嘘、別に怒っているわけじゃないよ。テイが可愛いからからかっただけ」
「寧のほうが可愛いけどね」
「ううん、クラが一番可愛い」
「いや、俺は寧とクラが同率一位! というか人間部門一位と幻獣部門一位!」
「部門が違うんだっ」
とツッコむように言うと、何だか満足げに頷いて、面白い。
というわけで、
「小豆の素朴な味、感じられるかな?」
と本来の味見の話に持っていくと、
「うん、すごく滋味深い」
とテイが答えたので、私は何だか可笑しくなってしまい、笑いながら、
「ちゃんといろんな言葉を覚えてすごいねっ」
「いや、こういう難しい言葉とかはその、翻訳の魔法、魔法というか何か、その、アレでできるからさ」
「魔法なら魔法でいいよ、信じるよ。私はテイの言うこと全部信頼しているから」
と私がテイの瞳を見ながら言うと、
「まあ、それはすごく嬉しいけども、その、電波と思われることは嫌だから、さっ」
「その翻訳の魔法で電波という言葉遣いも分かるってことね」
「そうそう、えっ、あっ、魔法というか、まあ何か、技術で」
しどろもどろで愛おしいけども、あんまりそこをほじくっても可哀想なので、このくらいにして、
「まあ私も話したくない過去はあるし、テイも無理して言ったりしなくていいからね。お互い秘密があったほうが楽しいもんねっ」
「いや秘密にしたいわけじゃないんだけども、でもうん、有難う。寧はいつも配慮してくれるね」
「別に普通だよ」
「いやもう寧の配慮はこしあんだよ、練りに練られているよ」
「そんな後半、策士みたいに言われても」
「甘くてくちどけ優しいよ」
「それはこしあんの情報じゃん」
何かこうやってテイと会話していることは本当に楽しいなと思っていたその時だった。
急にテイが後方に吹き飛ばされるように、床に尻もちをつき、テイは小首を傾げている。
私も何が起きたのか分からず、声も出なかったんだけども、クラがキッチンのほうへひょこっと顔を出した時に、クラのせいだと分かった。
クラがテイに手をかざしながら、続ける。
「テイは小正月のことを忘れていて本当ダメだよね! 僕は覚えていたよ! そう! 鳥追いの歌を! 害鳥を追い払う鳥追いの歌と! 呪文をブレンドして、テイを寧から追い払う魔法を完成させたよ!」
テイは焦りながらクラのほうを首だけ振り返って、
「そんなん完成させても意味無いだろ! 俺はずっと寧と一緒に居たいんだよ!」
「寧の小正月話を忘れていた罰だ! ここからは僕が可愛がられる!」
と言ったところでテイが意を決したような表情になってから、
「鳥追いの歌か、正直言われたら思い出したよ。つまりこれをこうして……」
と言ってから、何か小声でブツブツ言い始めたと思ったら、テイが空中にふんわり浮くように立ち上がり、私の近くへやって来た。
「どうしたの? テイ」
「今、俺も呪文を練って寧追いの歌、否、寧追うの歌を作って、俺はずっと寧を追うことにしたんだ!」
するとクラが愕然とした表情になりながら、
「ズルい! ズルい! テイのほうが魔力は上だからぁ!」
と言ってクラが駆け寄って来て、テイの肩に乗った。
テイはクラの頬を撫でながら、
「俺は器が大きいからな、今回のことは目を瞑って、俺と一緒に寧を追おう! クラ!」
「うん! そうする!」
いや!
「追わなくて別に良い! 消えないから!」
そう、私がテイやクラの前から消えるはずないじゃん、そんなことを思っていた。
・【16 1月15日 小正月】
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早朝はカフェで出すための小豆粥を作っていると、テイがやって来て、手を合わせて、
「美味しそうだなぁ、ちょっと味見していいっ。ゴメン! 嘘ついた! ただ寧の料理が食べたいだけ!」
「いや即オチ2コマじゃぁないんだよ、味見って体裁保って別にいいよ。というか食べてみてよ、はいっ」
と皿によそってテイに渡すと、テイは嬉しそうにすすった。でも、すぐさま頭上に疑問符が浮かんでいるような顔をした。
何だろう、変な味だったかなと思っていると、テイが大きな声で、
「甘くない!」
と叫んで、つい笑ってしまった。
だって、
「正月の時に小正月の説明もしたじゃない、小豆粥は甘くないんだよ」
すると徐々顔が明るくなっていき、
「そうだった!」
と言った。
「私の言ったこと、あんまり覚えてくれていないんだぁ?」
と、ちょっと嫌味っぽく言ってみると、テイは、
「だって俺は甘々でトロトロだから、小豆粥もそうだと思ってしまったんだ。というかそもそもいろんな歳時記の料理を知っていて、本当に寧はすごいねっ」
「でも忘れていたしぃ?」
「寧の笑顔が甘過ぎて、小豆粥も甘いと勘違いしてしまっただけだよっ」
と少し焦るようにそう言ったテイ。
まあ別に何でも覚えている必要も無いからね、と思って、
「嘘嘘、別に怒っているわけじゃないよ。テイが可愛いからからかっただけ」
「寧のほうが可愛いけどね」
「ううん、クラが一番可愛い」
「いや、俺は寧とクラが同率一位! というか人間部門一位と幻獣部門一位!」
「部門が違うんだっ」
とツッコむように言うと、何だか満足げに頷いて、面白い。
というわけで、
「小豆の素朴な味、感じられるかな?」
と本来の味見の話に持っていくと、
「うん、すごく滋味深い」
とテイが答えたので、私は何だか可笑しくなってしまい、笑いながら、
「ちゃんといろんな言葉を覚えてすごいねっ」
「いや、こういう難しい言葉とかはその、翻訳の魔法、魔法というか何か、その、アレでできるからさ」
「魔法なら魔法でいいよ、信じるよ。私はテイの言うこと全部信頼しているから」
と私がテイの瞳を見ながら言うと、
「まあ、それはすごく嬉しいけども、その、電波と思われることは嫌だから、さっ」
「その翻訳の魔法で電波という言葉遣いも分かるってことね」
「そうそう、えっ、あっ、魔法というか、まあ何か、技術で」
しどろもどろで愛おしいけども、あんまりそこをほじくっても可哀想なので、このくらいにして、
「まあ私も話したくない過去はあるし、テイも無理して言ったりしなくていいからね。お互い秘密があったほうが楽しいもんねっ」
「いや秘密にしたいわけじゃないんだけども、でもうん、有難う。寧はいつも配慮してくれるね」
「別に普通だよ」
「いやもう寧の配慮はこしあんだよ、練りに練られているよ」
「そんな後半、策士みたいに言われても」
「甘くてくちどけ優しいよ」
「それはこしあんの情報じゃん」
何かこうやってテイと会話していることは本当に楽しいなと思っていたその時だった。
急にテイが後方に吹き飛ばされるように、床に尻もちをつき、テイは小首を傾げている。
私も何が起きたのか分からず、声も出なかったんだけども、クラがキッチンのほうへひょこっと顔を出した時に、クラのせいだと分かった。
クラがテイに手をかざしながら、続ける。
「テイは小正月のことを忘れていて本当ダメだよね! 僕は覚えていたよ! そう! 鳥追いの歌を! 害鳥を追い払う鳥追いの歌と! 呪文をブレンドして、テイを寧から追い払う魔法を完成させたよ!」
テイは焦りながらクラのほうを首だけ振り返って、
「そんなん完成させても意味無いだろ! 俺はずっと寧と一緒に居たいんだよ!」
「寧の小正月話を忘れていた罰だ! ここからは僕が可愛がられる!」
と言ったところでテイが意を決したような表情になってから、
「鳥追いの歌か、正直言われたら思い出したよ。つまりこれをこうして……」
と言ってから、何か小声でブツブツ言い始めたと思ったら、テイが空中にふんわり浮くように立ち上がり、私の近くへやって来た。
「どうしたの? テイ」
「今、俺も呪文を練って寧追いの歌、否、寧追うの歌を作って、俺はずっと寧を追うことにしたんだ!」
するとクラが愕然とした表情になりながら、
「ズルい! ズルい! テイのほうが魔力は上だからぁ!」
と言ってクラが駆け寄って来て、テイの肩に乗った。
テイはクラの頬を撫でながら、
「俺は器が大きいからな、今回のことは目を瞑って、俺と一緒に寧を追おう! クラ!」
「うん! そうする!」
いや!
「追わなくて別に良い! 消えないから!」
そう、私がテイやクラの前から消えるはずないじゃん、そんなことを思っていた。
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